好きな安全地帯の歌詞 2
今回はTHE バブル期の夜遊びみたいな曲たちです。
❸ MISS MISS KISS(作詞 松井五郎)
1986年リリース5thアルバム「安全地帯 V」の曲です。このアルバムに入っている曲の歌詞は現代人から見るともはやちょっとどうかしているようなダサさがあります。バブル期特有のダサさと退廃的な恋愛のエロスがいい具合に感じられる曲がなんと3枚組36曲ととんでも無いボリュームで入っています。
さてこの曲についてですが、悪女が何を企んでいるのかははっきりとわかりません。金銭や地位のために戦略的に体を差し出しているのかもしれないし、単なる思わせぶりのことを罠、悪女のセンスと言っているのかもしれない。
わかるのはとにかく男が、何かを企んでいるようなこの女の態度に奇妙な魅力を感じているということ。バブル期の東京における性の乱れ方を考えるとこんなのは普通だったのかもしれませんが。現代で言うところの港区女子とかに近いのかな。
1番好きなのはMISS MISS KISSというタイトルと「みすみすキスされてやる」というのがただの駄洒落で何もかかっていないところ(miss miss kissという英語自体に意味がない)。いかにもこの時代のユーモアっぽくて良い。
❹いますぐに恋(作詞 松井五郎)
これも「安全地帯V」から。
松井五郎はアンニュイな雰囲気を描くのが本当に上手いです。バーかどこかでしょうか。1人退屈そうに過ごす女性。蜂、蛇、蜥蜴(とかげ)と危険な動物の名前が散りばめられていて全体的にどこか不吉な雰囲気。
ダサくて笑ってしまうのですが、Hello My Girlはナンパするにしてもいきなり過ぎます。ここもバブル感が強くてちょっと面白いです。
「ハンドバッグからこぼれる退屈」、「すりへったリップスティックから誰かのKissを想いだすの」というフレーズはシンプルに好きです。
❺今夜はYES(作詞 松井五郎)
この曲は曲調も歌詞もサイッコーーーにバブルです。
地下鉄からあふれてくるレプリカント(人造人間=労働階級の奴隷人間?)というのは華金に労働を終えたサラリーマンたちが一気に夜遊びに出てくる様子。イエローキャブとはタクシーのことで、この時代はいかにも金を持ってそうな風貌でないとタクシーが止まらなかった。貧乏人が止めようとしようもんならクラクションを鳴らされ乗車拒否される。なのでイエローキャブはドアが開かない。レプリカントだとかアルミニウムだとかねじ回しだというのは人間を人間だと思っていないということで、他人を全て自分の見栄のために利用するロボットとして品定めしている。
2番から人をロボット扱いするのをやめる。
1人お眼鏡にかなう女性を見つけて夢中になっているから。こうなったら絶対に離したりしない、他の男には絶対に渡さない、世界でたった1人の俺の女。金と見栄と欲望の渦巻く、バブル期の夜の街。現代人から見ると超絶ダサいかもしれない(笑)
YESだねとか、イカすとか言葉選びもものすごくバブリー。バブルを感じたい人はぜひ聴いてみてください。
つづく
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