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【ボクの細道】#4「星宿り」
雨が降ったら雨宿り、星が降ったら星宿りをしよう
戦場のメリークリスマスを初めて見たときの第一印象は「気持ち悪い」だった。それも人間を雑巾みたいに捻り上げて絞り出したような気持ち悪さで、ひらがなでもカタカナでもない漢字で書いた気持ち悪さ。
旧劇場版のエヴァンゲリオンのエンディングみたいに、ひとりぼっちの部屋が廃墟と波打ち際が一緒くたになる。
坂本龍一の“Merry Christmas Mr.Lawrence“の80年代とは思えない秀逸なセンスも、血が出ない故のグロテスクさに吸収されていく。それでもただひとりデヴィッド・ボウイだけが、その目が青く澄んでいて、表情ひとつ変えずにヨノイの頬にキスをするシーンで卒倒しそうになる。
とにかくこんなに気持ち悪いのに最後まで見てしまう作品を誰かが考えたのだろうか、そう思って大学図書館の地下書庫からローレンス・サンデル・ポスト原作のハードカバーを借りてきて食い入るようにというか食い破るように読んだ。
今でもこの一節が好きで誦じれるまで読み込んだ。イデオロギーを取り去り、人種を取り去り、捕虜収容所の中で真の人間性とは何かを見た、ボクにとってのもうひとつの『夜と霧』でもある。だから、星に関する詩を読んでみたいけど、イマイチなのでセルフ共感生羞恥が激しい。
そのときわたしは、夜空の星がズールー族の踊る軍団となって槍を投げおろし、アフリカの雄渾な天空を優しい涙で濡らすのを目撃した
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