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なぐとインテルの話

2018年。
僕は交通業界への就職を夢見て、都内のとある短期大学に進学した。そこで僕は交通業界とは全く違えど、今後の人生を大きく左右する運命的な出会いをする。

世界の舞台で目の当たりにした情熱

17-18シーズンのサッカー。いわゆるチャンピオンズリーグと呼ばれる欧州最大の大会のベスト8のゲームにて、僕は「カルチョ(イタリアのサッカー)」に惹かれる。


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ASローマvsFCバルセロナ

この両者の組み合わせは史上稀に見るドラマを生み出す。
チャンピオンズリーグの本戦はホームとアウェイの地で2戦試合を行うことになっていた。
バルセロナホームのカンプ・ノウで行われた試合は1-4でローマが敗北。そのうち1失点はローマのオウンゴールと散々な内容であった。
ローマは2戦目のホームで行われるローマ・オリンピコでのゲームでは是が非でも無失点で、かつローマがバルセロナ相手に3得点をしないと勝ち進むことは出来ないというあまりにも厳しすぎる条件を突きつけられてしまったのである。

しかし、ローマは成し遂げる。
後に「オリンピコの奇跡」と呼ばれるミラクルをローマは魅せてくれた。

カンプ・ノウ(バルセロナホーム)での1戦目
ロ1-4バ

ローマ・オリンピコ(ローマホーム)での2戦目
ロ3-0バ

2戦合計スコアは4-4だが、カンプ・ノウ(バルセロナホーム)で行われた試合でローマが一矢報いた1点がアウェーゴールとなり、僅かな差でローマが抜きん出たのだ。
※当時チャンピオンズリーグはアウェーゴール制度を用いていた。

この時のローマの選手たちや監督、チームスタッフの喜び、サポーターの熱狂的な歓声、情熱が僕を動かした。

僕はASローマを、そしてカルチョを好きになった。


インテリスタとの出会いと揺れる心

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それからのこと、僕の進学した前述の短大にて仲良くなったひとりの友達がいた(画像左)。彼は2015年頃から本格的にインテルの応援を始めた「インテリスタ」である。
僕はと言うと、チャンピオンズリーグでの躍進に惹かれ続けしばらく変わらずASローマを好んでいたが、ここであるニュースが飛び込む。

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ラジャ・ナインゴラン(当時17/18シーズンまでローマ所属)
彼のイカつい風貌に惚れた

ラジャ・ナインゴランのインテル移籍

このニュースは目を疑った。先述の「オリンピコの奇跡」にて活躍をしたナインゴランが友達の応援するインテルへ。
僕自身、このナインゴランという選手をとても気に入っていた。
イカつい髪型、ゴリゴリに彫られているタトゥー、そして中盤を駆け巡り相手選手からボールを刈り取るプレースタイル、その奪ったボールをゴール前20mほどの距離からいとも簡単にゴールへ叩き込むミドルシュート、そしてアスリートながら普通に喫煙、インスタライブをしながら酒を飲みやんちゃするというギャップ、もう圧巻でやりたい放題である。
当時かなりイカついメンツを揃えていたローマだったが、ナインゴランは他に引けを取らず、むしろ目立つくらいの存在感があった。
そのナインゴランがインテルへ引き抜かれるというのは少々ショックでもあったが、自分はそのナインゴランを応援したいという、正直に申し上げると生半可な気持ちでインテルへと「推し変」をしたのである。(もちろん短大で出会ったその友達の存在も大きかったが。)

当時11年振りの優勝に導いてくれたコンテ監督(左上)

夢への一歩

翌18-19シーズンから本格的にインテルを応援し始めた僕であるが、これも運命なのだろうか。このシーズンからインテルは7年振りにチャンピオンズリーグ出場を叶えていたのである。それもあり、自分のインテルへの思いやこだわりは日に日に強くなっていった。
18-19シーズンはエースの起こす問題やケガによる離脱者などが響き苦しい状況に立たされるも終わってみれば4位。最終戦でチャンピオンズリーグ進出を決めたが、その時の決勝ゴールを決めたのがナインゴランであった。

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インテル時代のナインゴラン

気づけば公式サイトからユニフォームを高い税金を払ってでも手に入れるほどにインテルへゾッコンになっていった僕。それを決定づけたのは19-20シーズンの23節に行われたミラノダービーだろう。
この試合、インテルはライバルであるミランに前半で0-2とリードを許すも、後半だけで4点を取り見事4-2で逆転勝利をするという脳汁が溢れんばかりのゲームを展開した。
この頃からインテリスタと繋がりたいと思いTwitterアカウントを新しく追加で作成するなど、自分にとってラブライブ!に次ぐ新しい新風を感じたのである。(申し遅れましたが私はオタクです。)
またそれと時を同じくして自身を「インテリスタ」として名乗り始めた。
僕はいよいよもうナインゴランの存在関係無しに、ただひたすらにインテルというチームを好きになっていった。

この19-20シーズンは惜しくも憎きユヴェントスに9連覇を許してしまい2位、ヨーロッパリーグでは決勝でセビージャに破れ準優勝に終わったが、遠ざかっていたタイトル獲得に1番近づいたのでは無いかとインテルの躍進は自身を勇気づけた。

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強くなる想い

そして迎えた20-21シーズン。

昨今を賑わせている情勢のせいでなかなか満足に現地イタリアのファンも含めサッカー、もといカルチョを楽しめていない日々が続くが、僕は少しでもインテルに触れられるようにしたいと思い奮発しDAZNに加入した。

この年インテルはなんとも言えないスタートを切る。フィオレンティーナに4-3、ベネヴェントに5-2と、とにかく点は取るも守備があまりにもおそ松さんなのである。
そんな一抹の不安と共に幕開けたインテルだったが、ライバルミランとのダービーゲームを落としてしまったりチャンピオンズリーグでグループステージ敗退(それもグループ最下位)となかなか波に乗れないシーズンが続く。

しかしこのチャンピオンズリーグ敗退が功を奏した(?)のであろうか。国外の大会から敗退するという事は国内の戦いに尽力できるという利点を持つ。
インテルはその後満を持して再出発した国内リーグ戦で18戦のうち負けなし11連勝を飾るなど(5月5日時点)半ば無双と言える躍進を遂げる。

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青の系譜

自分自身、応援しているというチームが「シーズンを通して戦ったリーグ戦で優勝する」という経験をしたことは今まで無かった。
少々野球の話になってしまうが、15年以上応援しているベイスターズに関しては2016年にシーズン3位でCS出場、2017年はCS制覇ながらもシーズンは3位という歯がゆさに頭を抱える時もあった。
しかしそんな最中である。前述の通り国内リーグを無双していたインテルがとうとう国内リーグ戦のスクデット(優勝)を手にしたのである。

野球とサッカーはなかなか違うスポーツとして世間的に認識されるかもしれない。だが僕の場合は違う。
インテルとベイスターズは共に長らくシーズンの優勝から遠ざかっていた両チームであるが、僕はインテルにベイスターズと同じような魅力を感じたのである。タイトルを経験したことの無い選手たちが、強くなり勝者のメンタリティを得るという一種の成長劇を見守ってるのかもしれないが、奇しくも両者のチームカラーは共に青。
オタク関係の推しはほとんどが赤やピンクといった色を持つキャラやメンバーだったが、応援するスポーツチームは必ずと言っても青だった。
そう思うと、遅かれ早かれ僕がインテルを応援するのは運命だったのかもしれない。
そしてインテルを応援するという思い、気持ちはこの後もより強くなっていくだろう。

今、僕はこう叫びたい。
インテルを応援出来て、本当に良かった。
これからも、いつまでも。

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20/21シーズン優勝後の集合写真

その後 現在

それから時は経ち、シーズンは23/24になった。
僕はというとあれからまったく熱が冷めることはなく、むしろ熱は増す一方だ。

痛ユニ(?)にまで手を出してしまう始末
これを着て大阪までライブに行ったのは良い思い出

優勝した翌シーズンである21/22シーズンは残念ながら宿敵であるライバルミランに1歩及ばずスクデット(優勝)を逃し、さらにその翌22/23シーズンにはナポリに圧倒的な力の差を見せつけられ、あのマラドーナが在籍していた以来のスクデットを許した。
リーグ戦は色々残念な内容だった22/23シーズンだったが、国外での欧州チャンピオンズリーグは組み合わせの運もあったが13年ぶりとなる決勝まで進出することが出来た。
しかしその決勝でイングランドのマンチェスターシティに互角の戦いを演じたが、惜しくも敗れ準優勝となった。

失意の中迎えたシーズンオフだったが、なんとインテルは昨年2023年の夏にシーズン開始前のプレシーズンマッチとして日本に来てくれるというサプライズがあった。
チケットの価格こそ高騰したが、僕は愛するチームの来日を無我夢中に大阪と東京で、それも僕をインテルにハマらせてくれるきっかけを作ってくれた上述の友人と迎えたのであった。

1枚目の写真の相方と

大阪での試合はクリスティアーノ・ロナウド擁するサウジアラビアのアル・ナスルに高温多湿の中戦い結果は1-1のドロー。
しかしその後、東京の新国立競技場にて行われた試合では先制されながらも後半の残り15分で逆転をし2-1での勝利。最高の経験となった。
僕自身これまでサッカーの試合を生で見たことが無かった身だが、このプレシーズンマッチが自身初のサッカー観戦となり、改めて贅沢なことをしたものだと回顧する。

こうして日本でのプレシーズンマッチを経てから幕開けた23/24シーズン。
インテルは「今もCL決勝を戦っている」と揶揄されるほどに勝ちに飢えたインテルは現在イタリア・セリエAのリーグ戦を2位ユベントスに勝ち点15差(2024年3月9日現在)をつけて、独走とも言える磐石っぷりを披露している。
勝つことの喜びをただひたすらに噛み締め、目の前の一戦に全力を出し切るインテルを今でも僕は愛している。………むしろさらに愛が増しているかもしれない。
これからも僕は青と黒、ネラッズーリ(インテルの愛称)のために心と身を尽くし、忠誠を誓ってゆくだろう。
いつかまたビッグイヤーを掲げるその日を夢みて。

国立競技場での"インテリスタ"との1枚
一生の宝物

Forza Inter Sempre!💙🖤

by なぐ
@79tailwind816 メインアカウント
@nagutaro_inter  インテルアカウント

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