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漫才ブームと思い出

2023年6月21日 なんばグランド花月
『漫才ブーム』

先日、NGKで開催されたライブ「漫才ブーム」を見に行きました。

これはミルクボーイ主催の定期的に興行されているライブです。
出演者はミルクボーイ、ツートライブ、金属バット、デルマパンゲという、大阪お笑いでも特に硬派な漫才師4組。

このライブの特徴は、主催のミルクボーイがネタ3本、ゲスト枠(と言いつつ固定メンバー)の3組がネタ2本、漫才のみ、コント・コーナー・トーク無しの90分というものです。
だいたいの寄席やライブは数組のネタのあと、トークやコーナーで盛り上がるというのが鉄板であるのに対し、ただただ強い漫才ネタだけでやって勝負というスーパー・ストロングスタイル。

これが私が「お笑いでおすすめのライブは?」と聞かれたら、真っ先に挙げるライブなのです。このライブがとにかく面白い!!!

漫才ブームの香盤表。この順番は初回から変わっていないようだ。

定期的に開催されているこのライブ、何と言ってもミルクボーイの漫才が凄まじい。主催であるこのライブでは必ず新ネタを用意し、爆笑を掻っ攫っていくのですから。

今回のネタ3本は「シンバル」「俺」「人間」。フォーマットは鉄板のリターン漫才ですが、やはり着眼点が本当に面白い。2本目「俺」はかつて披露されたネタであるのを、「売れてない俺」な内容であった以前から、「売れて金持ってる俺」にバージョンアップされて、全くの新ネタと進化。これはまだまだ、キャリアを積めば積むほど進化するかもしれません。

金属バット、ツートライブ、デルマパンゲも面白かった。3組とも強火力な漫才。なんせこのライブ、ネタ1本あたりの時間がおそらく決まってないため、どのコンビも喋りに熱が入ると平気で10~15分近くやっていたりするのだから、それでいて笑いが絶えないというのがすごい。

今回のポスター。デルマパンゲ迫田さんだけ幼少期の写真?

私がこのライブを最初に見に行ったのは2019年7月。派生ライブであった「お笑いブーム」ライブでした。ミルクボーイを初めて見たのも、このライブであったと思います。そこから毎年、開催が決まればできるだけ見に行くようにしています(さすがに福岡や東京は追えてないですが……)

このライブ、その歴史を辿れば、2017年にミルクボーイが自身の再起を図って始めたライブである。大阪・道頓堀のくいだおれ太郎のあるビルの地下1階、ZAZA Pocket'sという最大収容人数80人の小さい舞台で産声を上げたという。
メンバーは、ミルクボーイが当時から面白いと思っていた後輩たち。
ミルクボーイは必ず新ネタを披露する。ゲストは自由にネタをしてもらう。

その後、定期的な開催を経ながら、2018年頃にゲストである金属バットのプチ・ブレイクを契機に来客増、2019年には大阪・広島・福岡・沖縄・東京のツアーを開催。その年末には初めて聖地・なんばグランド花月で開催に至っています。

ZAZA Pocket's(中座くいだおれビルHPより)

この2019年12月16日にNGKで開催された漫才ブームは私も観覧したのですが、これが特に衝撃的なものでした。未だにこれを超えるライブはまだないかもしれないです。

その日はM-1グランプリ2019を控えた前週で、ミルクボーイはその年のベストネタを舞台に掛け、M-1に挑もうというようすでした。

時に、音楽ライブやコンサートで、客席の歓声でいわゆる「箱が揺れる」という現象が起きることがありますが、その日、ミルクボーイの漫才で「人の笑い声で客席が揺れる」という経験をしました。

完売御礼、900席のなんばグランド花月が笑い声で文字通り、揺れた。
そのバカウケのネタが「コーンフレーク」と「最中」。
ライブが終わり、緞帳が閉まったあとも何か客席がざわざわしてたのを覚えています。
多分、あのとき世の中はまだミルクボーイを知らなかったけど、このライブを見に来た900人はミルクボーイのM-1優勝を確信していたかと思います。

そして翌週、M-1史上最高得点での優勝。

追いかけ始めたのはその1年とはいえ、1組の漫才師が僅か数十人のハコに始まり、お笑いの殿堂を満席にし、全国に名前を轟かす瞬間を目撃してから、もう色々と引き返せないようになってしまいました。
あぁ、お笑いって面白い。

これが文章で書いても伝わらないのがもどかしい。
ぜひ、機会があればライブを見に行ってほしいものです。


そんなことより、金属バット友保さんがオールバックになってたのが気になったなぁ。何か事情があってみたいでしたけど。

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