川瀬あやめさんと過ごす最後の3ヶ月③
12/8 川瀬あやめソロライブ~スキダラケですか?
12月に入り、いよいよあやめちゃんの卒業まで1か月を切った。
12月8日にはあやめちゃん最後のソロライブ「川瀬あやめソロライブ~スキダラケですか?~」が開催された。
『プライド・ブライト』(Juice=juice)も『白い風』(ももいろクローバーZ)も『バラライカ』(月島きらり)も、そして許可を取るにあたり本人から直接メッセージをもらったという『feel a heartbeat』(有安杏果)ももちろん良かったけど、あやめちゃんの歌うukkaの曲が一番好きだなと感じたライブだった。
そういえば、あやめちゃんの誕生日当日に発表された『淡い雫』(大友ジュン)は、レコーディングをしたと言っていたけど、川瀬あやめ版『淡い雫』が世に出る日は来るのだろうか。来ると願いたい。
12/10 ッスッゴイライブ~5th anniversary SP LIVE〜
あやめちゃん最後の対バンは、春ツアーファイナルの思い出の地である品川ステラボールで行われた。途中のMCで「すっごいセトリ持ってきました」と言う通り、出し惜しみ一切無しの神セトリだったわけだが、『アフタヌーン・グラフィティ』はukka流浪漫文学の象徴、『WINGS』はukka自身の物語の主題歌、『それは月曜日の9時のように』は言わずと知れた大定番にしてukkaの名を一躍知らしめた名曲、『コズミック・フロート』は問答無用の縦ノリフィーバーもできるんだぞというところを見せつける曲、そして『Rising dream』はukkaの未来を託す曲という感じで、今のukkaの全てが詰まっているようなセトリに感じられた。
後でtwitterを見ていて気付かされたけど、現体制のオールスタンディングでのコズミック・フロートはこれが最後になるかもしれない(少なくともライブハウスでは確実に最後になる)ということで、この日その熱狂の中に身を置くことができて本当に良かった。
12/13 アルバム『青春小節〜音楽紀行〜』より『つなぐ』先行配信スタート
アルバムリード曲となるのがこの『つなぐ』。日付が変わり配信がスタートすると同時に聴いたが、聴き終わった後しばらくは動くことができなかった。
「シンフォニー」という言葉が最初に浮かんだ。 6人の声が絡み合いながら音楽を作り上げてる感じ、まさに集大成の一曲にふさわしいように思える。
そして確かにこれはメンバーが「レベルアップした曲」と言うのもわかる。終始6/8拍子ではあるものの結構複雑なリズムで、覚えるのが大変だっただろうな。
未来を「輝かしい」とかじゃなく「柔らかい」と表現する歌詞の妙にも心を動かされた。ニューフィクションなどとも通じる、完全な晴れ空ではないからこそのエモさがある。
あやめちゃんが平場じゃ絶対言わなそうな言葉を歌詞という形で託してくれたことにも感謝を捧げたい。あやめちゃん卒業後のukkaでこの歌が歌われるのはちょっと想像できない(それは決して悪い事じゃなくむしろ贅沢な事)ので、この歌は自分にとって第2の『ゆっくりと咲く花』になるのかもしれないな。
12/16~17『青春小節~音楽紀行~』リリースイベント@名古屋・大阪
あやめちゃんにとって人生最後の遠征となる名古屋・大阪でのリリイベ。直前にるりちゃんが新型コロナウイルス感染のため20日までお休みとなってしまい、遠征にも参加できなかったことは、誰よりも本人にとって残念だっただろう。
クリスマス前週ということもあり名古屋も大阪も街は大変賑わっており、名古屋では会場のすぐそばの公園で行われていたクリスマスマーケットに紛れ込んだり、大阪ではまったく空いていないロッカーを求めて梅田ダンジョンをさまよい、結果的に隣の中津駅のロッカーを使ったりしたのもいい思い出だ。
特典会のけん玉大会(大阪)は、前々日の金曜日にドンキでけん玉を買って必死に練習したものの付け焼き刃ではいかんともしがたく、中皿に乗せるまでが精一杯だった。
12/19 『青春小節~音楽紀行~』リリースイベント@J-SQUARE品川
フラゲ日。リリイベに行く前に、CDの映像特典として収録された『つなぐ』のMVを見た。
同じ「卒業ソング」であるエビ中の『ボイジャー』のMVとは対照的に、ただひたすらに別れの切なさが描かれたMV。MVを通じてメンバー同士の視線が交わることが一度も無いという演出は、思わず「大丈夫?ukka解散しちゃわないよね?」と心配になるほどだった。そんな中で、空ちゃんの持つスマートフォンに沖縄(今年の7月に行われたfishbowlとの2マンライブ遠征)の写真が映った瞬間、自然と涙がこぼれ落ちた。この写真の存在が、たとえ目は合わなくともメンバー同士の心が強い絆で結ばれていることを教えてくれたし、さらにはメンバーと私たちファンとの心のつながりを伝えてくれているようにも感じられた。この夏沖縄に行けたことを本当に良かったと思えるMVだった。
CD曲順ではこの曲の後にこれまでovertureと呼ばれていた『We are…』のアレンジ版が流れて全曲を締めくくるが、ukkaが少しだけ形を変えてまた始まることを予感させる良い終わり方だと思った。来年1月21日の新体制お披露目ライブでは、こちらのバージョンがovertureとして使われるのではないか、と予想しておく。
12/24 『青春小節~音楽紀行~』リリースイベント最終回@DiverCity東京プラザ フェスティバル広場
リリイベ最終日は、クリスマスイブのガンダム広場。るりちゃんも療養から復帰しており、全員で大団円を迎えることができたのは本当に良かった。
前日の渋谷タワレコでのリリイベで特典券が早々に枯れたのに加え、この日は全編撮可&あやめちゃんの最終特典会となる可能性あり、と枯れる要素が全て揃っていたので、販売開始の1時間半前に現地入りした。
ukkaのリリイベでは珍しい上限制限が早々に入り、私自身はなんとか希望の特典券枚数を確保できたものの、1部の特典券はやはりミニライブ前に枯れてしまっていたようだった。
この日は撮影隊の人に少しでも良い映像・画像を残してもらうべく、自分は整番を無視して最後に入場し、盛り上げ隊に回ることにした。まあそもそもの整番も両部とも3桁だったのだが(笑)。
1部のセトリで、今日は1部と2部であわせてCDの全曲を収録順で披露するんだな、ということに気づいた。すなわち2部のラストは『Glow-up-Days』からの『つなぐ』でフィナーレ。この2曲の相性の良さにはCDを聴いて気付いていたが、それはライブでも変わることが無いというのを確認することができた。
『つなぐ』の最終盤の6人が掛け合いながら歌いつなぐパート、るりちゃんがあやめちゃんとペアになるところで泣いているのが、遠目にもわかった。そのるりちゃんを優しく抱きとめるあやめちゃんに、ギリギリでこらえていた涙が決壊した。
早くも傾きかけた日の光を受けて茜色に染まりながら、わずかに雲が浮かぶ透き通った冬の空を見上げて歌うukkaの6人。この姿が、撮可という形でこの世界に残ることを喜ばしく思う。
ミニライブが終わった後、泣き腫らした顔を人に見られるのが恥ずかしいなと思いつつ辺りを見ると、何人ものオタクが顔を涙で濡らしていたのを見て、さらに涙が溢れてしまった。
あやめちゃんの特典会(サイン会)は長蛇の列で、最終的に屋内(ダイバーシティ東京プラザ内のTOWERmini店舗前)に場所を移して続けられた。
12/30 川瀬あやめ卒業公演~次のストーリー
泣いても笑ってもこの日は来てしまう。だったら思い切り笑おうじゃないか。そんな気持ちを、あやめちゃんもメンバーも観客も持って臨んだライブだったんじゃないかと思う。
あやめちゃんがデザインしたこの日のための衣装は、キラキラとフリフリがいっぱいの「ザ・アイドル」なテイストで、でもこれもまたukkaらしいという説得力のある絶妙なラインが見事。
オープニングブロックは『Rising dream』(M1)『みしてかしてさわらして』(M2)『オスグッド・コミュニケーション』(M3)の3曲で、オタクが何を求めているか完璧に理解しているあやめちゃんならではの選曲だと思えた。
「みして」で入る家虎が当初は嫌い(カウントが乱されるから)だったけど最近はそれが楽しみになっているというあやめちゃん。この日の「イエッタイガー!」の出来は、あやめちゃん的には何点だっただろうか?
『時間。光り輝く螺旋の球。』(M7)は水春(水映)さんが振り付けをした曲。この日は水映さん(と、当日スターダスト退所を発表したばかりの桜井美里さん)も観覧に来ていた。水映さんが来ることを知っていてこの曲をセトリに入れた…というのは深読みのしすぎだろうが、いずれにしても関係者席で今の6人がこの曲をパフォーマンスするのを見る彼女の心境はどんなものだろうか…と思いを致さずにはいられなかった。
「ときたま」が終わると6/8拍子のダンストラックに乗せて6人が踊る。6/8系の曲は『つなぐ』しか無いはずなので、「えっ、この中盤でつなぐ?」と思わせておいて始まったのは『AM0805の交差点』(M8)。この展開には痺れた。あやめちゃんの〈キミのママのカレーのレシピを覚えたい〉では自分含めた周囲一帯がほぼ全員緑サイリウムのグルケチャをしていて壮観だった。アウトロのガチ恋口上にも初めて参加させてもらった。
MCでは、身近な人が見たあやめちゃんの知られざる実態を発表するという企画(正式な企画名は忘れてしまった)が行われた。ライブスタッフやマネージャー、メンバーや家族といった様々な立場の人たちからの「タレコミ情報」に笑ったり怒ったりするあやめちゃん。この軽妙なトークも聞き納めかと思うと笑いながらもせつない気持ちになった。
『おねがいよ』(M11)の2サビ終わりのあやめちゃんのロングトーンは、私が聴いた中での最高を更新したかもしれない。4拍一杯しっかりと伸ばした後にきれいなディミニュエンドを描いてホールの空間にその残響を溶け込ませる。あやめちゃんが8年以上の歌唱生活で培った技術と表現力の粋が、このロングトーンに込められていたように感じた。
『ラブパレード』(M12)は、この日一番感情を揺さぶられたパフォーマンスだった。あやめちゃんのこだわりの塊である〈通り過ぎていった物語たちよ〉を、上手端至近距離から受け止められたことは幸福以外の何物でもなかった。
『カノープス』(M13)は、2Aのあやめちゃんと空ちゃんのユニゾンが今日も大好きだった。オーボエとフルートのように声質が異なる2人が、お互いをよく聞きながら声と声を丁寧に混ぜ合わせていくようなユニゾン。その作業が行われる現場を見ることまで込みで好きだった。
『カノープス』から『リンドバーグ』(M14)へというギャップも見事なセトリの組み方。間違いなく過去最大音量の「あやめ!」コールの一部になれたことが嬉しかった。
『リンドバーグ』と『それは月曜日の9時のように』(M15)は、並んでセトリに入ることが最近無かったので「ここぞ!」感がすごかった。あやめちゃんはもちろんのこと、先輩から受け継いだりなるり2人の見せ場〈トンネルを抜けたら 見えてきたよ〉〈君との未来2人のストーリー〉も完璧。この2人がukkaに入ってくれてよかった、とこれまで何度思ったかわからない思いをまた新たにした。
短いスピーチを挟んで本編ラストは『つなぐ』(M16)。涙に声を詰まらせるりなちゃん、感情を振り払うかのように不自然なほどの声量で歌うるりちゃん。他にもメンバーそれぞれの思いがとめどなく溢れて、それでもukka持ち前の美しいハーモニーは少しも崩れない見事なパフォーマンスだった。
皆余韻に浸っていたのであろう、いつもよりスロースタートだったアンコールに応えて1人でステージに戻ってきたあやめちゃんは、12月8日のソロライブのときの薄青緑色の衣装に身を包んでいた。
ステージ中央で、前日睡眠時間を削って書いたであろう「お気持ち」のスピーチを読み上げる。その中では旧6人時代、5人時代、4人時代、そして現6人時代、それぞれあやめちゃんがどんなことを考えて活動してきたのかが語られた。
それはきくちPが「赤裸々な音楽ドキュメンタリー」と評する通り、卒業を決めた理由が「全部やりきった!ハッピーエンド!」という単純なものではないということが否が応でも伝わってくるものだった。
それでも私たちは「幸せだった」と言うあやめちゃんの言葉を信じるしかなくて、それが少しでも本当になるようにライブを盛り上げたり特典会で笑える「ネタ」を持参したり配信であやめちゃんが喜びそうなコメントをしたりありったけの愛を込めたレターを送ったりするしかなくて。
多分そんな胸の痛みを、あやめちゃんに望む通りのアイドル人生を送らせてあげられなかったという忸怩たる思いを、スピーチを聞いていたオタクたちも感じていたんじゃないかと想像する。この後ラストの曲が披露されると宣言されたとき、お約束の「え~」がほとんど起きなかったことがその証拠だったようにも思う。
だけどそれでいい。ハッピーエンドを超える「トゥルーエンド」はいつだって少しの痛みを伴うもので、だからこそ深く心に刻まれるものだから。
正真正銘のラスト、あやめちゃんが人生で最後にステージの上で歌う曲となった『タリルリラ』(EN4)では、一世一代の「お前が一番 あやめ!」コールとガチ恋口上をキメた。
特典会(12月24日のリリイベ後に、この日も特典会があることが発表されていた)ではあやめちゃんと最後の2ショットを撮った。24日が最後のつもりで伝えることは全部伝えていたので最後はごくあっさりと「今まで続けてくれてありがとう。元気でね」と伝えて別れた。人生で最後に目にしたあやめちゃんの姿は、去り際に振り返って見た、次のお客さんと楽しそうに何ごとか談笑する姿だった。ドラマティックとはほど遠いけどそれもまたいい。なんか「人生」っぽいじゃないか。そんな風に思った。
12/31 第7回ももいろ歌合戦 2023→2024
あやめちゃんの卒業ライブの翌日には早くもステージに立つのだと知らされた時は驚いた。このことは「ukkaは、一瞬たりとも立ち止まることは無いよ」という宣言にも思えた。
当日は自宅からABEMAで放送を見ていた。ukkaとしてはオープニングアクトで『スーパーガール★センセーション』を披露。あやめちゃんの2サビはりじゅちゃんに受け継がれていた。りじゅちゃんの歌が、いつの間にか並み居る名手たちに引けを取らないところまで来ていることにこの放送を見ていて気付かされた。
あーりんプロデュースの「最強アイドルメドレー」にも出演すると聞いていたのだが、そこに出たのはるりちゃん・友ちゃん・こはるちゃんだけで、りじゅちゃん・空ちゃん・もあちゃん・りなちゃんは登場しなかったのであれっと思ったのだが、その後鈴木愛理さんの『最強の推し!』のバックダンサーとして登場したのには驚いた。
出だしの愛理さんの「みんなの推しは最強かー!?」という煽りに思い切り涙腺を突かれた。――ああ、私の推しは最強だよ!!
まばゆく光り輝く愛理さんの声に乗せて、「推」トレーナーを着たukkaの4人が楽しそうに踊る。それに横アリに集まったお客さんもペンライトや振りコピで応じるのを見ながら、自分も家で涙流しながら踊ってた。ああ一人暮らしでよかった。
貴重な(というかおそらくは唯一の)「第2次5人体制」でのパフォーマンスを見て、「ukkaは大丈夫」という思いをまた一つ強くした。あやめちゃんも家で見てたかな(ワンチャン現地にいたりして笑)。
ラジオ(ニッポン放送)で行われていた現場からの中継にも出演終了後にukkaが登場し、MCのゴボウこと吉田尚記アナといぎなり東北産の橘花怜ちゃん、そして同じく出演を終えた松本明子さんを交えトークをしてくれた。
ゴボウ氏はここでも強火のukkaオタクぶりを発揮してくれ、前日にあやめちゃんが卒業して今ukkaが大きな転機を迎えていること、「アイドル楽曲大賞2023」でukkaの楽曲(『コズミック・フロート』)が2位を獲得したこと、そしてりじゅちゃんの歌の成長が著しいことなど、本当によく見てくれているなぁと思わされることを話してくれた。
最後の方では、すでにあーりんの『仕事しろ!~セレブレーション~』が始まっているにもかかわらず、どうしてもこれだけは言いたい!とばかりに滑り込みで「全スタプラアイドルの中で茜空ちゃんを一番推している」と力強く宣言してくれた。本当に心強い。これからもukkaをよろしくお願いします(←誰目線だよ)。
このももいろ歌合戦に限らず、あやめちゃんの卒業が発表されてからの3ヶ月間は、あやめちゃん以外のukkaメンバーの魅力に気づくことができた3ヶ月間でもあったように思う。
これまで私は、なんだかんだと言いながらも結局「あやめちゃんさえいればukkaはどうとでもなる」と無意識に思っていたのだろう。その前提が崩れるまで、他の5人をしっかり見れていなかったことに気づけなかったのだから情けないというかしょうもないというか。まあ愛ならぬ「推(すい)」は盲目ってことで許してほしい。
あやめちゃんがいなくなった後のukkaのことも好きでいられそう、という確認ができたことに今はほっとしている。12月24日の特典会でるりちゃんに「これからは誰推し?」と詰められたけど、まずは箱推しで(笑)、これからもよろしくお願いします。
2024/1/21 ukka新体制お披露目ワンマンライブ New Chapter "7"
そんなわけで、いいライブになりそうな予感がひしひしとしています。ぜひ!
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