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初めましてオレンジ

おはこんばんは、ななこです。オタクです。おはこんばんはしてる時点で明らかにオタク。

最近のオタクはお洒落である。いや昔からお洒落だったかもしれないけど発信ツールが無かったのだ。今やツイッター時代、神絵師がアップするお洒落な私服とインスタ映えなオフ会の様子に殺される時代である。かわいいコスメが出ればオタクがリツイートしオタクに繋げ、それがオタクに繋がっていく。
そもそもコスメはオタク向きのコンテンツだと思う。モノとしての見た目と中身の性能が揃ったコンテンツ、覚えがあるでしょう?そう、文房具だ。制服を着ていた頃にペンだのマステだの集めまくっていた人には分かって貰えるんじゃないだろうか。コスメオタクは文房具オタクの延長線上にあるのだ(自論)

前置きが長くなったが、その中で今回したいのは色の話である。イエベブルベやらカラー診断やらが全盛期だがその話ではない。ゆくゆくそれに繋がっていくが本筋はそこじゃないのでそういう話が読みたい人は回れ右である。


今回したい色の話、それはリップの話だ。

リップ。小さい頃は化粧と言えば口紅だと思っていた。そもそもリップは見た目がかわいい。唯一無比の見た目だからチョコレートにも携帯バッテリーにもなるのだ。私は普段ファンデーションを塗らないので碌な化粧をしていないと言っていいが、それでも赤リップを塗ればあら不思議、途端に化粧をしている人に擬態できる。思えば最初に手にした化粧品もリップで、それだけで鏡の中の顔が大人になるのにいたく感激したものだ。

とにかく私はリップが好きだ。幾らあっても良い。世界にはリップ100本をどう収納するかで頭を抱えている人もいるのでリップ道楽を名乗るには早いと思っているが、待っているリップを集めればそれなりにはなる。少なくとも全部袋に入れて殴れば鈍器になると思う。コナン君のトリックでありそう。

そんな数々のリップを偶に机に広げて悦に浸るのは大変良い娯楽なのだが、最近薄々気づいていたことがある。

同じ色が多すぎ。

私はいったい何本ベリー色のリップを持っているのだろう。勿論、私にとってはそれぞれが全然違うリップなのだ。友達がくれたM.A.C.のD.フォーデンジャーはピンクみが強めでグラマラスな雰囲気だ。フォロワーがくれたTHREEの6番は絶妙に控えめなツヤのあるセミマットと青みの強い色が唯一無比。shu uemraの青みピンクは直美ちゃんコラボな時点でまず強いし、敢えてメンズ服に合わせるとガールズクラッシュ感増し増しになれるとっておき。メイベリンのものはマット中のマットでかつ1番力強い野生のベリー色。バーツビーズはラメ入りで薄づき、かつ蜜蝋のリップクリームなので唇に優しい。FASIOのぶどう色はかなりシアーでちゅるっとしていて夏向きで…。な!ママ!

マッマ「あんた同じ色のリップ何本持ってるの?」

やっぱり私はベリー色と赤と真っ茶色のマットリップばっかり持っている女なのである。

何も悪いことはない。似合うのだ。私にはベリー色と赤と真っ茶色が似合う。ツヤツヤよりマットが好きだ。だから沢山あるのだ。それは良い。それは良いが問題はそれらがぜんぶ明らかに強いリップなことである。リップを塗ったら最後、強い女にしかならない。もちろん強いのは良いことだ。だから今まではそれで良かったのだが、昨今問題が浮上してきた。服が強いのである。私の服は強い。いかに黒タートルにワイドパンツの前身無地でも何故か強さから逃げ切れない。まあ服のこと社会と戦う鎧だと思ってるしな…。気合が表に出ちゃってるんだろうな…。
だからそこに強いリップをつけると、もう完全に戦う気しかない格好になるのだ。しかも何か後ろ暗さがあると言うか、死地を潜り抜けてきた系の強さである。これまではそれが好きだった。今も好きだ。しかしこの2019年、「ちょっと気怠げなかわいい」のブームが私の中で大盛り上がりなのである。眉上だった前髪を伸ばしているし、刈り上げていた襟足を伸ばしている。伸び切ったら憂いのあるショートウルフにする予定でいる。そして春の雰囲気を帯びてきた雑誌でモデルさんがつけている、ツヤと透明感に溢れたかわいいリップをつけて歩きたいのだ。かわいいものは欲しい。真理。

だから買いに行った。フォロワーとのオフ会の最中に買いに行った。非常に迷惑な行為だがこのフォロワーには前にもM.A.C.でのタッチアップにも付き合ってもらっているので許してくれるだろうという打算である。そしてなんと言っても、誰かとの買い物は『確実に買い』な商品に対しての行動に変化を生む。1人だと「欲しいけどやっぱやめとこうかな…ここは我慢しよ…」と帰ってしまって後悔するところ、付添いがいると「これは絶対買い!」の判断が下しやすいのである。買わないものは、フォロワーがいても買わないものだからね。ありがとうぴっぷちゃん。

向かった店舗はshiro。最近流行りのオーガニックコスメブランドの一端だ。店頭にはかごめ昆布なんたらとか亜麻のなんちゃらとかアロエなんたらとかタピオカフェイスパウダーが置いてあった。全部コスメだ。私の知らぬ間にタピオカは飲む時代から塗る時代に移行していた。平成の終わりを感じるね。時代は切り替わろうとしているのだ。

そこで目をつけたのがジンジャーリップバターである。名前の通りショウガオイル(初めて聞いた…)配合の、かなり重めなリップグロスだ。べたっとしたテクスチャーでツヤも強い。私は生姜パウダーをあらゆるものに振りかけ修学旅行先の京都では生姜の砂糖漬けを買った女なのだが、ここに来て遂に顔にも塗ることになった。身体は生姜で出来ている。
まずはパキッとした赤を試そうと思った。隣に座っていたもう1つの赤は完全なるベリー色だったのでスルーだ。お姉さんのおすすめでシアーなピンクも仲間入りした。ここまでは予想の範疇である。そこでお姉さんが衝撃の言葉を口にした。

「あとオレンジもお似合いになると思うのでこちらも2色持ってきました〜」

「オレンジもお似合いになると思うので」!!!???「オレンジも」!?「お似合いに」!?しかも2本も!?

またまた〜…。

オレンジ、黄色、それはコスメにおいても服においても何にしてもとにかく1番私から縁遠い色だ。身につけてしっくり来た試しがない。この時私はかなりこのお姉さんのことを疑っていた。場合によっちゃ買わずに帰るぞ…?!なんも買わずに帰るからな…?

以下、その後のタッチアップの概要である。
赤:いつも通り似合う。当然。普段はマットな赤なので艶と透け感があるだけで印象変わるな〜♡って感じだった。赤が良いかなやっぱり…かわいい…
ピンク:けっこう薄づきなかわいいピンク。10%ほど愛され女子みたいな顔になった。春の顔だ。これも良い。
オレンジ:透明な板(スパチュラというらしい)に出された瞬間からやっぱりオレンジ。オレンジジュースの色だ。人生において服はおろか小物でさえこの色を持ったことがあるだろうか。しかも結構ガッツリ塗るなお姉さん…あれ…これは…これは…

ななこ「めちゃくちゃ似合いますね」
お姉さん「ですね!!!!」

オレンジ!オレンジ!こんな所にいたのかオレンジ…二十うん年ガン無視し続けてきた色がここで待っていたのか…。 

付けてもらったのは所謂テラコッタ(ちょっとダークなオレンジ)とそれより薄づきのキャメル(ブラウンよりのオレンジ)。どっちも激似合っていた。なんなら赤よりよっぽど似合っていた。鏡の中の自分が、なんだか春めいて若々しい。今まで付けていたマットリップとは質感も違うので一概には言えないけれど、薄っすらと「カラー診断とか知らんけど多分ブルベだろ」とか思っていたのがボキッといったぞ…。「カラー診断とかしなくても似合う色と似合わない色は把握してるし」とか言ってた…俺…。


↑購入した色。テラコッタの方。完全なるオレンジ。


後悔先に立たず。フォロワー各位、今まで「カラー診断しなくても似合う色は分かるじゃん?」とか散々言っていてすみませんでした。全然把握出来ていませんでした。

「黄色系の色を初めて顔につけました…似合うんですね…ピエ…」的な感じで震えてたらお姉さんが大喜びで黄色のアイシャドウに紺色の目尻ラインを入れてくれたのだが、それもまたもう死ねほど似合っていた。顔面が春だ。明るい。儚さのあるパスカルカラーでもはっきりした色使いだから、清廉潔白で陰りが無い故に強い顔。ここまでしても結局強いのだけれど強さの質が違うのである。これを求めていたのだ。好き…。めっちゃいい…。

今日も上下白黒な格好ですが、買ったリップに超素敵なアクセに靴下はピンクのシースルーなので、春、来てます。気温はめちゃくちゃ寒いけど。昨日は雪降ったけど。それでもここには春が有るのよ。大きな春よ。今日は人生初のオレンジリップと歩く日。これから末永くよろしくなオレンジ!!

服屋ではあんまり店員さんのアドバイスを聞かないので勝手に決めるんですが、コスメにおいては店員さんの力がとても大きい。さら〜っと持ってきてくれたコスメで、ガバッ!と世界を広げてくれるので好きだ。知らない人とはガンガン話せるタイプ(典型的なコミュ障)なのでよく頼りにするし、相手の店員さんが恐らくそこら辺の知識を把握していて今回のように色々教えてくれるのでカラー診断を受けなくて済んでいる感はある。ありがとうお姉さん。また相談しに行って追加のお買い上げするね。ナイスなマーケティングに引っかかるのは嫌いじゃ無い。

まあ早速フォロワーとカラー診断行く約束取り付けたんですけどね!!!

だってやっぱり知りたくなっちゃったし…。世界はどんどん広げていきたいし…。着てった色を全否定されたら泣きながら記事にしようと思う。その時は慰めてください。

ではまた!!

ななこ @775bana






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