岡村隆史のラジオ発言について
4月23日放送の「ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン(ニッポン放送)」での、タレントの岡村隆史の発言に非難が殺到している。
「コロナで風俗に行けない」などというリスナーからの投稿に応じるかたちで、岡村は次のように発言した。
「今は辛抱。神様は人間が乗り越えられない試練は作らないって言うてはりますから、ここは絶対、乗り切れるはずなんです。(コロナが)終息したら、なかなかのかわいい人が短期間ですけれども、『お嬢』やります。短期間でお金を稼がないと苦しいですから、3ヶ月のあいだ、集中的にかわいい子がそういうところでパッと働いて、パッとやめます」
新型コロナウイルス感染拡大を受けた自粛経済のなかで、経済的苦境に喘いでいる人たちが多い。そうした状況であるにもかかわらず、経済的に苦しむ人たちを「食いもの」にするかのような岡村の発想には、虫唾が走る思いがする。
特に岡村は、星の数ほどいるタレントたちのなかでも高収入の経済的強者である。自粛経済のなかで仕事が飛んでしまい、スケジュールがほとんどすべて白紙になってしまったタレントも多いだろうが、そういう仕事がなくなってしまったタレントとテレビやラジオの仕事を持っている岡村のようなタレントで、明暗がはっきりと分かれてしまっている。
新型コロナは、経済的強者と経済的弱者のコントラストをより鮮明なものにしてしまっているのだ。
そうしたなかで、経済的強者が経済的弱者を食いものにする構図を当然視するかのような岡村の発言である。社会はもっと彼の発言に怒って然るべきだし、いくら日本人がおとなしいとはいえ、ふつう、こうした発言をしたならば、刺されても仕方ないのではないかとさえ私は思う。
昭和恐慌のとき、東北の農村では娘さんの身売りが相次いだという。それに怒りを感じた青年たちは軍人となり、彼らの怒りが日本を戦争への道に推し進めていった。戦争はともかく、かつての日本人には人の痛みを自分のことのように感じる純粋さがあったのである。
岡村の発言を聞くにつけ、日本人の品性はここまで劣化したのかと唖然とするし、先人たちに恥ずかしくて顔向け出来ないという思いだ。
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