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2020年5月の記事一覧
バークとトクヴィルに関するメモ
エドマンド・バーク(1729〜1797)は「フランス革命への省察(1790)」において、フランス革命について懐疑的な見解を展開した。
フランス革命に自由と平等を立ち上がった市民は、人間の理性によって完成された社会を建設することが可能だとする啓蒙主義を掲げていた。
しかしバークは、現状を破壊し、否定すれば前進するというのは幻想であり、莫大な損害を被ることが少なくないと指摘した。実際、フランス革命
ホセ・オルテガ・イ・ガセット「大衆の反逆」(2)
保守主義者と思われがちなオルテガだが、彼自身は保守主義者であると同時にリベラリストだと自認していた。
『自由主義は最高に寛大な制度である。なぜならば、それは多数派が少数派に認める権利だからであり、だからこそ、地球上にこだました最も高貴な叫びである。人間という種族が、これほど美しい、これほど逆説的な、これほど優雅な、これほど軽業に似た、これほど反自然的なことを思いついたとは信じがたいことだ。だから
ホセ・オルテガ・イ・ガセット「大衆の反逆」(1)
ホセ・オルテガ・イ・ガセット(1883〜1955)は文明批評論「大衆の反逆」で著名である。彼の父親は高名なジャーナリストで、母方の祖父は大新聞のオーナーというジャーナリズムの家系に生まれた。
オルテガは「大衆の反逆」で大衆の時代の到来を予見した。大衆の時代とは、近代化のなかで寄る辺なく群集化した大量の人間たちが社会の主役となる時代のことである。また、こうした社会を高度大衆化社会という。
大衆の