麻雀甲子園2023 振り返り

はじめまして。橋本という者です。

先日行われた学生麻雀甲子園にM4というチームで出場し、決勝に進出して放送対局に出るという機会があった。優勝こそ逃したが、せっかくYouTubeに自分の対局映像が残るということなので、後学のため、そしてサークルの後輩の教育の一助になればと思い、一部の局を抜粋してその時の思考を言語化したいと思う。


対局に入る前に

最初にルールやチーム状況等について軽く解説。以降の文章はすべてこれを踏まえたうえで読んでいただきたいと思う。

ルール

10万点持ちでスタートし、各チームの4人が点数を引き継ぎながら1半荘ずつ打ち、最終着順によって勝敗を決める(いわゆる咲方式)。順位点は一切なし。60分打ち切り。他はMリーグとだいたい同じ。

チーム状況

点況は次見出し中の画像にある通り。自分は4人中3人目、副将のポジション。

配信

urlは上記の通り。私の出番は3:37:00付近から。配信画面のUIの都合上、他家の河がとても見づらくなっているため、詳細な情報が欲しい局面は動画を活用していただきたい。

東1-1

7巡目。

7巡目。maxの2mか、マンズ期待の1sか

チーム状況としてかなりビハインドが大きい場面であり、なんとしても素点回復をしないとという局面で入ってくれた勝負手。全部リーチに行きたいと考えていたので、2sの受けすら消したくなく2mを切ったが、1sを切ってマンズ4連形を活かしてタンヤオや良型変化を残したほうがよかったのだろうか。
結果は3sを引いてリーチし、8sを一発ツモ。裏々で倍満となり、非常に嬉しい和了となった。

東2

前局の倍ツモでかなり気持ち的にも楽になったところで5巡目にこの手牌。ノータイムで7sをツモ切り。この判断は非常に良かったと思う。

5巡目。7sをノータイムでツモ切り

構想としてはイッツーと三色の両天秤。ビハインドを背負っているこの場面では尚更打点意識を強めたい。この7sを残して例えば89mを払ったとして、高打点和了にありつけるルートがイッツーぐらいしかなく、そのためには高め抽選を2回クリアする必要がある。ゆえに7sを残す価値はほぼ無いといえる。しかし、この7sで長考して他家に印象付けられてしまうと、将来7mと14pを引いてカン8s待ちになったときの出和了のしやすさが下がってしまう。小技ではあるが非常に大事なところであり、そのためには何を引いたら何を切るかをしっかりと先に考えておく必要がある。放送対局の場でも緊張に負けず、それが徹底できていたことはとても良かった。

そして6巡目、8sを引いて選択。7pが直前に切られて2枚見え。ここで65p落としとしたが、振り返ってみても非常に落ち着いていたと思う。

6巡目。ペンチャンを残して65pの両面落とし

これは解説の独歩pが言っていた通りで、イッツーだと安めが存在してしまい、打点が大きく下がる恐れがあるため、ここは三色に決め打ちたい局面。また、イッツーに向かうと7pが嬉しくなく、実質的な有効牌は二度受けの14pのみだが、三色に行けば14pに加え7mの受け入れとなり、イーシャンテンが広いうえに手役も確約される。緊張状態ではあったが、思考停止で良型に寄せなかったのは非常に良かったと思う。5pと6pの比較だけ少々迷ったが、瞬間の赤引きに対応できるよう5pを残すほうがベターであろう。
結果は4p→7mと引いて満貫の和了。今回の対局で一番手ごたえがあった局となった。

東4-1

東4局に親が満貫を和了して迎えた東4-1。親リーを受けた一発目の7巡目でこの手牌。

7巡目。リーチ判断①

自身は愚形2600の聴牌。現物は1s3s6mとそれなりにある場で、7mもさして自信はなく、打点上昇や良型変化などの変化も少しだがある。実戦では追いかけリーチを選択したが、あまり感触は良くなかった。この手の判断は感覚でやっており、非常に自信がないので何が正解だったのかはよくわかっていない。
結果は親が満貫ツモ。2チームを蹴落とさないといけない局面になり、焦りが出始める。

東4-2

まずは7巡目のこの場面。これは夜の後輩との検討で話題に出たので特別に取り上げるが、ここだけ他よりも基礎的な話になるため、雀力に自信のある方はこの部分は読み飛ばしていただいても何ら問題はない。

7巡目。58m保持

8mが親の、5mが上家の現物で、北は安全牌。9pが3枚放たれているという局面だが、北を保持せずツモ切り。普段自分が安牌を持った進行をすることを知ってのことであろうが、北を持たないのかということを言われた。これは8mが2人に打てる牌であり、マンズの横伸びを見ることで急所の69pを解消したり、345の三色で打点を増すこともできる。形が決まっているならば安全度の高さで残す牌を選びたいという思考はとてもわかるが、こういう臨機応変な対応をできるようになると良いのではないかと思う。

そして10巡目、ようやくの聴牌。

10巡目。リーチ判断②

平和ドラ赤で何も考えずに曲げたい手だが、9pが4枚切れ、6pが1枚切れで場況も悪い…というとても心許ない69p。さらに親が2pの両面チーから発進し、前巡3sポン打4sでそこそこ張っていそうな局面。チーム状況的に曲げざるを得ないと判断して曲げたが、ここも疑問が残る局面となった。
結果は上家の追っかけリーチの宣言牌で親が5800和了。加点を重ねられ、リーチ棒で少しずつ失点する厳しい展開となっていった。

南2

南1に5本場、供託4本の中あがりきり、少し素点を回復して迎えた6巡目。

6巡目。ラス目の親の仕掛けへの対応

親が東を2鳴きし、その後1pをポン。さらに河も4p発7s5s7p6m(6mのみツモ切り)とかなり濃く、聴牌もまあまあある局面。ここで6pを勝負したが、これはさすがに押すべき牌ではなかった。自身の打点と速度、そして出ていく牌を加味すると全く見合っていない。2鳴きだから安いことが多いと安直な考えで押していたような記憶があるが、親は限界まで打点を見たい局面であり、2鳴きでも5800ぐらいは普通に出てきうる場面で、マタギを押すのはさすがにやりすぎであった。
結果は次巡5pで2900の放銃。この局は普通に下手だったため、次回以降に繋げたい。授業料が2900で済んだと考えると安いか?

南4

時間打ち切りで最終局となるオーラス。まずは5巡目。

5巡目。完全保留の5m

トップ目と40700差。打点材料はドラ2枚に456,567の三色と揃っており、何とか仕上げたい。ここでヘッドを消す代わりに両面を固定してすべての打点ルートを保留する打5mとしたが、三色を片方消すことにはなるが素直に7pでよかったか。

そして次巡。

6巡目。一番悔やまれる打牌

ここで打9sとしたが、これが一番の失着だった。思考としては12mか79sかというところであり、12mを払うと567になりづらいのではという判断だったのだろう。しかし、河が見づらいので伝わりづらいが、実戦ではカン8sが1切れながら場況が結構良く、ここを払うのは良くない判断だった。素直に1pや7pでいいし、その択が浮かんですらいなかったのも恥ずかしい。愚形を払うとしてもマンズ残しを選択するのはイージーミスだったといえよう。本当にこの1打がネットの海に残るのは恥ずかしいし、それまでの内容が南2以外ずっと良かっただけにあまりにも勿体ないミスとなった。
結果は8sを次巡しっかりキャッチしたうえ、対面のリーチを受けたのちにペン3m聴牌となって和了逃しの格好。チームメイトには本当に迷惑をかける結果となってしまった。

あとがき

対局があったのが9/2で、今ここの文章を書いているのが9/4の夜。こういうものを書くときは月日が流れると記憶が鈍るうえ、途中でだれてしまって完結できないことも多分にある(半年前にも放送対局に出たが、その時はそうなってしまった。その時は2半荘分書こうとしていたという理由もあるにはあるが)。そのため、あまり内容を見返すことなくつらつらと書き連ねていった文章となってしまい、読みにくかったりすることもあると思われる。その点に関しては非常に申し訳ないと思う。
しかし、自身の打牌選択はいろいろな天鳳の鉄強と比べても特殊なものであるという自覚はあり、それが良いか悪いかはさておいて、その思考を文字に起こしてみるということは一度やってみたかった。ここまで読んでくださった皆様には私の自己満足に付き合わせる形となっていると推察できるが、皆様の麻雀観を広げたり、一石を投じることになれば幸いである。

次の執筆の予定は現状ないですが、放送対局に出る機会に恵まれればまた書くかもしれません。それでは。


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