見出し画像

次女のお産を振り返る②

 写真は、2歳の誕生日プレゼントに、母が描いた次女の絵。
レタスちぎりのお手伝いをしているところと、大好きなみかんを食べているところ。
この絵、味があって、昭和感出てて好きなのである。
色付けは長女がした。

 本人はこの絵を渡されたとき、なんとなーく、自分?とわかったようなわからんような感じだった。

さて、次女のお産、私はこれまで「びっくりお産」と名付けていたが、いやいやなにがあるかわからないのがお産。

 「夜中に強いのがくるかもね」と布団を敷いて、長女とゴロゴロしていると、体を貫くようなすごい波が突然きた!
泣き叫ぶ私。
長女は私の豹変ぶりに驚き、奥の部屋に逃げて泣き出した!

あわてて助産師さんに電話する旦那さん。
上着を着せてもらい、玄関に向かおうとするも、痛すぎて動けなくなり、クローゼットをバンバン叩きながら、旦那さんに支えられ、なんとか歩く。

長女は「イヤだー!行かないー!」と大泣き。母が「そんなこと言ってられないでしょ!!」と長女を連れ出す。

 エレベーターを待つ間も絶叫するもんだから、夜の9時にお隣さんたちびっくりしたやろなぁ、、、(前日に挨拶にはいってたけど)エレベーターの壁もバシバシ叩き、外に出ても痛すぎてなかなか歩けない。

やっとの思いでタクシー(陣痛タクシーってのがあって、破水しても大丈夫なように防水シートがひいてある)にたどり着くも、後部座席に座れなくて、タクシーの足を置くところに四つん這いになるのが精一杯。

なんとなく直感で「こらあかん。間に合わない」と感じる。いきみたくてしょうがないのだ。長女のときはいきんでもいきんでもびくともしなかったのに。

「ここで産んだらいかん!」という思考とはうらはらに、もう産みたくて出したくて仕方がない体。思考と感覚のせめぎあいだけど、お産は思考になんて勝てない。
「(トコちゃん)ベルト外して!」と旦那さんに訴える。

いやいや、前に運転手さんおるやん。ここで嫁のズボン脱がすなんて、、
とオタオタしながら、ベルトを外す旦那さん。そら、そーよね笑。

この子、今出たがってるんやもん。

「ここで出たらどうしよう、どうしたらいいんだ」と恐怖も感じながらも、私の「もう今産みたい」とこの子の「もう今産まれたい」にはかなわない。

ずるっ!!と頭が出たのが感覚でわかり「あーダメだ、全部出てまう」と、そのまま肩からするすると、完全に産まれたのがわかった。

「もう、産まれたぁぁ」と半泣きになりかけながら、旦那さんに伝えると、彼は思考フリーズしたんだろう、いやいや、まさか、そんなはずは、お通じでも出たんだろう、と思ったらしいよ笑。
そうだよね。びっくりですぐには受け入れられんよね。
「違うって!!赤ちゃん、全部出たの!!」と私が語氣をあらげて、ようやくワタワタしだし、助産師さんに電話をかけた。
一緒に乗っていた母もパニック。

後から、冷静になれば、すぐ抱き上げれば良かったんだろう。が、痛みが収まった私は、急に思考優位になり「今、どういう状態?泣いてない。あ、少し動いてるけど、どうしよう、へその緒からまったりしとらんのやろうか、暗くてわからん。ごめん、どうしたらいい、産まれたのにどうしたらいいかわからん」と体は固まってしまった。

このとき、「この子は大丈夫。あとは任せた!助産院に着くまで頑張れ!」と、なんと、産まれたばかりのわが子にすべて託したのである。

続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?