懐古と気持ちの折り目
数年前に、半生(ジャンル)に対して自分の人生のひとときだけを捧げられたほど、無我夢中に熱が入るほど推していた人がいて、彼が最近周年を迎えられて嬉しいな、よかったなぁ…の気持ちと、幸せで包まれていてほしいなという祈りを無意識にしてしまいそうになったので、活字に書き起こすことでこの衝動や感情を供養したいと思い筆を取った所存です。
今はもうリアルタイムで推すこともないからこそ言えることですが、私が彼に好感を抱いたきっかけは、彼のファンでした。彼が前から好きだった音楽を通して、彼のことをずっと前から応援していてくれたファンの人が一定数いらっしゃって、ファンの方たちからの愛がすごく愛おしくて、繊細で、尊くて、惹かれてしまったんですよね。
全然関係のない、なにも知り得ていない通行人の私でさえ、他者の抱く愛の力ってすごいな、ってあの時にしっかりと、そう感じとれて、自分の抱いたすき、という感情を各々が言葉にちゃんと落とし込めて、尚且つ、ネガティブな意見ではなく、新たな門出を祝うが如く、祝祭に彩られた言葉を背中を押すようにリプライだったり、お手紙を写真に撮って挙げていたりしたことが、本当に、本当に、今でもすごく記憶に残っていて、当人でもなんでもない人間が、酷く、心を突き動かされてしまったという。インターネットってこういう機会に出会えることがあるから、すごくすごくありがたい場所だなと思ってしまう一件。
そこから、彼が音楽がすきなこと、小さな箱でいいからいつか地元でワンマンライブを叶えたいと思っていたこと、彼が今の彼として華々しいデビューを飾ろうとしていた時代の運が悪く、彼に対する風当たりが強かったこと、特定のマニアに準ずる性癖をもっていたこと、応援してくれるファンから「きしょい」と言われてもニヤニヤ笑っていたくらいにはなんかちょっとアレだったこと、言葉の選別が悪かったり、変に調子に乗ったりしてお前最悪やな…って思うような言動をも包み隠さず出してしまうときがあったこと。いろんなことを知って、時に幻滅したり、時に同じ時間を通して盛り上がったり、時にコメントや#(ハッシュタグ)つきの投稿に対して反応をもらって、すごく嬉しく感じたり、などなど。私が彼を推していた時間はほんの数年にも満たない月日ではありましたが、総じて幸せだったな、と思えます。
私は、彼が画面越しに、同じ時を生きる俺僕私たちに対して語りかけてくれたことや、当時に紡いでくれた言葉のひとつひとつに親しみを感じており、彼の一面性でしかないその人となりを愛おしく思っていました。不器用で、自分のことを変に追い詰めてしまうような雰囲気があって、彼の信じていた人や存在そのものが信じれなくなるようなこともあった中で、それでも何度も彼が彼としての存在でいてくれたことに、当時の私はすごく救われていました。数年前に実は辞める予定だった!って言っていたこともあったけれども、今も続けているということに私は意味を感じています。一方的にね。
彼の口から奏でられた音色を心地よいと感じるようになって、たくさん、たくさん、いろんな場所で歌ってほしいと思うようになって、たくさんの人に彼の魅力が伝わってほしい、たくさんの人から愛されてほしいと願うようになって、最近はみんなの思いが叶ったかのように、以前にも増してたくさんの人から応援されていて、たくさんの人に歌を聞いてもらえて、賞賛されて、すごくすごくよかったなって思っています。何様目線の発言だよって今更ながら思われそうですが、一個人のブログにも満たない言葉の羅列でしかないので、今彼のことを応援している人も、好きなひとも、ガチで人生をかけている人も、多めに見てもらえたら助かります。加えて、当時伝えきれなかった感謝の思いを、ひっそりとここで伝えさせてください。
活動を続けてくれてありがとう。同じ時代を生きている中で、出会ってくれてありがとう。歌を歌うことを諦めないでいてくれて本当に、ありがとう。
夢を抱いて、前を見て、いろんな選択肢をとってきた人だと思うので、その時々で葛藤もあっただろうに、一方的に不安を感じてしまってなかなか喜べなかった一ファンのことをちゃんと認識して、当時の自分の姿勢や意気込みだったり、心持ちを素直に歌とともに伝えてくれて、本当にありがとう。今のあなたが、今を歩んでくれて本当に、本当に、感謝しています。元オタクの一方的なエゴによるお気持ちなので、当人がなんらかのバグでこれを閲覧したとしまっても、重く受け止めすぎないでください。遅くなりましたが、四周年、おめでとうございます。あなたが、今年も、これからも、たくさんの人と幸せをシェアして、たくさんの人にあなたの歌声を届けられる機会が増えることを、これからも、淡く願っております。
以上!末筆でしたが、閲覧いただきありがとうございました。
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