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机を整理していたら、篠田昇さんの作品集が出て来た。

2020年5月22日(外出制限明け12日目)晴れ@パリ郊外。

机を整理していたら、篠田昇さんの作品集が出て来た。篠田さんは映画やCM、更にはミュージックビデオ等を撮影する撮影監督(カメラマン)。私が日本のレンズメーカーで仕事をしている頃に出会った。残念ながら2004年に52歳で亡くなってしまった。印象に残っている出来事がある。

ある土曜日の朝、携帯に篠田さんから電話があった。F900というSONYのカメラ向けに開発した単焦点レンズ(確か25mmだったと思う)を埼玉県の撮影現場(学校)へ持って来て欲しいという依頼だった。私は会社に行き、デモ機を持ち出す事務処理をして、現場に行った。篠田さんは、特殊な変換アダプターを介して、被写界深度を浅くする手法を急に思いついたかなんかで、このレンズを希望したと記憶している(当時、2/3インチセンサーのカメラでは、被写界深度を稼げないのが問題だった)。撮影に対して真剣で研究熱心で笑顔が素敵なヤンチャな人であった。

その後、映画版の「世界の中心で愛を叫ぶ」を撮影した後に亡くなったと記憶している。この映画を撮っている最中に既に死期が近いことを知りながら撮っていたと聞いていたので、映画館でこの映画を観た時は、内容だけでなく、そのカメラワークに涙が止まらなかった。

久しぶりに作品集を観て、いろんな事を思い出した。篠田さんの葬儀にも参列させていただいたが、SMAPをはじめ、多くの芸能人が参列していたのが印象に残っている。



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