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note経由で知り合った人と会った
1年ほど前に、マッチングアプリをやっていた。3つくらい。TinderとTappleとPairs。
ちなみに、みなさんはPairsの語源が華の都・パリから来ているということを知っていただろうか。当時、Pairsを開発していたエンジニアが「Paris」と書こうとしたところ、ミスタイプして「Pairs」になってしまったそうだ。
それをみたそのエンジニアは、今開発しているマッチングアプリの名前を「Pairsにしよう」と閃き、現在のメガヒットが生まれたとのことである。
これに似たエピソードで「ドラえもん」の話がある。「ドラえもん」に関しても、出版社から新作のタイトルを聞かれた藤子・F・不二雄さんが「ドラ衛門」と書こうとしたが、「衛門」の漢字を咄嗟に思い出せずに「ドラえもん」と書いたことが由来になっているそうだ。
ちなみに、Pairsの話は嘘だ。
こんな調子で嘘ばかりを吐いていたから、マッチングアプリでは誰とも会えなかった。テキトーなことばかりを送ると「面白いね!」とか言って返信は貰えるが、日程調整となるとすぐに無視されてしまう。
仮に運良くマッチングしても、当日「今日何時集合にする?」と尋ねるとシカトを貫かれる。
嘘は軽々しくつくものではない。
そんなマッチングアプリをガチっていたのに誰とも会えない僕は、ネット経由で人と知り合ったことが1回もなかった。
だが、今回たまたまこのnote経由で知り合いが出来た。
instagramを交換して、何度かやり取りをするうちに仲良くなった。
人生初、ネッ友ができた。
知り合ってから半年くらい経って、会ってみようという話になった。
運良く、日程調整のタイミングでシカトされることはなかった。
「実際あったらぶっ殺されるんじゃないか」とか不安に思って、集合場所では文庫本を読んでできる限りシカトできる体制を取った。
幸いなことに、現代社会では街中で本を開いているだけで異彩を放てる。
背表紙をつけてタイトルを隠していると「この人は思想が強いかもしれない」というオーラが出せる。出来るだけ背筋を伸ばして読むのがコツだ。
背筋を伸ばして、ずっと文庫本の本のページを捲っていると、かなり不審者オーラが出せる。現代日本では、姿勢の良さは狂気なのだ。
この思想オーラのおかげでぶっ殺されることもなく、無事に集合できた。
両手にその日のToDoを書いていたのが印象的だった。そして「両利きだからどちらの手にもToDoが書ける」と誇らしげに言っていた。
こいつアプリとか使わないのめっちゃ馬鹿じゃん、とか思ったけど黙っておいた。
あと、僕も誇らしげに「そういうのをクロスドミナントって言うんだよ」と教えたが、実際は「クロスドミナンス」だった。全然馬鹿はこっちだった。
そのまま、近くの喫茶店に入った。内装がとてもオシャレだったので、そこですかさずMacを開いたら見事にネズミ講の現場みたいな絵面になった。
お互いに最近記事を書いてない話とか、最近読んだ本とか、そういうnoteで知り合った人たちっぽい会話をした。
あと、その人は自転車で遠出をすることにハマっているそうだ。
どうしようもないくらい遠くに行って、筋肉痛になりながら夜の道を爆走して帰るらしい。
咄嗟に「芥川の『トロッコ』を地で行くタイプの人なんだ…」と思ったけれど、後から考え直すとこっちの方が近いなと思った。
そんな良い感じの話ばかりするもんだから、とても丁寧な生活をしている人な気分になった。オシャレな喫茶店で最近読んだ本の話をする人たち。コーヒーとシュークリームを食べながら、まったりと寛ぐ昼下がり。知り合ったきっかけはnote。我ながら丁寧な生活すぎると感じた。
でも、普通に頂き女子のりりちゃんの話とかもした。
「あの人、出所したらABEMAのコメンテーターとかになりそうだよね」と話すと、「りりちゃんが出所する11年後には、ABEMA TVもなくなっているのではないか」という結論に落ち着いた。
丁寧な生活をしている人は、りりちゃんの刑期は絶対覚えていないので、きっと僕たちはネズミ講のままだった。
喫茶店でネズミ講トークが終わると、街をぶらついて近くの本屋に入った。
なかなか現代では見ないレベルの大きさの本屋で、かなりテンションが上がった。ネットで話題になっていたが、家の近くの本屋では見つけられなかったエッセイもあって、即決で買った。
大きな本屋だったので本の回転率が良く、全部の階で「新しい本の匂い」がした。新学期で教科書をもらったときの高揚感みたいなものを感じられたので、非常にワクワクした。結局、4冊ほど買ってしまった。
この4冊の本が読み終わる前には、ぜひもう1度会ってみたいなと思った。
そのくらい楽しかった。多分、6月のハイライト動画を作ったら、楽しすぎてショート動画に切り抜かれるくらい楽しかった。
りりちゃんが出所する頃にも「結局ABEMAあったね」とか言い合ってたいな、と思った。
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