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独立系縫製の人が求めていた、jibun-fukuの色柄

洋裁教室に通っているという友人が、入学式の時に着たスーツ写真を見せてくれました(タイトル画像はわたし作のトップスです)。
「作りたい服を縫うのよ。こんな服を着てみたいって先生にいうと、パターンを起こして仮縫いと補正をしてくれるの。ぴったりの服が縫えるのよ」
長年、縫製のプロとして服飾業界を支えた技を、着たい服を縫うことに注力した独立系の洋裁教室のようです。
「生地選びから同行してくれて、これは柄ゆきを生かした仮縫い」と次に見せてくれたのは、今手がけているワンピース。完成形をイメージしてトルソーにかかっています。
「先生は素材に特にこだわっているのよ」

生徒さんが着たい服のイメージからその先生は生地の厚み、光沢、肌触りなど素材の構成要素に加えて、色柄のバランスを吟味しているようでした。縫製の手順としては至極全うと思われます。それがデフォルトなのでしょう。その先生が、jibun-fukuと出合いかけています。

麻布十番のjibun-fukuは服づくりの発想も工程も斬新。業界の通説からは一線を画すものづくりです。

オリジナルの柄が作れ、しかも洋服がオーダーできるサイトを2016年に立ち上げました。しかしながら時期尚早のようでした。

柄を作るのが難しい。ハンコのようなパターンがせいぜいです。テンプレートからお気に入りの模様を選んで、色や大きさを変える程度でも当時はオリジナルは歓迎されました。それはスタンプと変わりません。柄に規則性と連続性がある、どこまでも平面なのです。世のテキスタイルはほとんど判で押したような模様です。

対してjibun-fukuの色柄は、躍動感があり法則性は見当たりません。袖も見頃もそれぞれに魅力的な模様です。色彩の豊かさも柄のユニークさも、どこにもないものです。「ない」から「つくる」しかなかったのです。服をつくる工程で普遍的なのは布地を裁断して縫うこと。それも3Dプリンターの出現で縫製が不要になってきました。

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エイミー・カール「インターナル・コレクション」シリーズ @森美術館

服づくりの工程は変わり、好みの柄模様がじぶんで作れるようになりました。確かな技は、誇るべきものづくりのジャパンブランドです。旧態依然の工程から離れて、身軽にどんどん挑戦できる環境があることは希望です。

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