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証言が消えていく中で、

豊島住民が「廃棄物対策豊島住民会議(以下、住民会議)」を組織して、弁護団と共に有害廃棄物不法投棄事件を世界に問いかけました。日本最大級の不法投棄事件と言われた豊島事件です。

香川県と豊島住民との間で公害調整が成立(2000年)。島の西側に高さ18mもの山となった産廃は90万トン以上、廃棄物および汚染土壌を無害化処理し、全てを再利用する公害調停。香川県は廃棄物の搬出完了を2017年春に宣言しましたが、その後汚染土壌が見つかり、現在は排水処理を環境基準に戻す作業が進められています。

豊島の長老は、先述の住民会議で議長を務めました。タイトル画像は、その時のものです。県民に国民主権を問いかけた「100ケ所座談会」の100か所目、玉藻公園の披雲閣で行われた様子です。今日はそのことを書こうと、検索をしたら証言が消えていくさまを見つけました。

■住民運動に関わった人たちの証言集「豊かさを問う2」
この資料は、産廃視察の際にもらえる資料でした。住民会議のサイト(http://www.teshima.ne.jp/ 2020年キャッシュもありません)でも閲覧できるようになっていて、視察しなくても入手できるありがたい状態でした。
2020年は書名をダイレクト検索しないとヒットしなくなりました。

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■豊かさを問う2ー調停成立5周年を迎えてー 豊島事件の記録
廃棄物対策豊島住民会議
http://www.olive-foundation.org/intro/pdf/yutakasa2.pdf

■↓キャッシュで拾ったので、いつまで閲覧できるかわかりません。

■産廃視察
産廃視察は住民会議に申し込みます。今も視察はできます。電話して希望日を伝えます。視察代2000円。

現場見学をご希望の方は住民会議までご連絡ください。
Tel.0879-61-4007

当事者による現場説明があり、供述調書やボーリング調査の結果など、正しく理解するための貴重な資料がセットでもらえました。
下記は、豊島事件のエッセンシャル版です。
ところが在庫がなくなると増刷されず、住民会議のサイト(http://www.teshima.ne.jp/ 2020年キャッシュもありません)で閲覧できるのみとなりました。しかしそれも不可、今は絶版です。

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■可否を問う
住民会議のサイトは2015年前後から更新が滞り、それまでは毎月の処理完了数字を香川県同様に掲載し、年の終わりには視察人数を公表するなどしていました。住民会議の基本的なインフォメーションは、瀬戸内オリーブ基金がリンクするようになり、いつしか瀬戸内オリーブ基金のサイト内に住民会議への視察申し込みなどが記載されるようになりました。

オリーブ基金のサイトは新しいランディングページとなり、住民会議による視察対応の記載を外しました(旧サイトへのリンクはあります)。
豊島の人が心を寄せて活動した足跡が消えていくのです。

豊島の長老が住民会議の議長を務めた5年間、「島の学校」という環境を学ぶ構想が実行されていました。島をあげての、未来に向けた試みです。夏、大学生や一般の人が豊島を訪れ、産廃視察をして個人宅に泊めてもらいます。まだ民泊も稼働していない頃、お接待文化が根付いているから成せることでした。昼間は豊島の歴史や自然環境を体感し、夜はBBQの交流会。マスコミも講師として歴史の証言に参加したと聞きます。豊島のおかあさんは食事の采配を一手に引き受けていました。
この「島の学校」もいつしかクローズの流れとなり、豊島の人も知らない間に開催されるようになりました。

オープンだったものが、クローズする。そこにどんな力が作用しているのか。

■廃棄物対策豊島住民会議 40年余りの歴史に終止符 香川・豊島
2018/01/04

メモ↓
■法学館憲法研究所のサイトより
豊島事件と香川県豊島「てしま」  石井亨(廃棄物対策豊島住民会議)

■第5回明日への環境賞受賞 (2005/07)

■豊島の産廃事件、住民の語りが本に オルタナ編集部2017年7月23日


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