大工さんが彫って差し出した民間仏
みちのく いとしい仏たち@東京ステーションギャラリーを見てきました。
7 大工 右衛門四良(えもんしろう)
大工の右衛門四良が、荒削りにどんどん彫る。
完成したら奉納する、または個人の家に差し出した、と解説に書いてあったような。
仏師でも僧侶でもない大工が彫ったというのが、今回の展示で章立てになっている見どころです。
ご供養のために彫る
差し出す
「右衛門四良」は18世紀中期から後期にかけて活躍し1779年頃に没したと言われています。
そのころの東北(みちのく)は、気候が厳しく飢饉に見舞われ、民間仏も広まったのでしょう。
ここでわたしが思い出したのは、陶芸家の板谷波山です。
人間国宝を断り、作品が気に入った仕上がりにならなければガチャーんと割ったという、作品を割って選別しのは波山が始まりだと言われています。
その波山、ご高齢の方々に自身の作品でる鳩杖を贈りました。
「観音聖像」も贈りました。
日中戦争・太平洋戦争で戦没した方の遺族に、鎮魂を込めて贈ったといいます。板谷波山の作品である印を入れ、桐箱に納め、売ってお金に換えることができるようにと。
鎮魂の民間仏をつらつらと考えています。
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202312_michinoku.html
観音像を送られたご家庭の様子が語られている記事(茨城新聞、2022年5月9日)
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