真面目な若者ほど「人生なんとかなる」とは思っていない

こんばんは。夏目紗綾です。

自分のことを「真面目」と評価すると、本当に真面目な人に怒られそうですが、真面目っ子マインドは持っていると思っています。私は安定志向で、賭け事は嫌いで、ルールを守らないことに不安を覚えるような人間です。人には「真面目すぎる」と評価されます。

私は自分をコンテンツにすることを考え始めnoteをはじめました。

でも、私には強い個性も、立派な志も、胸を張れるスキルもありません。自信もありません。そんな私が、私というコンテンツを通して何を伝えられるのか。そんなことを考えていました。

私は小学生の頃から大学進学を志して(勿論母のアドバイスの影響です)、大学在学中に三年後期から四年後期までの一年半では到底研究と呼べるものはできないと強く感じ、もっと学びたいという意思から大学院に進学しました。

職種がどうしても体力勝負になってしまうという現実を知ったのは研究室配属が決まってから、決意が揺らぎだしたのも研究室配属が決まってからです。私はその時まで自分が描いた人生設計の通りに生きていて、とても安心していました。小説家になれないかもしれないという、挑戦する時間すら奪われかねないという現実が迫ってきてはじめて、小学生の時母と相談して決めた人生設計が破綻したことに気がつきました。死ぬほど怖かった。

現実は、人生設計の通りに破綻なく、挫折なく生きていく人のほうが少ないのに、私はそこから振り落とされたことに狼狽えました。病気にすら罹りました。

私は振り落とされたことに気づきましたが、こんなはずじゃなかった、と思ったときにはもう社会の歯車に巻き込まれている、または私のように巻き込まれる前にどうしよう、と狼狽える人は結構たくさん居ると思います。

私の友人はもう会社勤めをしている人のほうが多いです。みんな口を揃えて「もう一度就活するのはちょっと体力がない」「もう一度就活するのは嫌だ」「でも会社も嫌だ」と頭を抱えながら現状維持を選択しています。会社に勤めていれば給料はコンスタントに入ってくるから。みんな苦しみながら仕事をしているから。私よりひどい環境の人も居るからマシだと思う。私が愚痴をきく友達はみんな口を揃えて同じことを言います。

私も、会社に勤めていれば給料が月に一度必ずもらえる、社会保障が手に入る、母を安心させられる、と言い聞かせて会社に入らなきゃ、と呪いのように自分を縛りつけてきました。就職を気にせず研究したい自分と、学歴と新卒という資格を手に入れて有利に就職活動をしたい自分と、そして何よりも小説を優先したい自分とが内心で暴れまわっていました。

安定した職につけば将来が安心、とは今はもう思えません。

冷静に考えれば、日本の企業の大多数はもう何年も前に終身雇用制度を辞めてしまいました。会社の都合で出来ないものは切り捨てられる。でも転職しようとすれば妨害してくる。そんな社会です。正直、毎日入ってくる情報に生きづらさを感じます。

約束された安定は、学歴も企業も保証してくれない世界になったのです。

蜃気楼の安定に縋って精神をすり減らすのは、やめるべきだと今の私は思います。

幸い、この一年に出会った人は、破天荒な経歴の人が多く、色んな話をききました。学歴がなくても結婚して子供を設けて幸せに生きているひとも居ます。個人事業主に学歴を求めるのはナンセンスです。よく人の話をきいてみれば、実はレールを外れて生きている人は案外沢山居ます。そしてその人達は私に対して応援してくれるのです。「案外好きなことをやってもなんとかなるもんだよ」

ずっと安定を目指して生きてきた真面目な私達は、乗る船が泥舟と分かっていてもその先に安定を夢見てしまいます。でも、もうそれはやめるべきです。

今の私は、楽観的に「なんとかなるよ」と友達に言うことは出来ません。私自身に説得力がないからです。

だから、私がレールから外れて、やりたいことをしてみて、それでなんとかなっていく様を書き綴っていきたいのです。

失敗すれば失敗したで、そこから見えてくるものがなにかあるはずです。

私と同じ、安定志向の真面目な若いひとたちに、「意外となんとかなる」という勇気を与えられる人になりたい。

それを伝えるために、ここで書いていこう、と改めて思いました。

車の居ない交差点で赤信号を渡る行為が、私はすごく嫌です。だって、赤信号は止まるというルールがあるのだから。それを逸脱した行為をすることに、ひどく引け目を感じます。

そんな私と同じ考えで、激しい変化の時代に苦しんでいる人たちに寄り添う文章が書ければいいと思っています。同時に、そういう人も居るんだと知ってもらえればいいと思っています。

私は私のためにしか書けないから、私と同じ境遇のあなたを勇気づけることができる私になりたい。

「人生なんとかなる」を証明していきます。

よろしくお願いします。


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