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タイムスリップ出来る空間

散策圏内に、戦前から戦中にかけて、某政治家の別荘であった敷地があります。

今でもちゃんと庭師が手入れをし、年に一度か二度か抽選で見学が出来るとか。

去年今年は、憎きコロナのせいで見学も中止かもしれませんが。


もう10年以上前に、とある事情があって見学をする機会がありました。

お茶を出すだけの建物しか入ることは出来ませんでしたが、別荘も昔のちょっと歪んで見えるようなガラス窓は一点の曇りもなく、寿司を食べるだけの離れ、バーとして使われるだけの離れも今でも茅葺き。

いやぁ現代の金持ちも、別荘はこんなに贅沢なんでしょうかね。


戦争を感じさせるのは、庭園の中にある滝の裏の防空壕。

どこへ通じているのかはわかりません。

意外な所と通じていたかもと、想像が膨らみます。


当たり前の様な素晴らしい庭園。

季節が晩秋だったので、紅葉も美しく、苔むした地面に散った紅葉がわざとのような、写真は禁止でしたが思い出して絵を描きたくなる様な光景。

一番端辺りは、そこだけ西洋風の柱が立ちテーブルに椅子。

それなのに唐突感もなく、自然と導かれるようでした。


入ったのは一度だけですが、周りはよく通ります。

通勤路の一部でもあります。


やはり木々が多いせいで、どんなに暑い夏の盛りでも、前を通ると絶対に気温がそこだけ何度か低い!と感じて空気も清々しくさえ感じられます。

石垣も美しく苔むして。


こういう建物は一般公開すると荒れてしまうのでしょうか。

何だか秘密めいてひっそりさせておくのももったいないような、入ったことが誇らしい特別な気分になるような気がします。


時代と共に消えて行くものはたくさんありますが、ここは残して欲しいなぁと、前を通る度に思うのです。

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