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忘れないように

その時感じた気持ちを忘れないように思い出すことがある。
就労継続B型事業所で働き始めた頃
利用者さんたちは職員を「先生」と呼んでいた。「先生」と言う言葉に利用者に対する万能感を持ちつつあり、利用者は庇護されるべきもので解らないのだから指導しなくてはいけないと思うようになった。
仕事自体は日々忙しかったが和気藹々と時間が過ぎ、利用者がおもしろいくらい自分の指導に従ってくるので生産性や技術が向上してきた。
ある日技術指導をしていると、それまで素直に私の指導に応じてきた利用者さんがいて、その日も私の指示に従うように指導していた。しかしその日は私の手を振り払って自分の思うように作業を開始した。
その時自分の胸の中で何とも言えない怒りの感情が湧いてきたのを覚えている。
今なら自分の意思が伝えられるようになったと喜ぶ話なのだが、当時は受け入れられなくて「先生はもう知らないよ」と突き放した。
ごめんなさいと折れてくると思っていたら、相手は謝罪することなく自分の自由な意思で作品を作っていた光景を今でも思い出す。
障害者だって自分の思うように生きたいのでは?支援者や保護者が全部決めてしまったり、よかれと思った事が本当は違っていたり、本人も理解や説明はできにくいけど伝わらないのを諦めてしまっていないか?諦めている事を納得している事と思っていないか?
その出来事が自分の支援がこのままでいいのか?と考えるきっかけになっている。
今でも自分の考えがずれていないか日々悩んでいるし、この気持ちを共有できる仲間が欲しいと願っている。

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