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『無垢』

「綺麗な花ですね この花の名前なんて言うんですか?」 「分からない。」 お隣りさんの家に引越しの挨拶をした際に言われた言葉。 その女性は明らかに様子がおかしく異様なオーラを放っていた。 薄気味悪いと思ったが、僕の頭の片隅にはその女性の花に水を遣る光景がずっと残り続けていた。 その日の仕事終わり家に帰る途中、その女性が犬と散歩をしている所にばったり遭遇した。 「こんばんは、ワンちゃん可愛いですね、その犬の名前なんて言うんですか?」 「分からない。」 そう答えると

    • 『呈色』

      ママ、今日学校の子と話してたんだけどね 絵の具ってなんで全部混ぜたら灰色になるの? 「掃除機に溜まった、ほこりの色が灰色なのと 同じでね ....... 細かい色が並びあっていると人間の眼は色別 できなくなるの、すると目の中で色が混ざり合ってしまい別の色に見える それが灰色なんだ」 そうなんだ、教えてくれてありがとね 明日、学校の子と朝から遊ぶからもう寝るね ママ、おやすみ 「あかり」 どうしたのママ? 「いつも気になってたんだけどさ あかりが友達のことを"学

      • 『アメフトをやっていた人』の意見を人間は誰も否定することができない

        会議の最終決定が結局いつもアメフト経験者のような『ガタイのいい人』の意見ばかりになってしまうという光景をよく見ませんか? 逆に複数の意見がある中で細い人やか弱い人の意見が通っているという場面を目にすることは少ないのではないでしょうか? その理由を今回はこのnoteで解明していきたいと思います。 『アメフトをやっていた人の意見は誰も否定することができない』 という事実を皆さんご存知でしょうか? 勿論"アメフトをやっていた人”の意見を否定することができる人はいますが そ

        • 『刹那』

          この会社で働いて10年。 今日から私は採用担当者として就活生の合否を 見極める事になった。 「はじめまして、東雲はるです」 私と同じ苗字の女性が来た。 同じ苗字だからと言って甘く見てはならない。 「学生時代は軽音サークルでバンド活動に打ち込んでいました。 その中でオリジナルの楽曲を創作することの難しさ、人を集めることの難しさを痛感しました。 自分の頭の中にある考えを作品にすること、その作品を人に伝えることのやりがいに気付くことができ御社の開発担当部で働きたいと強く思

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        『無垢』

          『譎詭』

          僕と友達になって下さい 「友達.......?」 うん、友達になって下さい 「え?絶対告白されると思ってたんだけど」 キャハハハハ」 なんで笑ってるの? 「このシチュエーションは絶対告白でしょ」 ごめん、異性の友達とかできたこと無くてさ どう言ったらいいか分からなくてこんな形で伝えちゃった 「大丈夫だよ」 「前さ高橋くんが通学中にヘッドホンで音楽聞いてて、何聴いてるのー?っていきなり話しかけた時あったじゃん」 あったね 「そしたら高橋くんは私の好きな曲

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          『譎詭』

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          『吉凶』

          私は占い師 統計学とかそういう物では無く その人の人生の未来、過去が一目見ただけで分かる。 私は30年前に妻を亡くしている。 昔は商社マンとして働いていたのだが妻を亡くしてから働く気力を失い会社を辞めてしまった。 途方に暮れ、公園のベンチに座り子供達が遊んでいる様子を眺めていると「あ、この子コケそうだな...」とか「この子塾をサボって公園で遊んでいるな...」とか小さな予感が的中するようになった。 些細なきっかけで自分は何かが『視える』そんな存在であること気づいた。

          『吉凶』

          『絵空事』

          1日の2分の1を睡眠に奪われる。 そんな生活を送っていた。 そしてある日、現実で起きた内容が夢の中で全く同じ時間で再生された。 こんな出来事が数日間続いた。 睡眠時間は12時間。起きて活動している時間も12時間。即ち、1日で起きた出来事を2回経験しなくてはならなくなったのだ。 そんな日が続く中、私が人生で初めて好きな子に告白して振られた日、夢の中に異変が生じた。 振られた日の夜 「これから夢の中でも振られなければいけないのか」そう思いながら眠りに就いた。 しかし夢

          『絵空事』