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ジャニーズ最後の日に見せてくれたもの

2023年10月16日

 ジャニーズという名前にピリオドが打たれようとしている日に、我らが宮舘涼太が魅せたロイヤルの正体。

レギュラー番組のスタートに伴う番組告知のためのバラエティ出演が多く、毎日が待ち合わせの状態、しかも、ブログの毎日投稿とあってXのTLは宮舘涼太の文字が途絶えることがない。

ブログでも好きなファッションを身にまとい、自分の好きな世界観を共有することで安心感を与えてくれる彼。
そんな中、180°開脚シルエットで出演予告という冒険少年。またも見ているファンの心を捉えて離さなかった。
貴族キャラを貫きながらの火起こし、泥水ろ過、魚捕りにイカダづくり…
1人で長尺のバラエティ、最初から見どころが満載である。

先輩の亀梨くんからの激励メッセージに加え、得意を見せるという壮大な振りまでいただいた。まさか、宮舘くんが島で殺陣を披露できるなんて誰が想像しただろう。
洋風の衣装に日本刀というミスマッチもご愛嬌、相手との間合いも何度か手合わせしたとは思うが、美しい所作を見られる貴重な瞬間だった。
驚いたのはそれだけではない。弓を使えるって既出なのだろうか、私は初見だったので殺陣よりも衝撃が大きく、その昔、ラジオで言っていた「まじで流鏑馬やろうとしてた?」と思うほど。オリンピックの聖火点灯のパロディをバラエティでやってのける強心臓、1回目は外したものの、2回目で見事、点火成功で見ているこちらは一気にボルテージが上がった。

冒険少年にある1人語り。普段、多くを語ることがない、常に背中を見せるタイプ。
ところが、語った内容がメンバー増員時の不安
であり、どうやって自分のエンターテイメントを追求しようかということ。アイドル雑誌で物議をかもした対談でも触れていたが、地上波ゴールデン帯で語るとは。何より彼が自身の不安や戸惑いを隠さなくなったことに驚いた。

彼の憧れの系譜は奇しくも三宅健氏が語っている通り、木村拓哉氏−亀梨和也氏という王道二枚目ライン。三宅氏曰く「木村拓哉にはなれない、真似るのはお前の代で終わらせろって俺は宮舘に言ったんだ(意訳)」だとか。ただ、そのアドバイスは老婆心で終わりそうである。

ジャニーズがアイドル育成で成功しているのは、先輩を真似ても真似できない、追いつきそうで手が届かない、だから憧れてまねぶ。その先に個性が開花していく、早咲遅咲き様々だが、ただの真似じゃ抜け出せないことを知っていることこそが強み。宮舘くんも初めは真似から入っただろうが、自分にしかできないことでどうやってファンを楽しませるか、デビューから今に至るまでずっと考動していることを語り、バラエティというフィールドで表現してくれた。表層的には真似だとしても、先輩の芯を捉えて、自分ならどうするかをトライ・アンド・エラーで進むアイドルだったこと。それが、【ロイヤルとはファンタジー】という彼の口からでた答え、自分のキャラクターを反映させていくだけでなく、誰かを楽しませたい、笑顔にしたいという彼なりのエンターテイメント。
“かっこいい“はまねぶで会得したところ、そこから先のキャラクターとしての「舘様」は、自分の個性のためだけじゃなく、共演者、スタッフと作り上げる幻想的世界観を言語化したものだったようだ。プロとして「舘様」をやり切ることで私たちに「笑って」と問いかけ、アイドルに触れることで多幸感を感じて欲しいという仕掛けこそがロイヤルなのだろうと感じることができた。

対決を通じて、何故そこまで勝ちにこだわるのかの問いに対して、オールを漕ぐ手を止めずに言ったのは、ロイヤルという言葉を超えた静かに燃える闘志。

Snow Manって、今まで「デビューできないよね」とか、「あの子たちじゃ無理だよね」とか、たくさん言われてきたんですよ。
でも、6人と3人が加わって、デビューもできたし、これだけ観てもらえる人がいて、応援してくれる人がいて…
その人たちに申し訳ないなって。

だから勝ちたいんです。
だからいきます。

冒険少年での宮舘涼太より

デビュー当時にも増員に対しての不安を口にしたことがあるが、その時と今と同じ言葉でも気持ちは違うのではないか、と想像している。特に、デビューにまつわる話は言わない選択もあっただろう。彼が“できる”だけに、バラエティの演出に応えた発言と見る向きもある。
ただ、かつて“岩本たち“と呼ばれていたことに忸怩たる思いを抱えながらひとり創業者へ直談判、その後6人に名前が冠され、仲間を、ファンを、縁を大事にしてきた彼だから、デビューから時を経た今だからこそ、付け焼き刃じゃない言葉に説得力を感じたのである。

この3時間を通して、諦めない、やりきる強さが随所に見られて、彼という人間の芯を感じることができた。
加入前に言われてきたこと、加入後も埋もれないようにと悩んでもがいで、前を向いて突き進む姿にこそ「舘様」ではなく「宮舘涼太」を見たような思いだ。

これから歩む新たな道はデビュー前よりも険しい道かもしれない。それでも彼が前を向いて歩み続けてくれる限り、どんなエンターテインメントが見られるのだろうと期待しかない。
深夜帯のシーズンレギュラーは間違いなく次のステージに向けて試金石となるだろう。
好きな世界でもっと輝いて欲しい、そう思える稀有な存在は私たちの生活に彩りをもたらす。
そう、「宮舘を添えて」、潤いあるオタ活を楽しむばかりである。





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