週刊缶詰 【毎週ショートショートnote】

「もしもし、ばあちゃん俺。借金があるんだ。500万送ってほしい」
「心配ない、送ってあげる」
電話を切ったあと男は言った。
「チョロい。オレオレ詐欺に引っかかる奴いるんだ」
3日後、荷物が届いた。ダンボールを開けると食品が詰められていた。
「金はどこだ？食料ばっか入れやがって！」
男はダンボールを蹴った。中身が床に散らばって缶詰が転がった。ラベルを読んでみる。
「しゅう？週刊缶詰？」
中には金の指輪が入っていた。それから毎週ダンボールが届いた。缶詰は少しずつ大きくなって中の指輪も大きくなっていった。
「この指輪親指が二本入る、デカ」
次の週、洗面器くらいの缶詰が届いた。
「宝石ギッシリかもな」
男は缶詰を開けた。中にはサメのような無数の歯が。男は缶詰に飲み込まれた。老婆が玄関から入ってきた。
「自分の体が小さくなっていることにも気付かないとは傑作だね。それに漢字の意味もわからないのかい？それは収監缶詰だよ」

たらはかにさんのお題に参加させていただきました。字数の制限があって楽しかったです✨ありがとうございました😊