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鏡顔【毎週ショートショートnote】

夜、私はパソコンをONにしてメタバースへ潜り込む。仮想世界には殺人も貧困もゴミもない。街は最先端のデザイン、年中どこでも花畑。すれ違う人も自分もモデルのようなアバター。すべてが美しい。

「やった!今日のファッション目立ってる。私の周りに人が集まってきた」

突然、ドンッ!!という地響き

現実の世界が大きく揺れ家具がテレビが本棚が右へ左へシャッフルされた。強い地震だった。一瞬にしてライフラインがすべてストップした。部屋は真っ暗。
慌ててスマホで検索するとサラダ油ランプの作り方が出た。さっそくランプを作る。頼りない炎に照らされたパソコンの画面は真っ黒だった。その画面がになって私のを映した。まるで能面だった。

「なにこの顔…喜怒哀楽はアバター任せだったから?」

思えば娯楽も人間関係もアバター経由だった。思い出も全てアバター。私はゾッとして外へ飛び出した。現実を感じたくて生きている人間を探した。






たらはかにさんのお題に参加させて頂きました😊想像しやすいお題ですんなり書けました。ああ、よかった✨