指名候補馬まとめ【POG2023-2024】

なかなか記事を更新できていないが、一年に一度、POGのドラフトの時期には自分の考えをまとめておきたい。昨年は注目馬を1頭ずつTwitterにつぶやいていったが、やはり字数の問題があるので、久々にnoteを開いた。
ディープインパクト1強時代が終わりを迎え、種牡馬の大戦国時代の中、やはり選ぶ側のセンスが問われる。ずっと指名馬選びは血統を中心に考えてきた身としては、なんとか傾向をつかみ切りたい。
あくまで自分が来年指名馬を選ぶときに見返す記録用として、乱文御免で好き放題書いていく。今回は身内のドラフト会議に向けて30頭前後取り上げたい。
 

1.ドゥマイシング 牡


父 ドゥラメンテ
母 フォースタークルック
母はセクレタリアトの3×4を持ち、現役時は米芝2000MのG1を勝利。初仔は父Kingmanで新馬勝ち。藤田オーナーに矢作厩舎。母方の血統構成は多様性に富み、血統相性のはっきりとした傾向がつかみづらい父といずれかの要素がかみ合ってくれればと願う。立ち写真から強めの膝被りが見受けられる。競争能力には問題ないという話だが、故障のリスクがあるという見方もある。去年はそれでも一位でディオファントスを指名したが、おそらく脚元以外の理由でまともに走らなかった。弓脚よりマシと思って1位指名最有力候補。血統構成などから以前より注目していたものの、ここまでの人気になるとは予想していなかった。ドラフトだとまず1位でなければ指名できず、被って抽選まで視野に入れなければ。
 

2.デルマアートマン 牡


父 オルフェーヴル
母 オータムフラワー
オルフェーヴル最高ニックスの母父フラワーアレー。最近では少し丸くなって母父キングカメハメハの産駒も活躍し始めた。それでもはやり本筋は強い。初子がイスラボニータで一年空いての本馬が2番子。更に次にドゥラメンテをつけていることを考えると子出しが良かったのだろう。種牡馬の格上げは推したい材料。友道厩舎の個人馬主は活躍馬が多いイメージ。開幕週デビューが想定されており、指名理由たっぷり。穴で15位ぐらいと考えていたが、これも各所で取り上げられており上位で獲らなければならない1頭になった。
 

3.クセノポン 牡


父 ハーツクライ
母 アレイヴィングビューティー
ハーツクライのラストクロップから1頭ピックアップ。母は欧州デビューもアメリカに転厩後芝のマイルG1を2勝。引退レースのBCフィリー&メアターフでは3着に好走。今期のドラフト注目馬のドゥマイシングの母フォースタークルックに先着している。追分Fの期待馬はセレクトセールで金子オーナーに落札された。血統構成は母父にデインヒル系のマスタークラフツマンに母系にはリファールを内包するドイツ血統と美しいまでの成功パターン。金子オーナーでハーツクライ産駒なら秋始動の可能性も考えられるが、クラシック路線にも確実に乗せていってくれる中内田厩舎なら期待値は大。
 

4.コスモベラエステラ 牡


父 キタサンブラック
母 リプリートⅡ
こちらもブレイク中のキタサンブラック産駒から。母父マクフィで母方は少し重厚な血統構成だが、Danzig3*4内包に、曾祖母HasiliはDansiliの母として知られる名牝。ビッグレッドFの持ち馬だが生産はノーザンF。1歳の11月に早期特例登録されており、早めのデビューが期待される。厩舎はキタサンブラックと同じ清水厩舎。
 

5.マテンロウゴールド 牡


父 レイデオロ
母 ルールブリタニア
初仔のエピファニーを指名し、期間外活躍に嬉しくも複雑な気持ちになっていた。(脚部不安のため仕方がなかったが) 父がレイデオロに替わり、名牝ウインドインハーヘアの18.75%。このパターンの産駒が多くデビューするが果たしてどのような活躍をするだろうか。寺田オーナー、中内田厩舎、セレクト1億6000万と期待値は高そう。クラシックに間に合ってほしい。
 

6.アウェイキング 牡


父 Kingman
母 Waldjagd(ヴァルドヤークト)
ドゥマイシングに続き、藤田晋オーナー×矢作厩舎のゴールデンライン。母父Observatoryはミスプロ系のDistant Viewの系統だが、中にはRobertやらLyphardやらをにぎやかに内包。母父としては今春香港に挑戦したプログノーシスも活躍。母はドイツのオークストライアル2着程度の実績だが、近親には凱旋門賞をはじめフランスのG1を4勝したヴァルトガイストがいる欧州の名門ファミリー。父からのスピードと、母方からの重厚さで意外と中距離まで対応できるのではと睨んでいる。2月には競走馬登録が済んでおり、5月入厩予定ということで早めのデビューもあり得るか。
 

7.ウールデュボヌール 牡


父 キタサンブラック
母 サンクボヌール
初仔の兄ストキャスティークは父ゴールドシップで菊花賞でもいい脚で追い込んできていた。母も含めて少し晩成傾向があるが、3月末には須貝厩舎に入厩し、すでにゲート試験に合格、4月中旬には団野騎手を乗せて栗東坂路51秒台を叩きだした。母父ハービンジャーでLyphard5*6*5のクロス。今世代もキタサンブラック産駒から活躍馬が出てほしい。中位から下位でと考えていたが、これもまたこの時期になって各所で名前が挙がっているため上位で指名する必要あり。
 

8.インビジブルセルフ 牡


父 エピファネイア
母 アウェイク
父がハービンジャーの姉は、勝ち上がったものの何か突き抜ける感じもなくくすぶっている。父がエピファネイアにかわり、金子オーナーでおそらく池江厩舎。母父ディープインパクトに最近活躍馬の多いGone Westの内包パターン。クリスエスの3×4は未知数でどんな影響があるのだろうか。ゲート試験は受かっているものの520キロ超の馬体がどうなのか心配ではある。まずは年末の中山を目指してほしい。
 

9.パロサント 牝


父 ロードカナロア
母 パララサルー
母はアネモネS、紫苑S勝ち。一族総じて体質が弱く、母も既に亡くなっている中で、数少ないデビューが迎えられそうな1頭。カナロア×ディープはどうしても短いところに出がちだが、母方に潜むNijinsky,Sadler’s Wellsが底力を引き上げてくれていることを期待したい。現状450キロぐらいとのことだが、あとひと回り、いや、ふた回り大きくなってくれと願わんばかり。牝馬の国枝。
  

10.サトノフォルテ 牡


父 ロードカナロア
母 シュンドルボン
ハーツクライ産駒の母は重賞戦線でも活躍。初子はマクフィ、2番仔がヘニーヒューズからのカナロアが2年続いた。種牡馬の格上げは仔出しが良い証拠。母方にエルコンドルパサーがおりKingmambo3*4となる。曾祖母のホワイトウォーターレディは、勘違いしそうだがヴィクトワールピサとは全くの別系統。祖母のネイチャーガイドは未勝利、全兄のリキッドノーツが東京新聞杯2着。セレクトセールで里見オーナーが9000万円で落札した。国枝厩舎。
 

11.エヴァンジェリーナ 牝


父 モーリス
母 ジェンティルドンナ
血統面の説明不要。姉ジェラルディーナより牧場の評価は高いらしい。姉はうまくかみ合わずクラシック路線に乗れなかったが、そもそも晩成傾向の強い血統。期間内の活躍は難しくても、いずれ走ってくる。
 

12.ウィープディライト 牡


父 ドゥラメンテ
母 ウィープノーモア
母は米国で走り、3歳春にダート8.5FのG1を勝っている。ケンタッキーオークスでは、日本に繁殖入りしていておなじみのランドオーバーシーやゴーマギーゴーと走り、キャスリンソフィアの6着だった。姉のキープスマイリングは父Quarity Roadでダート戦を勝ち上がり。本馬は2番仔。DMMの募集馬でセレクトセールでは1億1000万円で落札されている。池添学厩舎所属。母父はA.P.Indy系のMineshaftにストームキャットという米国のスピード血統。ドゥラメンテの活躍馬の感じから少しスピードに寄りすぎている気もするが、シアトルスルーの4×4がいい味を出してくれれば。
 
 

13.アフィリオン 牡


父 サトノダイヤモンド
母 イストワールファム
シルクからの募集馬で、母父はローエングリン。サトノダイヤモンドが、本馬の適性の傾向と反対に血統構成は素軽く、スピードに寄った名前が並ぶ。一方でローエングリンは血統表に欧州の重めの名前が並びながらスピードの勝ったタイプだった。このチグハグ同士がかみ合ったらどんな馬が生まれるだろうか。非常に楽しみな構成の一頭。古賀厩舎。地味な印象の馬だったが、シルクの募集馬だからかハープスターの親戚筋だからか、POG本でも意外と多く取り上げられている。脱北済みでデビューも遅くなさそうだ。
 

14.インフルブルーム 牝


父 ダイワメジャー
母 ザナ
矢作厩舎のダイワメジャー産駒。母父がガリレオで好相性のサドラーズウェルズ系。姉のシンシアウィッシュはフローラS3着のキズナ産駒。父が変わってもう少し短く、早いところから活躍してくれそう。年末の阪神で有力馬の1頭であることを願う。唯一の懸念点は遅生まれのところだが、すでに早期登録済みで杞憂に終わるか。
 

15.ミッキースターダム 牡


父 エピファネイア
母 ベルダム
母はジェンティルドンナの全妹にあたる。母は未勝利だが、ファミリーの底力をあてにするのと、早めのデビューが見込めることも含めての候補リスト入り。エピ×ディープはオーソクレースが走っているが、そのさらに一歩先のスターダムに駆け上がるほどの活躍を期待したい。
 

17.ジークルーネ 牝


父 キズナ
母 ロスヴァイセ
ここで非常に格好の悪い指名を一つ。昨年、スキルヴィングを候補に入れておきながらドラフト当日に指名せず。すると、見事に青葉賞を勝たれ、有力候補の一角としてダービーに駒を進めた。本馬の血統構成は更に芸術度が上がっている。フィリーサイヤーであるキズナと、母父には相性が良すぎるシンボリクリスエス。恥を捨てて二番煎じを拾いに行く。
 

17.マウリノ 牡


父 レイデオロ
母 マウレア
母父ディープインパクトのレイデオロ産駒。初仔でいろいろ心配なこともあったが何と6月デビューの予定がたっている。下河辺牧場の生産で、オーナーは母やワーケアを所有していた落合さん。手塚厩舎。アユサンやドルチェモアの一族でファミリーも元気。
 

18.ポッドロゴ 牡


父 ロゴタイプ
母 スクラッタ
白老F生産で大久保龍厩舎所属。この血統の割にはセレクトセールで4000万となかなか高値がついた。母母父には祖母ローエングリンと好相性だったアグネスタキオン。SSの3*4と父ロゴタイプの現状想定される一番キレイな血統表をしている。母はキンカメ産駒でダートの中距離を3勝。ローエングリンーロゴタイプの系譜を継ぐ馬になってほしい。
 

19.テリオスサラ 牝


父 ロジャーバローズ
母 アルジェント
飛野牧場生産のロジャーバローズ産駒。母父Shamardal、母母父Authorizedという濃厚欧州血統の母だが、父の血統構成上、こういった重めに振れつつLyphardのクロスを内包しながら、HyperionやFair Trialなどを刺激していく方が走りそうな気がしている。サマーセールで450万だが、すでに高柳厩舎に入厩、早期登録済み。願わくは1勝。あわよくば重賞戦線に顔を出してくれれば。
 

20.エコロレイズ 牡


父 アメリカンペイトリオット
母 ペブルガーデン
アメリカンペイトリオットは活躍馬が出ると信じて、注目度の低いところから1頭。母父ディープインパクトでかなり短めの距離に出そうだが、昨年のセミマルに続いてなんとか1勝を手にしてほしい。北海道セレクションセールで3300万。この血統にしては高く、馬名もまた途中で変更されるなど、個人所有の活躍馬のデビュー前の動きみたいになっている。岩戸厩舎、タイヘイ牧場生産。いずれもドラフト下位でのひとネタに。
 

21.シュベルトリリエ 牝


父 モーリス
母 リスグラシュー
初仔で、しかも母を指名していなかった身としては信念に反する指名になるかもしれないが、候補の中に入れておきたいだけの何かを感じた。モーリス×ハーツクライは23年桜花賞3着のペリファーニアがいるが、そのような次元など飛び越えて、母のように世界をまたにかけるような活躍を期待したい。晩成とも言えないが、早くはないタイプだと思うので、指名順位等は慎重に行きたい。
 

22.クラッチプレイヤー 牡


父 ドゥラメンテ
母 ヴァシリカ
母はアメリカで芝のマイル~中距離で13戦9勝2着1回3着2回という成績でG1も2勝。2019年のBCフィリー&メアターフ2着を最後に引退している。血統構成的には特筆すべき点がこれといってないものの、血統傾向よりも母自身の競走能力が鍵になりそうなドゥラメンテ産駒だけに期待も大きい。初仔でも体は500キロほどあるようで始動は秋。セレクトセールで金子オーナーが1億円強で落札しており、国枝厩舎に預けられる。上位でとられてもおかしくないが、中位~下位で余っていればという構え。
 

23.ルージュチルル 牝


父 シルバーステート
母 チルノ
地味だがコンスタントに活躍馬が出ているシルバーステート産駒から、牝馬を1頭ピックアップ。シルバーステート産駒は、母方の軽重の方向性によって距離の適性も出ているようで、いずれも重馬場に適性も見られる。本馬は母父Kingmanということで、カルロヴェローチェやシルヴァーデュークみたいにDanzig系の母父に、ウォーターナビレラやセッションのようにダンシングブレーヴを経由したLyphardのクロスを持っている。血統的な面白さを持っている反面、初仔で体が小さく出ており、始動も遅そうなのは気がかり。東京HR、音無厩舎というラインも悪くないが、いつごろのデビューになるだろうか。年内に勝ち上がり、年明けにクイーンCぐらいに顔を出してくれればクラシック路線にもワンチャンス乗っていける。
 

24.キングズブレス 牡


父 Kingman
母 Impeed
曾祖母のBahamianは、Kingmanはもちろん、オアシスドリームなど多数のG1馬を輩出している名門ファミリーを支える母。それが4×3でクロスとなれば短距離馬へまっしぐらだろうか。5月末~6月移動とのことで、最速組ではなくとも早めデビューが見込める。サンデーRの募集馬で木村厩舎。ダービーのイメージは沸きづらいものの、年末のマイル戦やNHKマイルで距離がもってくれればと願う。
 

25.ジーティーパワー 牡


父 Frankel
母 コールバック
美しい栗毛のFrankel産駒。馬体がひときわ目立つ(素人の眼だが)。こういったムキムキ系は短距離なのかもしれないが、スピードがありそうなのは伝わってくる。骨折の影響がどうかと、520キロを超える馬体の大きさが不安材料。最悪ダートまであるが、たまには眼も信じての指名もありか。セレクト2億4000万の矢作厩舎なら、誰もが候補に入れるところ。馬主はライオンの田畑社長の個人所有。早めのデビューが予想されている。
 

26.リベルティーヌ 牝


父 レイデオロ
母 ロイヤルストリート
祖母フィラストリートは下河辺牧場の主力繁殖で、ディープインパクト産駒の母も3勝。来年定年の安田隆行厩舎所属でスリーエイチレーシングの所有馬。ロードカナロア産駒の兄ヴィアドロローサはかなり短距離に出たが、レイデオロにかわってマイルぐらいまでは持つかなといったところ。こういった短距離馬の育成は安田厩舎のお家芸。ダービーまではイメージしづらいが枠が余れば取っても面白い。
 

27.レッドアウェイク 牡


父 ドゥラメンテ
母 ティズウェンディ
ディープインパクト産駒の2歳上の姉は2月デビューで勝ち上がり放牧、ダービー当週に2戦目を使い2勝目と遅めの動きだった。東サラの中内田厩舎だが、吉澤Sの育成馬で、有力どころとの兼ね合いでデビューがどのタイミングになるか。血統構成的にはディープインパクトの相手として100点の構成だっただけに、父がドゥラメンテだと軽すぎる気もする。ドゥラメンテ産駒を十分とれずにずるずるいったらこの馬に手を伸ばすのもあり。
 

28.オメガインペリアル 牡


父 Kingman
母 ヌーヴォレコルト
姉イングランドアイズは新馬勝ち、クイーンCは脚を余しての4着。フローラSでオークスの権利を目指すも前内有利の馬場を大外回してアウト。オークスは反対に先行して沈んでいった。姉に続いて弟も父はKingman。シュネルマイスターのイメージがあるかもしれないが、母父がハーツクライでLyphardのクロスを内包。距離ももう少し長くても大丈夫。姉のデビューがやや遅かったこと、少し小さめだったことなど懸念点はあるが、2番目でもう一回り大きくなってデビューしてくれれば。個人馬主で情報は出てきにくい。

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