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22.遺伝カウンセリング2回目

信頼できる友人に紹介してもらったこの3rdプレイス的な別の大学病院での遺伝カウンセリング。5年後の今、振り返って、全ての課題が集約されていました。また行ってみたいような気も…。

息子の歯列矯正ができる医療機関を教えていただいたのもこちら。

親としては先回って色々やってあげたくなるけれど、できることは肉体的なほんのわずかのこと。親バカながら息子はなかなか飲み込みの早い子で、娘よりはるかに勉強のセンスはありそうに思うのですが、受験はしたくないそうで、のんびり小学生生活を送っています。

背骨のことなど考えると、重い荷物を背負って山の上の公立中学にテクテク通うより、自転車で通える市内の私立中学はどうかな…と思って見学には行きましたが、本人の意思に任せています。

当時の日記

夫もフルタイムで仕事に復帰、私も仕事を再開しています。また忙しい日々になり、ちょっと家の中に余裕がありません。

さてさて、2週間前の夫の術後2ヶ月の診察で、呼び起こされてしまった確定診断への不安…。

心臓外科の先生の「心臓さえおさえておけば、確定診断は必要じゃない」という言葉に、確定診断による社会的な不利益について、どうしても気になってしまい…。

術後3ヶ月の診察前に、再度遺伝カウンセリングをお願い、ご相談してきました。
生命保険加入、就学、就職、結婚などやはり気になります…。

【保険加入について】
アメリカでは遺伝疾患による差別を禁じる法律があるらしいのですが、日本ではない。
→やはり今のうちに入っておくべし。

【就学】
地元国立小学校受験、視野に入れているが、確か健康状態についての記入欄があったはず

それで落ちるなら、その学校ではケアできないとのこと。

学校には伝えることで、教員によっては、無理解や差別があるのではないか…?

先生の度量によることは確か。学校には最低限気をつけてほしい情報を端的に伝えるだけでよい。

【就職】
遺伝性の心臓の疾患がある知人が健康上の就職に苦戦。

確かに不利益はないとはいえない、その時代の疾患理解、イメージにもよる。

気になることへの答えは出ましたが、その他に新たな学びも!

そもそも、私自身がネガティヴに捉えていると、今後よくない。
当事者とそうでない家族で軋轢が、遺伝疾患を持つ家族で起きやすい。

まだ夫が置いてけぼりになっているのが、気になる。
まだ術後ということもあり、受容が進んでいないので、今は静観の時期だが、いずれ夫婦で足並みを揃えることが必要。

遺伝診療医の先生いわく、時々、こちらに相談に来てもらって、だんなさんと息子さんに向ける意識のバランスを取るようこちら微調整しますから(笑)とのこと。

確かに私はワーワーここでアウトプットさせてもらい、遺伝カウンセリングにも行き、当事者ではないからこそ、無邪気にできていること、夫は全く本音を吐き出せていないな…と…。

一番シンドイ時期だとは言っていただきましたが、私もまだまだ、受容が進んでいない段階だなーと。
何ら気づかず、気にせず、暮らしてこれた夫
これから色々制限しながら生きていく息子
この2人の差を受け入れられていません。

未だに、牛乳飲んだから、バレーボールをしてたから背が伸びたと言う義母に、同じマルファンの息子を持つ母として、妙な気持ちになってしまいます。

これまでマルファンの心配をすることなく育って、タイミングよく手術に導くいい嫁もらえて、いいよな〜、それに引き換え、私はこれから息子の心配をし続けなくてはいけないという、変な嫉妬?僻み?結局、自分の大変さしか、まだ考えられて いないのです。

そして、気づかなければ、普通に暮らせたかもしれないのに、私が余計なことに気づいたために、色々気にして生きていかなくてはいけなくなってしまった罪悪感が、未だに拭えず…。

でもどうやら親の私が遺伝疾患であることを隠したいという意識を持つことは、息子の今後の成長や、疾患と共存するアイデンティティーの確立のために、非常によくないらしいのです。

まだまだ向き合いきれず、あわよくばこの現実から逃げ出したい、なかったことにしたい自分に気づかされました。

でも、どう転んでも当事者にはなれないのだから、私は私で、配偶者の妻と母として、先に予習して、ジタバタして、できる現実的な地ならしをしておくしかないし…と前向きな気分にしてもらいました。

あとは、夫なり、息子なり本人が受容して乗り越えてくれるしかありませんね。
考えようによっては、わかりやすくプロの協力の得やすい子育ての課題です。健康だけど、何かとぶつかる娘を育てる方が日々悩ましいし…ホントはどこかに相談したいくらい。

ただし、やっぱり息子、いつ手術することになるにしろ、心臓のことは就労のネックにはなるはずだから、肉体的でない、独立できる職能を身につけるようには、こっそり促していこうとは思ってます。

(どうしたらできるのか、皆目見当つかないけど…)