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23.心持ちの設定

夫と息子がマルファン症候群とわかり、今は普通に暮らせているけれど、健康上のリスクがあることを突きつけられ、どういう心持ちで過ごしたらよいのか、心配のボリュームをどの辺りに設定したらよいのか、常に悩んできました。

そのことで、どうしてもモヤモヤザワザワしてしまう心を受け入れ難く、そんな心配がなかった頃に戻りたい…とか、いつか受容できたらスッキリサッパリするんじゃないか…とか考えてきました。

でもどうやら、マルファン症候群による急変の不安はおろせるものではないようなのです。背負っているのが当たり前になる、日常になる…そういうことのようだ…と最近やっとわかってきました。

先日、5年生になった息子が強い胸痛を訴えました。

10代の痩せ型男子なら気胸が1番可能性が高そうですが、大動脈解離もなくはなく…。

救急車か、車で救急外来か。最寄りか、いつもの病院か。娘を駅まで迎えに行くことになっていましたが、TAXIで帰るように連絡するか…などなど頭をフル回転させて考えました。

結局、呼吸状態など確認し、消化器系かもしれず、様子を見ることにしました。

居住の市内には総合病院がないので、救急車は近隣の市まで運ぶことになっています。例え無駄足でも、基礎疾患もあるので、早めの判断が必要となります。

マルファンが遺伝していない娘の場合とは、同じ症状でも判断は異なります。

2020年の現在、夫と息子がマルファンとわかって6年が経ちました。

そうか家族に2人突然死リスクの高い人がいる生活は、緊張度が高いんだな…と感じました。知らず知らずのうちに、朝起きると、生きてるかな?
1人残して出かけると、死んでないかな?と思っている自分に気づきました。

コロナの影響で、各自、別々の部屋で寝ることにしてしまったのですが、その日の夜は、息子が急変しないか心配でした。ベッドを買って模様替えしてしまったので、隣で眠るところがありません。

最近、中途覚醒が続き、寝不足気味。また眠りが浅くなりそうだ…と思いつつ、何度か息子の様子を見に起きました。

私は、家族優先にすべく、この6年、遠出はせず仕事をグッとセーブ&職住隣接にしていましたが、やっとチャンスが巡り、仕事に邁進できてきたところでした。こういうことがあると家をあけることが不安になります。

とはいえ今後1人で家計を支えることになる可能性も高いので、仕事もがんばっておかねば…というジレンマもあります。

母とは弱いもので、子の命の危機に瀕するとオタオタしてしまいます。

でもまたもやラグビーに救われました。ある選手の言動を観てハッとしたのです。もう不安ベースで行動しないって決めたのを思い出せました。

突然死しやすいからって、ずっと見張ってられるわけじゃない。冷静に人事は尽くしてる。天命は変わらないなら、自分の人生をちゃんと生きる。

自分で不安に溺れないようにしようと心に誓いました。

日記を振り返ると5年半前、まだわかって間もない頃も、心持ちの設定について悩んでいました。

当時の日記から…モヤモヤの春


沈殿していた泥水をかき回したような感じで、どうもモヤモヤザワザワしてテンションが落ち着かないので、クールダウンに今日はたくさん歩いてきました。

なんかすっきりしなくてザワザワする〜!

病気のことは、たくさん備えて環境を整備したら、いつかスッキリ不安がなくなる日が来るような気がしていたけど、それは違っていて、気づかなかった時のような病気による不安がゼロの状態には戻れないということに気づきました。

そして、遺伝疾患をもつ家族の成長の雛形のようなものがあって、その一年生になったみたいな感じでもないな…と。

そこにどっぷり、はまりたくないというか、それは我々の人生の一部でしかないし、一部でしかあってほしくないな…と。

何だかこの先には、色々ありそうではあるけれど、これ以上予習するのもイヤなので、ここ1年くらいの目の前のことに、その時その時に、自分の勘を頼りに進んでいくしかないな…と。

悩んでも答えが出ないことは、どっちでもいいってことだ!

そんなことより、いつ何があっても後悔しないように毎日を家族でなるべく楽しく暮らすことにエネルギーを注ぐぞー!

とモヤモヤやさぐれながらも、そんな考えだけは腹の底から湧いてきました。

そういえば、春は陰陽の切り替わりの時期で、モヤモヤするんです(笑)

毎年忘れるけど…東洋医学って真理をついたなかなかいいこと言ってるな、と毎年思います。