どーも皆さんARachnidです。さて、今回は私が書いているUNDERTALEのAU(二次創作)であるSECONDTALEについてお話ししたいと思います。 まずこの物語を書こうと思ったキッカケは、UNDERTALEを考察していてこんな考えが浮かんだからです。 「あれ?UNDERTALEって戦争に負けて地下世界に閉じ込められたモンスターの物語だけど。閉じ込めた側のニンゲンについて全く語られてなくないか?」 UNDERTALEは戦争についてモンスター視点では語っていますが、
アラクニドがベッドの上に再び寝転んでから実に1時間が経過しようとしていた。 でんでんむしは他の村民の家に遊びに行ったので今日一日不在。特にやることもなく、かといって二度寝をするでもなくただぼーっと天井を眺めていたのである。 「まあたまにはこういう日もいいよなぁ…」 そう呟き、この何でもない日を謳歌しようと体とともにマットレスに沈みかけた彼の意識は瞬間、鳴り響くチャイムの音によって呼び起こされた。 「あぁ?んだよ朝っぱらからうるせえなぁ」 居留守を使うのも面倒だ、しぶしぶ出てや
この世界には、答えが簡単に出せない問いというものが無数に存在する。 そして大抵の場合、人は「常識」という便利な言葉を用いてそれに答える。いや、答えた気になっているという方が正しいか。 「そうすべきだから」「当たり前だから」呆れた顔でそう言う。思考を完全に停止させてしまっているのだ。 当たり前だ。社会の大多数は今何不自由なく暮らしているのだから、わざわざ現状に疑問を持つ必要がない。 だから目を背ける。彼らの日常の裏にある犠牲から。 だけどあの日路地裏で君を見つけた時、
バ美幻村は大きな山の中にあるのだが、その隣には更に大きな山がある。木々がうっそうと生い茂り、時折熊とかも出るらしい。 そんな山に俺は来ていた。毎年そうであるように、俺はこの日になるとここに来る。 今日は7月17日。俺の誕生日。といっても俺にはもう年齢なんてあってないようなものなのだが。 「相変わらず景色は綺麗だな。」 ここからはバ美幻村が見下ろせる。俺とメタレミソが二人で始めた村。俺の居場所。そして...彼女が愛した場所。 「もうお前が死んでから何年経つのかすらわか
「さて、帰宅だ帰宅だ。」 「そーですねー。今はゆっくり休みたいです。」 久し振りの我が家に心が踊る。 あんちゃんが家に来てから数ヶ月後のことだ、私とでんでんむしは温泉旅行に出掛けた。二泊三日の小旅行だ。 「まさか帰りがこんなに遅くなるとは。もう少し早く宿を出るべきだったかな...。」 「まあおみやげいっぱい買えましたし。明日配りましょー。」 「そうだね。」 ドアを開けると中にはひのでと汚泥が待っていた。 「お、やっと帰ってきた!」 「お帰りなさい!」 「や
朝はいい。静かで心が落ち着く。早ければ早いほどいい。あいつらが起きてくると五月蝿いどころではないから。 私の名前はアラクニド。ここバ美幻村の住人だ。といっても他の住人と関わることはあまりない。家にいることが多い。騒がしいやつらが多いこの村では家が一番落ち着くからだ。 「アラクさんおはよーです。」 「やぁでんちゃんおはよう。今日も早いね君は。」 この子はでんでんむし。かたつむりの擬人化...?のような見た目をしている。(時々かたつむりの見た目にもなる)さ迷っていたところ
ここは天上領域(ロスト) この世の理を越えた場所 アラクニドがたどり着いたのはそういった場所であった。そして彼に出会ったのも。 「そこにいるのは誰だい?」 アラクニドは、この空間に自分以外の者がいることを信じられなかった。神になることで立ち入れた領域に、他者がいるなどと。 「やあ!僕はインク!!はじめまして、よろしくね!!」 「ん?あ、ああ...。」 (インクだと...?) その名前は昔から知っていた。昔一度だけ何かの文献で目にしたことがあったからだ。 「イ
みなさんは、Vtuberというものを知っているだろうか? Vtuberとは、バーチャルなユーチューバーのこと。つまり現実世界からではなく仮想世界から動画を投稿している者達である。 しかし彼らも動画外では現世の人間。普通に生活を送っているのだ。 ここに一人のVtuberがいる。名はハーフエルフの良夫。野球とエロゲが大好きな自称332歳の美少女(実際にはアラサーのおっさんだしそれを隠そうともしてない)だ。 これは、彼が社畜ライフを満喫していたある日の出来事である。 「は
「ぐあああっ!!!!」 「!?ニア!!!」 ボギッという鈍い音が響き渡る。 「貴様ら程度が、私に勝てると本気で思っているのか?」 ニアの蹴りを受け止め、そのまま軽く捻る。もうこれで足は使い物にならないだろう。 「まだ続けるのか?」 「「当然だよ!!」」 飛びかかってきた仮面とくまねこの攻撃を全ていなす。 流用転送 『アグニの神』 「ひれ伏せ!!!」 「なっ!?」 「がっ...!!」 めり込む程の勢いで二人は地面に叩きつけられた。 「ーーーーーー!!!
「それで?君はどうしたんだい?」 「決まってるだろ、そいつの顔面ぶん殴ってやったんだよ。いやー傑作だった。殴られたときの顔ときたら!」 「ンフフ、想像するだけで笑えてくるね。」 ここはバ美幻村...ではなく、村の外のレストランである。メタレミソは、シュヴァルツと共にレストランに食事に来ていた。 「いやーしかしまさか食事に誘われるなんて思ってもいなかったよ。」 「だってパパ誕生日でしょ?たまには贅沢もいいもんだよ。」 「それもそうだね。」 夜の街に雪が降り始めた、
ある日のことである。汚泥人形がアラクニドの家にやってきた。 「ちーっす。リーダー!来たよー!」 しかし返事はない。 「あれ?お留守?」 するとカチャンと鍵が開く音がして、扉が開いた。 中から出てきたのはでんでんむしだった。 「アラクニドさんなら出掛けてますよ。」 「あちゃー。タイミング悪かったか。」 「......中で待ちます?」 「そうさせてもらうわ。」 汚泥は中に入るとテーブルの側の椅子に腰かけた。 「ふぇぇ。疲れたー。リーダーの家割と遠いから来るの
アラクニドが家を飛び出した後、残されたひのでは言われた通り家に残っていた。 「大丈夫かなぁ...でもここから出るなって言われたし...。」 ふと横を見ると、いつの間にかでんでんむしが座っていた。むしゃむしゃとキャベツを頬張っている。 (本当にキャベツ食べてるよこの子...。でも可愛いな。) 「ねえ君。ここに住んでるの?」 でんでんむしは顔をあげた。 「はい。ここに置かせてもらってます。」 「へえ、そうなんだ。以外だな。」 「以外?」 「いや、アラクニドさんっ
かつて私は、この世界の存在意義がわからなかった。 この幻想の世界は、私が住むような所ではない。私は現実世界に生きるべきだと、そう思っていた。 一度、この世界をすっきり消してしまおうかと考えたこともある。 あの子が私の前に現れたのは、そんな時だった。 ある朝家を出た私は、家の前に誰かが倒れているのを見つけた。 (あれは子供...?何故こんなところに?) 近づいてみると、どうやら本当に子供らしい。しかも人間ではない。 「おーい。おーーーい!大丈夫かい?」 「ん..
ひのでを家に入れた私は、さっそく本題に入った。 「ひので、実は君に頼みたいことがあるんだが...。」 「頼みたいことですか?」 「ああそうだ。君にしかできないことだ。頼んでもいいかね?」 「えっ、いやその私なんかにしかできないことなんてないと思うし私はただここに本を返しに来ただけであって頼みなんてそんな...。」 「落ち着きなさい。そんなに自分を卑下するな。なに、案ずることはない。簡単なことだよ。」 「な、なにをすればいいんですか?」 「ひので、君にはメタレミソ
これは数日前のことである 「やあニア君、よく来てくれたね。」 「どうしたんすかおじさん。こんなところに呼び出して。」 メタレおじさんに呼び出されて俺が来たのは、村外れの小屋だった。 「ここは私の勉強小屋でね。日夜色んな書物を読み漁っているのさ。」 「流石ですね。俺には到底できそうもない。」 「まあ私も楽しいからやっているだけだがね。それで先日こんな書物を見つけた。」 おじさんが取り出したのは分厚い本だった。 「うわっ、読みたくねー。なんですかその本。」 「こ
電車はガタゴトと音を立てながら森の中を進んでいた。まだ目的地には着きそうにない。 「ペテンさん。」 恐る恐る話しかけた。 「ん?なんだ?」 「次の試練官ってどんな人なんですか?」 ペテンは窓から目を離すとフリスクの方に向き直った。 「...知りたいか?」 フリスクは重々しく頷いた。 「次の試練官は護衛軍隊長兼第五分隊隊長、シャドウ=ルクシオって男だ。」 「なんだか凄い肩書きですね。」 「凄いのは肩書きだけじゃない。実力も隊長に相応しい強さだ。王を除いたら間