『不動産業者の出来事14』

『暗黙知』
不動産業に関わらず、全ての業務において暗黙知の技術は存在する。

この暗黙知とは、経験的に使っている知識だが簡単に言葉で説明できない知識のことで、経験知と身体知の中に含まれている概念。
との事。

暗黙知に対するのは、言葉で説明できる形式知という。

暗黙知としての身体動作は説明しにくいが、形式知では認識の過程を言葉で表すことができる。との事。

さて、以前勤めていた企業に経営コンサルが業務改善として参画してきた。

彼らは業務の可視化が重要だという。そして『人に仕事をつけず、仕事に人をつけるのだとも言う。』20代のMBA資格を持った経営コンサルが、あたかもその理屈が完全であるかのように胸張り高らかに叫ぶ。

他の業界は知らぬが、その理屈で言えば、誰もが営業をできるという事になる。
同様に誰もが経理をできる事になる。

はっきり言って机上の空論で馬鹿野郎の戯言だ。

人間には特性がある。そもそも人と関わることが好きでない。もしくは興味が無い人も居る。
一日中椅子に座った仕事が好きな人と、ウロウロ活動していないと身体が疼いてしまう人もいる。

『人に仕事をつけず仕事に人をつける』などという概念は、人の特性も理解できない無能な理論で、且つ人間を機械のように枠にはめ込み、意思なき仕事をさせようとする人間の考えだ。

私は思う。人間に仕事をつけるのだ。得て不得手があるから互いを認めあえるし、感謝という気持ちが湧いてくる。

向いていない仕事を教わっている者からしたらストレスしか無い。

向き不向きは、教えた相手が、先の暗黙知を感覚的に自分に取り込むことができるか、によって判断できる。

運動では、人の動きを自分の身体で簡単に再現できてしまう人がいる。

私見だが「教える、教育」などは余り効果がない。向いている人を、できる人のそばで仕事を指せれば良い。

そこで解る事がある。
何もできない奴は、そもそもやる気がないという事に。

暗黙知を取り込もうとすれば、自分なりに工夫がある。工夫の仕方は、ある程度形式知として伝えるが、本質は暗黙知である。

少し短絡的かもしれないが、稼ぎたい人は稼ぐ努力をするし、そうでない人は必要以上の努力をしないのだと、私は思う。

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