『不動産業者の出来事21』

『何故ですか?』

今日は夫の母(祖母)の代襲相続のご相談。

妻は相続人ではないが、スタートから興奮しており、同行した相続人の次女は私と母親のやりとりを冷静に聞いていた。

遺言書があり不動産は貸地が殆ど。
不動産の評価は路線価と異なる事、遺留分の説明をした。

要は、相続の総額と自分の権利を知りたい様子。

細かい説明をしながら、依頼者の母親は、当初より「決めつけ」系の方で「揉めそうだなぁ」と感じたので、

「自分が感じた事は伝えても良いですが、決めつけたり、良い悪いの判断を言うのは揉めてしまう可能性があるため、避けた表現をする事を勧めます。何より争わない方が良いですよ。」とアドバイスした。

冷静に話しを聞いていた次女が、母親が離席した隙に「争わない方が良いのは、何故ですか?」と。

『弁護士は、争うことを勧めるかもしれない。貴方の権利だし弁護士の仕事だから。でも争いが暮らしの大半を占めてしまったら、争い中心の人生になりかねない。

その為に周りの人を信用できなくなったり病に掛かる人も多い。

金額に対する価値観も、争いに対する価値観も人それぞれだけど、私は1,000万程度のお金で争う事を勧めない。』

次女の表情が少し穏やかになり、私の気持ちが伝わったように感じた。

今回のケースでは、金銭の多寡ではなく、夫の父の相続時やその後の関わりあいに対して、母親の不満があった様だ。

その母親の思いに答えようと次女も、初めは負の空気感が漂っていた。

オーラが見える訳ではないが、ネガティブな気の波動は伝わる。何より、この手の相談は相当のエネルギーを消耗する。

不動産の調査やコンサルの費用を聞かれたが、辞退したい案件。(でも概算費用は伝える)

美味しいもの食べてエネルギー充填しよ。^_^

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