『不動産業者の出来事20』

『マッチング』

以前、マッチングビジネスをしているという若い子と話しをする機会があった。

私もコンサル業務の中で士業を紹介する事があるので、興味があり、どのようにビジネスになっているのかを聞いてみた。

初めは体の良い事を言っていたが、深く突っ込んで聞いて行くと、しどろもどろになる。

簡単に言えば、客を紹介して小遣い程度の紹介料を貰うのだ。

ところがその彼自身がマッチングビジネスのカモにされ、相場の倍の価格で不動産を購入、融資は違法融資、更に、投資サギの損害を補填する借入はリホームローンにすり替わっていた。

又、マッチングビジネスを目指す、年金ワーカーも多いが、その人脈の幅の狭さに辟易する時がある。

「君の役に立つから」「チカラあるから」と、自分の知り合いを紹介するだけ。
それも頭の上がらない関係の人物なので、相手の事務所に連れて行かれ、訳もわからない自慢話を延々と聞かされ、時には手下にされそうになる。

その様なマッチングをしている人と友好なビジネスに発展した事はない。

私は有効なマッチングには二通りしかないと思っている。

①マッチング者は自分の信用によって人を集め、後は参加者達が自由に関係を作るのを、管理人的に見守るケース。自由な関係なので皆んなhappy
(管理人が変わると先の年金ワーカーのマッチングに変わってしまう時もある)

②マッチング者が双方の性格、仕事の課題、観念、その効果を想定して、ダイレクトに二人を引き合わせ、その後のトラブルもしっかり関与するケース。成果に繋がるのでwin-win-win

私の場合は②が多いのだが、お客様に紹介する士業(特に弁護士)の選択はとても苦慮する。

コンサル事案は、最終的に絶対的正解ではなく納得解を求める事になる。

仮に絶対的正解に辿り着いたとしても、その過程で納得できなければ、納得解は満たされず、気持ち良く報酬を支払って貰えない事が多い。

よって単に仲の良い士業に何でもお願いするという事ができないケースもある。

ある公認会計士が、『士業は免許取れば基本能力は皆一緒。だけど、お客様は、その資格者の人間的特性や観念を観て依頼する。それは士業に限らず、どんなビジネスでも一緒。資格とっても食えないのは、お客様のその考えを理解していないからだ。』
とサラッと話していた。

確かにその通りと腹に落ちた。

昨日、お客様を紹介したく弁護士に連絡したところ「堀田さんの数多い弁護士ネットワークから私を選んだ理由を教えて欲しい」と言われた。

私が思うその弁護士の特性(強み)をストレートに述べたところ、爆笑しながら快諾して頂いた。

強みは弱みにもなる、選択を間違えるとお客様からのクレームになる事もあるが、強みのままの場合は絶賛になる。

法律家をマッチングだけして報酬を得ると法律違反になるので報酬は取れない。

今回は弁護士にバトンを渡し、私の役割が終わるが、最終的に弊社の理念にマッチする事が今回のマッチングの報酬と受け止めたい。

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