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美少女だけじゃない!遊戯王11期に活躍した顔の良い男性陣の魅力【遊戯王Advent Calendar11日目】

 この記事はキャベツさん(@mtbambooygo)主催遊戯王 Advent Calendar 2023企画 11日目のものとなります。前日はレオーネさんの「記事タイトル」でした。

はじめまして。なおと申します。普段は一応OCG/MD両方を嗜んでいますが、最近は専らMDの比重が強くなっている名ばかり兼任プレイヤーです。このたびキャベツさんとのご縁もあり、参加させていただくこととなりました。

はてさて今年はOCGで11期が幕を閉じ12期がスタートする節目となる一年でしたね。MDでも《開かれし大地》が実装されたことで、本格的に11期の終わりが近づいてきました。一つの時代が終わり、新たな時代が始まるこの年に、あらためて11期のカード1枚1枚に焦点を当ててみたいと思います。

どんなカードを題材にするか

そうは言っても毎月のように新たなカード・新たなテーマが供給されるOCGのすべてのカードを見ることは現実的ではありません。そこで今回は「可愛いテーマ」「格好良いモンスター」の二大巨頭に押されがちな「顔の良い男」をテーマとします。

ビルドパックに常に女の子テーマが含まれるようになって久しいように、今や「かわいい女の子が戦うデッキ」は遊戯王のメインストリームになりつつあります。ただ遊戯王にはそれと同じくらい魅力的な男性のモンスターも多数存在します。

11期後期の衝撃により、レイノハート以外の男性モンスターの存在の記憶を失った人も多いハズ。そこで今回は、そんな男性陣にフォーカスを当ててみることとします。11期を大きく1年ずつに区切りながら、軽く環境や新弾の話を交えつつ、その年に刷られたカードを紹介していきます。

追記: 余談ですが8日目のくらくさんも気持ちが入っていて観測範囲に男子推しが増えて少し嬉しい気持ちになりました。

11期1年目 『RISE OF THE DUELIST』〜『エンシェント・ガーディアンズ』

11期の始まりとなった2020/04環境から2021/01環境。私自身の遊戯王復帰時期でもあり、かなり思い入れのある一年です。マスタールール(11期)施行のこのタイミングで復帰できたのは幸運でしたね。環境では中速環境から超高速環境までゲームスピードが目まぐるしく変化する一年でしたが、ある意味より多くのデッキに活躍の機会があった年とも言えそうです。MDでいうと「ストルワート・フォース」環境に当たりますね。

2020/07 PHANTOM RAGE『鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ』

最初の一枚は PHANTOM RAGE から『鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ』です。言わずと知れた鉄獣戦線のリーダーであり、トーナメントレベルの採用カードだと一生素顔を見せることがない男です。

本記事唯一の年長者キャラクターとなる彼ですが、彼の魅力は総合力にあると言えるでしょう。

まずはキャラクターから独立した衣装の部分から。これは鉄獣戦線全体に言えますが、教導国家との戦闘に備え準備されたその武装からは、スチームパンクの雰囲気が随所に感じられ、強い浪漫を感じられます。機能美がデザイン性の魅力へと変貌するという事実がここに現れています。

また、BucephalusⅡ含めシュライグのイラスト単体からは見ることができない素顔ですが、関連カードにおいてはたびたびその姿を見せることがあります。

例えば鉄獣の凶襲ではフルルドリスと相対した時の戦場における様子が

鉄獣の血盟ではアルバスとエクレシアの合流後の一時での姿が見られます。

決して表情が豊かなわけではない彼ですが、しっかりと人間(?)らしい一面も垣間見えますね。

そんなシュライグですが、その魅力はシナリオにおける役割と言えるでしょう。物語の中で主要メンバー以上の実力を持つ早期加入するNPCとしての役割が彼には与えられています。

烙印ストーリーは王道ファンタジーらしきライトノベル展開が行われており、ボーイミーツガールにり物語が始まりますが、彼らの旅は実にゲーム的であり、非力な少年少女の旅立ちを支えるための要素が散りばめられています。その一つがアイシャの冒険におけるナイトハルトのような存在、シュライグの存在はまさにそのものでしょう。

こういったキャラクター像は取り扱いを間違えた場合、ともするとご都合主義と批判されかねない要素であります。ですが各種族のはみ出しものが寄り添って結成し、一度は平和を享受。その後に閉ざされし大地を切り開くために立ち上がり、前へと進む彼にとっては、アルバスとエクレシアの旅路を支えるのは必然とも言えるでしょう。

一点残念な点があるとすれば、「開かれし大地」のイラストで生存が確定したところでしょうか。己が信念のもと戦い抜いた男の姿に平和な姿は些か似合わない部分があると感じてしまいます。BucephalusⅡによる命を賭した最大の一撃が功を奏するが、本人は……という結末を望んでしまわずにはいられません。欲張りであっても。やはりシュライグのような男には、道半ばで誰かに想いを託して貰いたいところでしたね。

『鉄獣の咆哮』を見た時に改めて感じましたが、彼には何よりも、緊迫とした表情が似合いますね。青年からイケオジへの姿が変わる頃の人間は、苦しむほどに美しさを増していきます。

キャラクターデザイン、物語における立ち位置、生き様全てが魅力的なキャラクターであり、年長者のイケメンという非常に良い立ち位置のキャラクターではありますが、少しばかりの勿体無さを感じてしまう、そんなキャラクターとして私に写りました。

そんなシュライグの物語の始まりの一枚をピックアップさせてもらいました。

2020/10 SELECTION 10『クロノダイバー・リダン』

下半期からは再録枠の《クロノダイバー・リダン》の存在も見逃せません。

2022年に弾けたことでもはや11期終盤を代表するエクシーズモンスターとなりましたが、元々カジュアル御用達カードでもありました。そんなリダンですが、今もしっかり愛されるカードとなっているのはひとえに彼が美形であるからに他ならないでしょう。ティアラメンツの誘発受けを支え続け、ランダム要素で上振れをもたらした彼ですが、顔の良さによって全てが許されています。

キャラクターデザインと海外初出時のカード名が「Time Thief」であることからも明確な通り、イケメンで正義の怪盗という言ってしまえればそれなりにありきたりな設定かもしれません。黒羽快斗……と言うよりは雨宮蓮というのが正しいでしょうか。心さえも盗むような美形の怪盗自体は数あれど、それを遊戯王のトンマナに沿った上で高い水準でキャラクターデザインに落とし込まれていることに感銘を受けます。

さらに Time Theif らしくアンティーク調が取り入れられた衣装や背景も素晴らしいですね。一見奇術師か?と思うような奇抜な色調の服装を着こなすことができるのは、彼の顔立ちがあるからこそできることでしょう。

イケメン×怪盗らしさ×遊戯王らしさが相乗効果を生んでおり、デュエルシーンでも相手のデッキトップを盗んでいくフレーバーに満ちた活躍をしてくれることから、X召喚するたびに心が躍るカードです。

後から刷られた新規はパーペチュアがフィーチャーされているカードがほとんどであり、リューズ含めた男性陣の新規がダブルバレルくらいしかないのが残念なので、いつか実用的な新規で新たなリダンの姿を見せて欲しいものです。

デザインに一目惚れして初めて英語版をシングル買いしたカードだったのですが、気がついたら環境レベルで素材を外し続ける存在になってびっくりした一枚でした。ティアラメンツを使うことなく22年環境を遊んでしまいましたが、折角の機会なので使ったら良かったと少しばかりの後悔もある一枚です。

2021/02 PRISMATIC ART COLLECTION『召喚師アレイスター』

11期1年目を駆け抜けた存在として、もう一枚再録枠から【召喚ドラグマ】で活躍していた《召喚師アレイスター》も紹介したいところです。

このカード、顔を含めた容姿全てが良いですよね。知的でスマートさが随所から漂う落ち着いた佇まいには、全ての人間が虜になってしまうのではないでしょうか?背景ストーリーを考えると当然のことですが、安易な笑顔を見せないところも素晴らしい。

魔術対象アレイスターと言って手札に回収している傍らで、アレイスターとともにメルカバーになるアルテミスやセキュア・ガードナーを羨ましく思ったことは一度や二度ではありません。みなさんも一度は召喚魔術で一緒に除外されたいと思ったことはありますよね?

OCGの男性陣は少年と青年で明確にトーンを分けている印象があり、青年は男性的な強さや格好良さをフィーチャーされがちな傾向にあります。もう少しシンプルに表現すると、肉食系男子のイラストをしたモンスターの比率が圧倒的に高い特徴があるように見て取れます。

そんな中、ここまでそう言った男性性を強調される要素が排除されたダウナー系という存在が稀有な存在であり、そしてそのあまりにも高い解像度から繰り出されているキャラクターデザインは、本当に9期(2016年)に刷られたカードであるか疑ってしまうほどです。

ストーリーにおけるアレイスターの前身に当たる《法典の大賢者クロウリー》は一定ステレオタイプなOCGの少年像を表しているような印象を受けます。そんなクロウリーから彼から目のハイライトを奪いさり、そのまま成長させたような形となっているのもグッとくるものがありますね……。

この特有のキャラクター性が「召喚獣」というテーマの主役でありながら、始まりの物語たる「マギストス」のサブキャラクターから生まれた正当なるスピンオフ感に繋がっているのもたまりません。マギストス自体も11期1年目「ジェネシス・インパクターズ」で新規追加されたテーマですし、主人公らしさが薄いキャラクターデザインが、11期の背景ストーリーでより強化されたことで魅力が強まった一枚ですね。

顔の良さだけでデュエルリンクスでもバレットネオスを使っていましたし、顔だけでプリズマを揃えてしまい、LL人気だし超雷立てたら勝てるやろと召喚サンドラをCSに持っていくことになったり、このカードには何度もデッキ選択も財布も破壊されてきました。

11期2年目 『DAWN OF MAJESTY』〜『エンシェント・ガーディアンズ』

VFDの制限から始まった2年目。21/04環境でも暫くはトーナメントシーンが変わることはなく、十二鉄獣、VFD電脳が活躍しつつ、規制の後は幻影勇者が、最後はデスピア(現烙印)で締められた1年でした。特にブラック・マジシャンや青眼をはじめとしたアニメテーマの強化や烙印ストーリーの進化が多かった1年でもあり、ストーリーに依存しないOCGの新規テーマ自体はあまり目立ったものがなかった印象です。「魔鍵」あたりはメインストリームとは別にストーリー性を持たせつつストラクチャーズなどメディアミックスを絡めようと挑戦した痕跡もあり、後に続く「世壊」の前身とも言えそうな準備の1年ですね。

2021/12 ALBA STRIKE『凶導者アルベル』

そんな21年からは、今回唯一のストラクからの枠として『凶導者アルベル』を紹介します。

21年のQ4を牽引した烙印(当時はデスピア)を生み出した ALBA STRIKE ですが、ここで DAMA から登場していたキーパーソンであるアルベルの素顔が判明しました。当時のTLは「二人の聖女」のトークンが人気だった印象ですが、私はこのカードの存在で一気にアルベルを魅力に感じるようになったことを今でも覚えています。

これまでもアルベルはそのもののモンスターカードや赫の烙印などでその姿は何度も映っていましたが、常に仮面をつけていることからその素顔を知る機会はありませんでした。そのため、正直「よくわからんピエロ」とずっと思っていたのですが、そんなキャラクターがいきなり可愛すぎて格好良すぎる美少年だったことが判明したのです。

「光を嘲り、闇をも欺く。」って何?全てはアルベルの掌の上ってこと?美少年にみんな弄ばれているの?不敵な笑みは全てがアルベルの思惑通りってこと?その顔で表面上は対話してくれながらも心のなかでは心底見下していてほしい……。そんな感情でいっぱいになってしまいました。

これまで「正直ストラクのトークンって需要あるの?」と思っていたところが一変、アルベルトークンが欲しすぎてトークンガチャに参戦することとなりました。

はてさて、カードイラストに言及を戻すと、このイラストを通じて、アルベルに真っ当な人の心や倫理観がないのが伝わってくるところが素晴らしいですね。この笑っていない笑顔がそれを強く物語っています。

仮面を外したその姿を見せてくれるのも、きっとその瞳の先にいる者が何もできないことを理解しているからこそ。全てのものをくだらないと一蹴しつつ、自由気ままに自分のやりたいように動こうとする彼のスタンスが伝わってきますね。

敢えてそのような描写こそ本編ではなかったところですが、自分の顔が良いことも、少年性が武器になることにすらも自覚的で、恐らくそれを活用できる時があれば無感情に使い、人を惑わせるであろうことすらも容易に想像がつきます。

舞台装置のようにシナリオを進めるために作られたキャラクターのように見られていた姿の見えないピエロが、その実真逆のゲームマスターにすら近い立ち位置になりうる存在であることを理解させてくれる笑み、100億点とさせていただきます。

このイラストにはアルベルトークンを使いたいというだけでやたらと高騰していた水遣いを購入した苦い思い出すらも忘れさせてくれるほどのパワーがあります。

間違いなく「ネームドキャラだけどモブ」レベルであったキャラクターがシナリオの中核であることを印象付ける1枚でしょう。公式のデュエルで使用できないカードを含めて良いのであれば、間違いなく11期の最高傑作と言えると考えています。

このカードの圧倒的な魅力ゆえに21年の他のカード評は霞んでしまうため、ここではこの1枚だけの紹介とします。リンクダルクとかも初期の闇霊使い感あって良いんですけどね……。

妖艶な少年というカテゴリは12期以降も是非刷ってほしいところです。

11期3年目 『POWER OF THE ELEMENTS』〜『エンシェント・ガーディアンズ』

最後は22/04〜23/01環境。終わってみればすっかり「ティアラメンツ環境」という印象が強い一年でしたが、12期を迎えてから評価されたカードも多く、今になって思い返すと二度美味しい一年だった気もしてきています。

2022/07 DARKWING BLAST『烙印の獣(アルベル)』

そんな22年環境の1枚目は烙印の獣です。今回唯一の罠であり、2回目のアルベルですね。

アルベルのアルベルらしさについては直前に十分言及したので、イラストと効果から感じられる確かなフレーバーに想いを馳せたいところです。

何よりもまずは美脚。その一言に尽きます。アルベルは女の子なんですか?これまでの男子特集はもしかして全くの検討はずれだったんですか?そう思わせるような圧倒的なスタイルの良さがここにはあります。

アルバスやエクレシア、アルベルなどの烙印ストーリーの主要キャラはティーンエイジャーであることに間違いないと思うんですが、少年が持っていては危険なレベルのスタイルの良さをしてしまっていますよね。少し昔の日本に生まれていたら大変なことになってそうです。

これまで引きの構図、ドラゴン形態、そもそも足が見えづらいポーズが続いていたのは、この魅力が全世界に拡散されることを防ぐためだったんだろうと確信できますね。珍しく目の前で起きている状況を楽しんでいるのが伝わってくるその表情からも、隠された魅力が詰まっているイラストになっています。

また、その効果もアルベルらしさが詰まっていますね。発動条件は「深淵の獣 ルベリオン」として深淵の獣である自身が戦場にいることを前提としているのでしょうが、そこから自ら従えるドラゴンたち全てを道具として扱っているような、冒涜的な効果をしています。

トーナメントシーンでは【ドラゴンリンク】でヴァレット達が弾丸となっている(これもまたダブルミーニングで面白いですね)様子もたびたび見受けられますが、彼がことドラゴン族というカテゴリにおいても、一つ上位のレイヤーに位置する存在であることが印象づける効果となっています。

条件、コストの軽さ、コストの範囲の広さ全てにアルベルらしさが詰まっており、彼に対する解像度がより一層高まることでしょう。

②の効果は同時期に登場した復烙印を強く意識しており、カルテシアが関わる話なのでここでは割愛します。

兎にも角にもアルベルという少年の、これまで見せてこなかった魅力を存分に描きつつ、効果で深掘りの余地を残してくれる素晴らしい1枚です。

メタゲーム要因で使用しているデッキではあるものの、MDで私が【ドラゴンリンク】を使い続けられる大きなモチベーション要因の一つでもあります。

2022/10 PHOTON HYPERNOVA『クシャトリラ・ライズハート』

2枚目は3ヶ月間だけこの世界の未来の姿を見せてくれた夢のパックである PHOTON HYPERNOVA から『クシャトリラ・ライズハート』をピックアップします。

「世壊」における第三のハートである彼ですが、ライヒハートに続く二人目の「一人称が俺」であろうことが確定している(?)ハートですね。余談ですがヴィサスは話すことがない、レイノは「私(カレイドは俺)」、リウムは「僕」であるはずです。

ライズハートは強い自我を持ちながらも、その運命に囚われていることがわかる表情を見せ続けるのが魅力ですね。

一見傍若無人に見える振る舞いも、自身が本当のヴィサスであるという自覚と、クシャトリラの尖兵を従える頭であることから生まれた後天的な立ち居振る舞いなのでしょう。

自在天などの他のイラストでも常に苦悶の表情を浮かべる彼ですが、そこからは常に大きな目的意識と、自身の行うべきことをこなす使命へ向かう意思が感じられます。

侵略兵器にシャングリラと名付け、「どこにもない場所」を求めて進み続ける彼の様子がイラストから強く現れており、「怒り」の感情が増幅された存在でありながら、その怒りの矛先に確かな理由が感じられますね。

ライヒハートは壁ドンしてときめかさせるタイプのオラオラ系オレ様系ですが、同じオレ様系でも、ライズハートは悪態をつきながら上着を貸してくれるような気高さを感じます。

こと「格好良さ」のカテゴリで言えば世壊ストーリーで首位であることが疑いないでしょう。

22/10環境では【クシャトリラ】を選択していた私ですが、その理由がライズハートの男性キャラクターとしての魅力と、アライズハートの機体としての魅力に惹かれてのことであったことは言うまでもありません。

ハートステータスとして仕方ないことでもありますが、このナリで1500/2100なのも素晴らしいですね。攻めの姿勢が決して本心だけのものではないことを表していそうです。

2023/01 CYBERSTORM ACCESS『マナドゥム・リウムハート』

最後は四肢をもがれてもなおイシズを取り込み新たな形態へと変貌を遂げるティアラメンツが暴れ続けた22年の残響が澄み渡る11期最後の2023/01環境、CYBERSTORM ACCESSにて生まれた『マナドゥム・リウムハート』を紹介します。

リウムハートの魅力は一言で表すと「優しいアレイスター」ではないでしょうか?1年目で紹介した通り、アレイスターはクールな青年像が魅力ですが、笑顔を見せないその姿は、臨んでいるものというより、自らが立ち向かう運命ゆえの余裕のなさであることが間違いありません。

そんな中、リウムハートの表情の安らかな表情、笑顔からは十分な余裕が感じられます。《伍世壊=カラリウム》のイラストからも分かる通り、彼は有事の際にはその瞳に力強さが宿り、時にはその鎧を身に纏い、問題を解決してくれるであろう頼もしさも見せてくれます。

もし彼と接することができる世界に生まれることができたのあれば、困りごとを相談したら、きっと笑顔で傾聴してくれて、しばらくの留守ののち全ての問題が解決しているであろうことは想像に固くありません。

素の顔の作りの良さに加え、確かな強さに裏打ちされた、優しさから滲み出る余裕と包容力がリウムハートの魅力と言えるのではないでしょうか?OCGの男性陣はそのストーリー性ゆえか基本的には戦う目や苦しい表情を見せることが多く、ポジティブな表情が見られるイラストはコミカル調のものがほとんどと言えるでしょう。そんな中、シリアスな世界にいてもなお余裕を感じられるリウムハートは、11期全体を通して唯一無二の魅力を持っていると言えるでしょう。

アレイスターの項でも言及した通り、そもそも青年という多様性に乏しいカテゴリの中でのリウムハートの特異性は、11期、ひいてはOCGとしても貴重な魅力であると考えられます。弱音を吐きたい寂しい夜にそばにいてほしい存在という立ち位置において、彼の右に出る者はいないでしょう。

このカードもまた、トーナメントシーンに持っていくことはなかったのに、イラストだけでプリズマを揃えてしまった一枚です。

おわりに

振り返ってみるとトーナメントシーンにそれなりに寄ったカード選定になった気もしますね。環境レベル以外だと「S-Force」なんかはかなり新規も多く、特に「オリフィス」は複数イラストで描かれていたりと魅力的なカードを見つけやすかったりしますが、期を通して描かれるストーリーがあるテーマのほうが、同じ/似たようなキャラクターが複数描かれることから刺さる要素を見つけやすいと感じます。単体性能ではトーナメントレベルのカードではないものはリダンくらいでしょうか。

12期はOCGでは準環境レベルの「破戒」から「破械神王ヤマ」なんかは相当グッと来るイラストをしているので、3年後似たような記事を書くときには、そういったカードによりフォーカスして紹介したいところですね。

ヤマ、めっちゃ良くないですか?少年の体に対して表情は完全に青年のそれであり、こんなん夢女にならないほうが難しいでしょうみたいなデザインをしています。

また、他の視点だと「やはりキャラクターの魅力は背景ストーリーによって肉付けされて完成するものである」というのもこの記事を通して伝わることなのかなと思います。きっかけは顔で良い、というかこのゲームにおいて好きになる要素なんて顔と効果しかないのでそれが正しいのですが、好きになったキャラクターを更に好きにさせるのは、付属する情報・設定に他ならないでしょう。

ヴァリュアブルブックはもちろん、そういった書籍を購入しなくても公式の設定画のポストなどで情報を得やすい現代ですので、ぜひお気に入りのキャラクターがある人は、一度そのキャラクターの周辺カードの設定をのぞいてみてください。

明日ははのちさんの「MDチーム活動を振り返ってレポ」です。マスターデュエルチームEXTRAWINの内容を詳しく見ることができそうで楽しみですね。

それでは。

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