2015年3月24日

すべては、Twitterのダイレクトメッセージから始まった——。
 差出人は、主演の佐藤玲。玲とは日本大学芸術学部の同期で、僕も玲も卒業を間近に控えていた。
演劇学科の玲はすでに蜷川幸雄さんの舞台に参加したりしてプロの道に踏み出していて、学科を越えて名前が聞こえてくるほどだった。
その一方、映画学科の僕は自主映画を監督する同期があまりいない中で映画を撮り続けていた。
特に接点もない二人だったから、最初ダイレクトメッセージが来た時は、新手の詐欺かそれとも卒業間近に「実は前から気になっていました・・・」みたな事かなど様々なパターンを色々考えた。
結果、「日芸の同期でなにか作品を作りたい」との事だった。
 僕は玲のメッセージに熱いものを感じた。僕自身も次の作品のきっかけを探していた。「やろう」と、玲のメッセージに返事をした。そこに、僕の自主映画の相棒でもある同期のカメラマン、武井俊幸を巻き込んだ。
 僕たちのまだ見ぬ映画の第一歩は、たった三人のささやかな幕開けを迎えた。

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