川島直人

川島直人

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  • 「高崎グラフィティ。」撮影日記

    「高崎グラフィティ。」が完成するまでの日記。 新人監督の苦悩と努力の2年半。

最近の記事

2017年12月15日

ついに、最終日。本日は、美紀の家である、吉川家dayだ。 美紀と父親・正晴とのシーン。年ごろの女の子って難しいよねと、若干お父さんの気持ちになりがら撮影。ここでも渋川さんが絶妙なアドリブで短いながらも印象深い父親役を演じてくれた。撮影終了。渋川さんも、クランクアップ!!! お疲れさまでした。  朝食のシーン。僕が本作の中で一番好きなシーンかもしれない。11月からという短い間ながらも、5人がお互いをちゃんと知ろうとして向き合って、距離が近くなって・・。まさに、この映画自体が彼ら

    • 2017年12月14日

      ラストシーンからの撮影。いつもどおり、まずは僕が段取りを伝える。それを武井が見てカット割りをする。そのカット割りは、まさにラストシーンにふさしい割り方だった。やはり、武井という仲間がいて、俺の映画が成立するんだと思う。  ネタバレになるので、映画をご覧いただくまでははっきりと書けないのだが、このシーンでは登場しないはずの渋川さんが重要な役割を果たしている。撮影前からそのことを理解してくれていた渋川さんは、「俺、あのシーンいるよな」と言ってくれていた。渋川さんは映らない。だけど

      • 2017年12月13日

        勝手に、“寛子day”と名付けた1日。「ハーブカフェ」で寛子のバイト先である喫茶店のシーン。寛子の原動力である結婚するつもりの店長とのシーンだ。喫茶店の店長ヒデちゃん役・川島潤哉さん、奥さん役の佐藤みゆきさん、クランイン。ヒデちゃんと寛子のイチャつきぶりはやりすぎかなと、一瞬思ったが、このあとのシーンを考えたら、これぐらいやっているほうが落差があっていい。浮気発覚シーン。カメラのタイミングも重要になってくるシーン。2カット撮って、最後に寛子のヨリ。「うわ、つら」って、純粋に思

        • 2017年12月12日

          「エルフレオ」で1日カフェバーのシーンの撮影。 店長役・JOYさんクランクイン。 クラスメイトのエキストラさんもたくさん来ていただいて、感謝。朝から、38度の熱があり体力的にしんどかったが、葛根湯お湯割でギリ回復。 制作部の内山が隣の薬局のおばちゃんから配合を聞いたらしい。さすが大学の後輩、心強い。9人が交わる芝居が思うようにいかない時間の方が長く、なんとなくモヤモヤした気持ちで時間いっぱいまで撮って終了。演出に悔いが残る。JOYさん、山元、狩野がクランクアップ。本当にお疲れ

        2017年12月15日

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        • 「高崎グラフィティ。」撮影日記
          24本

        記事

          2017年12月11日

          倉賀野の川辺シーンからスタート。夜明け狙いなので、まだ暗いうちから準備をはじめる。発煙筒も絡んでいるので、一発目から1カット長回しでいく。いい。いい。すごいみんなが自由に楽しくやっている。美紀、寛子、優斗、直樹、康太にしか見えない。日の出に急かされた部分があるが、グラフィックも無事終了。  移動して、井口モータースで優斗の家のシーン。優斗の父親役・戸田昌宏さんクランクイン。実際の整備をしてもらいながらの演技。無口だけど、するどい一言を言われてしまう感じ、キャラクターとしてはか

          2017年12月11日

          2017年12月10日

          撮休だが、午前中からまだ決まってない撮影場所のロケハンにいく。車の客観ポイントでいい場所が見つかる。その後、美紀の部屋の作り込みをチェック。絶妙な背伸びをしておしゃれにしてる感がいい。美紀をモデルにした子もきっとこんな部屋だったんだろうなと思いを巡らす。壁に掛かっているたくさんのイラストは、衣装の高橋さんが後輩から拝借してきたものらしい。  その後、駅前で降ろしてもらい、近くの「ガスト」で脚本直し。しかし16時ぐらいに玲から「話があると」連絡がくる。なんのことかなと思い、待ち

          2017年12月10日

          2017年12月9日

          「カワノオート」にて中古車販売所のシーン。今作で、僕的には一番気を使っていたロケ地だ。制作の高橋さんによると、結構、見つけるのに苦労したと聞いた。劇中の設定で、詐欺を働いてして会社というマイナスイメージにつながりかねないということで、どこもなかなか貸してくれないのだ。本番一週間前に、ついに制作部が候補を見つけて、ロケハンに行くと、休憩室、裏の作業場、二階の廃車置場と、どれも完璧。美術の必要がほぼないぐらいにイメージにぴったりだった。カワノオートさんはとても気前がよく、看板もそ

          2017年12月9日

          2017年12月8日

          上並榎運動場で草野球のシーン。失踪した美紀の父、正晴が所属していた草野球チームメイト役・前田ばっこーさんクランクイン。草野球チームも大勢のエキストラが入ってくれた。感謝。ばっこーさんの、優しいんだか、厳しいんだか、わからない絶妙にいそうな田舎おじさん感が良かった。最後に、音のオンリーを録る。エキストラの一人がスタートの合図とともにバットをものすごい形相で振りながら発狂していた。腹抱えるぐらい笑った。セカンド助監督の花輪さんが、「これが素人の面白さです」と耳打ちして来た。そうい

          2017年12月8日

          2017年12月7日

          朝、ホテルから出るときに館長から「楽しみにしてるよ!頑張って」と笑顔で言われた。 よし、今日もやるかと、気合を入れる。朝から出来立ての商業施設「OPA」でフードコートの撮影。美紀と寛子の会話シーン。これも朝から大勢のエキストラさんに参加していただく。感謝。美紀の何気ない一言が、この後の寛子との喧嘩につながるので、仲良がいいけど少しひっかかる部分がある寛子の顔を中心に撮影。10時のオープンギリギリまで撮影して、終了。  中央銀座での5人走りのシーン。考えてみると、自作ではずっと

          2017年12月7日

          2017年12月6日

          朝、文開堂書店で男子チームからのシーン。ここも街の本屋の味をだしている。店長役で、実際の店長に座ってもらう。本屋の中での撮影は難なく終わる。だんだん、中島が直樹を掴むペースも早くなっていっている気がする。外に出て、優斗と康太が打ち解けるシーン。今まで真面目だった康太が、優斗のタバコをみて興味を持ち初めてタバコを吸う。 他人の行動に興味を持つのが、他者を理解するための第一歩だったりする。二人が打ち解けるだけのカットにしたくなかったので、店の中から直樹が出てきて合流するまでを1カ

          2017年12月6日

          2017年12月5日

          4日がいきなり撮休だったため、一旦、帰宅していた。この日も撮休だったが、取材と市長訪問の為に12時に高崎入り。キャスト+武井の7名で取材を行う。思った以上に取材陣が多くてビビる。ベラベラと喋って終了。(後日写真をみる。俺、偉そうだな。反省) それにしても、真也ちゃんがしっかりしてたな。寛子の役として接する方が多いから新鮮。  取材も写真撮影も終わり、控え室に向かう途中で、めちゃくちゃ可愛い職員さんとすれ違う。すかさず、男子メンバーと確認。全員一致で、やっぱ可愛い。そういえば、

          2017年12月5日

          2017年12月3日

           クランクイン。この日は、学校のシーンからボーリング場のシーンへの流れだ。  学校は、高崎経済大学附属高校をお借りした。実は、カメラマン武井の母校である。武井自身、感慨深そうな顔をしている。多分だが。そう見えたのは、僕の思い込みか。朝飯を食って、エキストラの皆さんにご対面。朝7時の集合にも関わらず、こんなに集まってもらえるなんて、もう感謝、感謝。黒板まわりや、机まわりの美術をチェックする。黒板の卒業メッセージが少し足りない気がするから、キャストとエキストラの皆さんに書いてもら

          2017年12月3日

          2017年12月2日

          ロケ地の高崎に出発。 向かう途中、脚本を書いている時に作ったお手製プレイリストを聴く。YOUR SONG IS GOODの「あいつによろしく」が偶然流れる。「あの頃のあいつによろしくと!」のフレーズに、ちょっとグッとくる。  というのも、『高崎グラフィティ。』のキャラは、地元の友達、先輩をモデルにキャラを作っていたりする。今、なにをしているのか知らない仲間もたくさんいる。あのころもっと話したかった、もっと知りたかった仲間もいる。そんな残してきた思いをこの映画には詰め込もうと思

          2017年12月2日

          2017年11月1日

           本読み。メインキャスト5人が一同に揃う。やっぱ、いいなー、この5人。 本読みは難なく終わる。その後は、近くの食堂で僕をいれて6人で談笑。今回の作品は如何に5人の空気感を出せるか、5人ならではのノリをだせるかが重要だと考えていた。仲良くない5人組の会話シーンなんて面白くなくて見てられない気がする。だから、5人には仲良くなってもらってこの作品の中でも青春をしてもらいたかった。僕も出来るだけ、5人との距離を近く保とうと思った。 助監督の東條さん、花輪さんとも初対面。いい人そうでよ

          2017年11月1日

          2017年9月,10月

          キャスト・オーディション。キャスティング担当の新江さんに相談して、会える限り多くの方に会えるようにしてもらった。連日、たくさんの方が来てくれた。一次オーディションの内容は軽いエチュードと高校時代の質問(もはや談笑に近かったが)。主人公の5人のキャラにパーソナルで近い子を中心に選んだ。二次は玲を実際いれて、5人グループを何チームも作り、それぞれの相性や並んだ時のイメージを見た。やっぱり男女が入り混じった会話だと一次とは違った面を見れて新しい発見があった。 最終的に悩みに悩んで高

          2017年9月,10月

          2017年4月27日〜

          脚本家小山さんと打ち合わせ。  小山さんとの出会いは、2011年。当時、ギャラクシー賞受賞記念で『モテキ』の大根監督が日藝に講演に来てくれた時のことだ。まだ一年生の僕と院生の小山さんだけがなぜかぽっかりと空いていた最前列で大根監督の話を聴いていた。講演終了後、僕は大根監督のもとにダッシュで向かって、「助監督でもなんでもいいんで現場いかせてください!」と連絡先を渡した(結果、音沙汰はなかったが)。その後ろから、小山さんが分厚い封筒を大根監督に渡した。「脚本6本ぐらいあるんで、原

          2017年4月27日〜