バイアスの坂道を登れ(1)

注意:今回の話は私個人の考察になるのでオカルト的思考でお読みになってください。

「バイアス」と聞いて皆さんは何を想像するでしょうか。一般的にバイアスとは、1.偏り2.かさ上げ3.斜めなどの意味になります。この中で私がお話したいのは1の偏りについてになります。Wikipediaには下記にあるような【偏り】の例について述べられていますが、このバイアスをイメージするとき、単に一方的な見方や考えや正当性がないにもかかわらず信じてしまうさまに疑問を感じないでしょうか。

偏り - 統計学の用語。母集団の要素が標本として平等に選ばれていない、または推定すべき量を何らかの理由で高く、または低く推定しすぎていること。
サンプリングバイアス - 不適切な標本抽出によって、母集団を代表しない特定の性質のデータがまぎれこんでいること。
偏見 - 偏った見方のこと(用例:「あの人の意見には新聞は不正確だというバイアスがかかっている」)。
認知バイアス - 非常に基本的な統計学的な誤り、社会的帰属の誤り、記憶の誤り(虚偽記憶)など、人間が犯しやすい認知の誤り。
感情バイアス - 感情的要因による認知と意思決定の歪み。
正常性バイアス - 災害があっても自分だけは大丈夫と思うこと。特に自身に耳の痛い情報は入らないこと
生存者バイアス - 生還した者からは意見が聞けるが、生還できなかった者から意見は聞けないこと

                       引用元:Wikipedia

私はバイアス【偏り】をよりわかりやすくイメージするために床と球で考えてみてはどうだろうかと思っています。

床は真っ平で360度一定の距離があるとする。ここの真ん中に一つの球を置く。すると当然、球は動かない。当たり前の話だが球体でも外部からの影響がなければ自分で動くことはできないので静止している。この球の下の床を僅かに一方向に傾けたとする。すると、当然のごとく球は水下の方に自然と転がっていく。こんな単純なことがバイアス【偏り】なのだろうと私は考えています。

偏りは傾きから影響を受け判断を歪めてしまう。文字通り偏りは一方向に何かが集まってしまい偏ってしまうことだが、偏りは傾きにより起こりそれはいくつかの原因をもとに発生し床に影響を与え傾きを生み出す。そのいくつかの原因として考えられるのが

①情報の変質

②感情

③欲

以上の3つが大まかに関係していると考えています。

まず①の情報の変質によるものですが、私たちは記憶が変化していっていることに気づきにくい性質があると思います。昨日の情報はまず変化を感じることはないでしょう。しかし、1年前の記憶の鮮明な情報は引き出しやすいため変化は起こらないが、それほど重要度の高くない情報に関しては、上書きされていくシステム(考え方)によって、情報を捻じ曲げ現在の情報との整合性をもたせようと無意識に塗り替えるまたは、別の情報と誤認するようになるのではないでしょうか。

このことにより本来は変化しているにも関わらず今の自分と過去の自分を同じものと同一視しなければならないためにバイアスが生まれてしまう。つまり、過去右として判断していたものが左として判断するように書き換えられる。ここには脳は常に正しくてはならいという一環としたルールが存在しているのではないだろうか。

俯瞰している【思考する個】は過去の情報が自分の変化してしまった今の情報にズレや乖離があると、過去の自分はいったい誰なんだと他人として認識しなくてはならない。同一の個体でありながら自己を否定しなくてはならない。そこで、曖昧でも共通項を見つけ出し同一視できるようにする。これが情報の変質によるバイアスの仕組みではないかと考える。

次に②感情については、いうまでもなく【思考する個】が生み出すものではなく、環境のフィードバックによる【思考しない個】のリアクションであり基本的に管理できない。何か心身に衝撃的な負荷が掛かればマイナスの感情が発生し【思考する個】に報告する。この報告こそが床を傾ける行為になる。そのことに自覚的にならなくては、球は容易に水下に転がり落ちる。

③欲についてですが、これは【思考する個】が自ら球を動かしある方向に転がす行為だと考えています。先ほどの①と②はリアクションであり自覚的ではありません。つまり、自身の意志というよりも環境からの影響によるものでの床の傾きであり他律的なのになります。一方③は床が傾くのではなく自身が球を動かす行為なのです。

①②と③はバイアスの意味がかなり違うことになる。①②は社会や誰かによって床が傾くことにより球は水下に転がるのです。それに対し③は自覚的で正確には床が傾くのではなく、球を任意の方向に動かす行為になります。

「これは、こうあるべき。」というのは③になります。一種の偏見であり、個人的価値観と言えるかもしれません。では、バイアスとは悪いものなのかと言えば、良いものでも悪いものでもありません。ただ、床が傾いたり、球を動かす行為でしかない。

私はこのバイアスの解釈を使って別の事を考えてみたいと思います。たとえばアパレル業界をみてみましょう。アパレル業界では3年位先どって流行る色を決めていると言われます。つまり、今のトレンド色は3年前に誰かが決めた流行らせた色なわけです。一見、街を歩いている人たちは好きな洋服を自分で選んで好きなものと思い込んでいますが、実は誰かに選ばされているだけで自分で選んでいないのです。

                           (2)つづく


最後まで読んで頂きありがとうございます。

himeさん画像を使用させて頂きありがとうございます。

つまらない点や納得のいかない点などがありましたらコメント欄に記入していただけると幸いです。私の記事は常に未完成です、皆さんのコメントなどで新たな発見ができ、より良くできると思っていますのでよろしくお願いします。また記事に興味を持って頂けたらフォローして頂けると幸いです。毎週1話づつ記事を書き続けていきますのでよろしくお願いします。

#29




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?