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昨年の旅行をのらりくらりと振り返る。

2020年1月
就職活動のために、2019年の末から読み始めた日経新聞の見出しで、武漢で新型のコロナウイルスが検出されたと知る。
この時はまだ、この先何が起こるかなんて想像もできなかった。

あれからもう半年が過ぎた。
日常は大きく変わり、私の就職活動はまだ続いている。

ここ最近、厳密に言うとこの1週間ほど、毎日のようにカメラロールを見返しては過去の旅行の思い出に意識を飛ばすことが増えた。
ただ、思い出に意識を飛ばしながら、少しずつ記憶が薄れてきていることも実感した。
これ以上忘れる前に、記憶が一つでも多く残っているうちに、昨年の旅行をのらりくらりと思い出すことで、今抱えている旅行への焦燥を紛らわせたいと思う。
きっと私以外が読んでもなんの面白みもない文章だろう。

今回思い出すのは、ちょうど約1年前
2019年7月に韓国を訪れた時のことだ。

本来は2018年9月に韓国を訪れるはずであった。しかし、それは叶わなかった。例の台風によりKIXが被害を受け、飛行機が飛ばなかったからだ。
それから約1年、昨年ようやく韓国を訪れることができた。

学部3年、期末試験少し前。期末試験が終わればいよいよ就職活動が始まっていく。その時の自分は、それに耐えられる気がしなかった。逃げるように韓国旅行を決め(それはまた、今後を乗り越える覚悟を固めるためでもあったのだけど)、友人にも何人か声をかけてみたけれど、あまりにも急な話だったので結局ひとりで行くことにした。

早朝4:40
梅田の新阪急ホテル1階から出ているリムジンバスに乗り、KIXへ。
リムジンバスに乗ると毎回しっかりと寝てしまうけれど、空港へ向かうまでのあの時間はとても好きだ。
飛行機に乗る用事がある前日というのは、基本的にそわそわしてなかなか寝つけない分、リムジンバスの中で熟睡する。
夜行バス然り通学で使うバスも然り、バスというものは不思議で、目的地に着くタイミングでなぜかきっちり目がさめる。
普段目覚ましの音が聞こえないタイプの私でも、バスでは不思議と起きられる。

そうして、たっぷりと時間に余裕を持って空港に着き、待合のソファーで携帯をフル充電しつつ時を待つ。一番暇な時間。第2ターミナルにもラウンジがあればいいのになあ...(水分は取りたいけど出発前に荷物は増やしたくないワガママ)

9:30
確かこのぐらいの時間に仁川に着いた。
1泊の予定だったので手荷物のみでピックアップなし。空港鉄道に辿り着くまでのスピードはそれはそれは早かったと思う。
なにせ同年春休みにヨーロッパへ行った際に仁川で乗り継いだ時、たんまりと時間があったので、これでもかという程空港を練り歩き(保安検査前も後も)空間把握に努めていたからだ。あれもすごく楽しかったな。
空港鉄道までは早かった。ここからがダメだった。
その時ウォンを一切所持しておらず、Tマネーカードもなかった。電車に乗れない。電車に乗るためのお金をすっかり忘れていた。出鼻をくじかれた気分で来た道を引き返し、銀行でとりあえずいくらか両替した。覚えていないけれど、千円単位で両替してくれた気がする。1万〜とか言われなくてよかった。良心。

やっと改札を通り、電車を待つ間に空港鉄道のホームにある自動両替機で再度両替した。後から両替所行く時間ももったいないし、使う分のお金はほとんどここで両替した。その時のレートは1061.74だった。(翌8月末に訪れた時の方がレート高かったなあ...)

まず向かった先は弘大。
今回の宿は弘大で取っていたため、荷物を置きに一度弘大へ向かう。宿周辺の洋服屋をみて回り、帽子とスカートを買った気がする。弘大のショップのお姉さんたちはすごく気さくで、一人ふらふらと旅行に来た、まだまだ韓国語のつたない観光客の話し相手になってくれた。
「なんや私異国でもひとりでやっていけるやん」と謎の自信を得る。まだ来て数時間。街に出てから1時間も経っていない。

次に、電車に乗って新沙へ。
多分時刻は13:00過ぎ。
御察しの通り、目的はカロスキル。
一番の目的はROMANTIC CROWNだったけど開いていなかった。迷子になりつつ結構歩いたんだけどなあ。営業時間もチェックしていたけど、まあ良いや。その足で第二の目的、Soohyangへ向かう。途中の道にespoirと3CEがあったので寄り道はした。

Soohyangは天国みたいな場所だった。2017年お香にハマっていた私は、2019年、しっかりキャンドルにもハマっていた。
たくさんのキャンドルを目の前にし、一つ一つ香りを吟味しながら、結果的に「SUMMER NIGHT」という名前のキャンドルを買った。好きな英数字を入れてもらえたので、ラベルには980116と入れてもらった。
香りももちろんどストレートに好みな上、この名前がまた良い。우리의 새벽은 낮보다 뜨겁다(Our dawn is hotter than day)を連想させるし、2019年初夏 韓国を訪れた記憶をきっと思い出すような名前だ。
このキャンドルの灯りは今もまだ灯せていない。箱の蓋を開けずとも、ふわっと香るのを嗅ぐだけで胸が幸福に包まれる。
いつか、本当にしんどくなった時に灯そう、と思ってはいるけれど、ありがたいことにまだその時は訪れていない。就職活動も、しんどいしんどいと言いながらなんとかやっていけている。

14:00過ぎ
またふらふらと歩きながら寄り道しつつ、ネネチキンへ向かった。ひとりで。それもイートインで。まあ気にしない。それよりもSEVENTEENのトレカが優先だ。
スノーウィングチキンをひたすた食べた。2019年で一番顎を酷使したのは間違いなくこの日だ。味は美味しかった。ひとりで食べたらさすがに飽きたけれど。(食べきれなかった分は包んでもらって、その日の夜全部しっかり食べきった。夜になっても全然お腹すかなかったけど、きちんと食べきった自分を褒めた。)
店内のテレビはMnetを垂れ流ししていて、その時は留学少女が流れていた。あれは私への気遣いだろうか。おじちゃんが見ていて面白いのだろうか。ともかく、ぼーっとテレビを見ながら食べられたのであれはありがたかった。

お腹を満たしたところで、狎鴎亭駅まで歩く。
本当はacme de la vieにも行こうとしていたけど、辞めた。疲れた。はやく宿に帰りたい。

時間はわからない。
とりあえず宿に帰って来た。疲れたので一旦休憩した。この時の記憶はほとんどない。いや一つも覚えていない。あまり休まなかったのかもしれない。

17:30頃
荷物を整理し、再び街へ。
限られた時間しかないのだから、まだまだ遊ぶ気満々である。
午前中は宿周辺のお店を見て回ったので、夕方はいわゆる弘大のメイン的な場所をふらふらしていた。ここでのお目当は、渡航前から目星をつけていた化粧品たちをお迎えに行くこと。
CLIOのお姉さんお兄さんが底抜けに明るくて少し圧倒されたけど、親身にお色味の相談に乗ってくれたので楽しかったな。

いろんなコスメブランドを巡っているうちに気づいたけれど、「あ〜今話しかけられたくないな〜」という時は午前中に買ったバケットハットを目深にかぶっているとそっとしておいてくれる。逆に、気になることがあるけどこちらからは話しかけられない時は帽子を取ってふらふらしていたら高確率で声をかけてくれる。
これは何も韓国に限ったことではないか。それまで帽子を被ることがほとんどなかったから、この旅行の時に帽子の使い方を一つ心得た。

そんなこんなで時刻は22:00を過ぎていた。
そんなに時間が過ぎていたとは思わなかったのでびっくりした。オリーブヤングで時間を浪費し過ぎただろうか。時間は浪費したけれど、ここで、当初は全く買う予定のなかったrom&ndのリップ4本セットを購入したことはこの旅行における大きな功績だった。

初夏とはいえ、この日は雨が降っていて、夜になると急に冷えた。
そのまま宿に戻ってもよかったのだけれど、せっかく韓国へ来ているのに飲食店はネネチキンしか足を踏み入れていないことに気づき、カフェへ寄り道した。暖かい柚茶を注文した。テイクアウトで。
お店で飲んで帰ろうか、とも思ったけれど、この時ふと孤独を感じた。それまで一切感じず、逆にひとりであることを謳歌していたけれど、夜になり気温も下がり、さすがに少し寂しくなったのだろう。

はやく宿に帰りたい。

その一心で、大きく暖かい柚茶を抱え、早足で宿へ帰った。
宿に帰っても誰もいないことに変わりはないけれど。

冷えた体を温めるために(というよりかはめんどくさくて嫌になる前に、の方が正しい)、急いでシャワーを浴びた。
それから、昼間食べたチキンの残りを平らげて、ボーッとテレビを見て、荷物を整理して、翌朝に備えて寝た。日付はとうに超えていた。寝坊が一番怖い。

翌朝おそらく5:00頃
無事目が覚めた。ホッとした。
朝ごはんについては記憶がない。前の晩にコンビニで買ってあったのか食べていないのか、一切記憶がない。

6:00頃
身なりを整え、宿を出た。
晴れでこそないものの、雨は上がっていた。道路は雨に濡れていて、道には誰もいない早朝の弘大は少し不思議な感じがした。ゾンビはこういう時にも出てきそうだな、などと考えながら駅へ向かう。
当時9番出口の階段にはイジニョクさんの広告があり(プデュ放送中)、降りたところにはNCTのテヨンさんがいらっしゃった。
彼らにも別れを告げ、人通りも少なかったので記念に写真も撮っておいた。

空港へ向かう電車に乗り再び爆睡。
7:30頃
気づいたら仁川空港に到着していた。

諸々の手続きを終え、空港での自由時間を手にする。大好きな時間だ。
数ヶ月前にも闊歩したはずの仁川を再び練り歩く。
途中でゴンチャに寄り、マンゴーを飲む。ちょっと期待外れだった。冬の苺の方が圧倒的に美味しかった。

10:00過ぎ 離陸

12:00 KIX到着

こうして、全休2日間を利用した私の短い韓国旅行は幕を閉じた。
翌日は1限から講義があり、翌週にはテストが始まった。テストが終わればあれよあれよという間に諸々忙しくなり、この1年間あっという間だった。いや嘘だ。とてもとても長かった。長く、短かった。

次に空港を訪れられるのはいつになるのだろうか。

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