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ムウちゃん骨肉腫闘病記録-02

病気の発症から手術まで、治療のことなど

骨肉腫の疑いで余命1ヶ月と宣告された愛猫ムウちゃん(4歳)。
「緩和ケア」のつもりでいたのですが、良い先生に巡り合い、今は元気に過ごしています。その経緯や、説明していただいた治療の選択肢、どの薬を服用したかなどをまとめました。
何でも良いから同じ病気の子の情報を知りたいと私は思っていたので、少し長くなりますが、記録していた手帳を見ながら思い出すがままに書いています。

《2023年2月下旬・発症》
「ギャッ」という叫び声を上げて走ったかと思うと倒れ込みブルブルと震えている。その後、右後ろ脚を引き摺るようになる。
かかりつけ医が休診だったため、別の病院へ。触診のみで消炎剤をいただく。
次の日にかかりつけ医でレントゲンを撮り「骨肉腫疑い余命1ヶ月」と言われる。
〈主治医の見解〉
・骨肉腫ができている箇所が脚ではなく骨盤のため、手術(断脚)は難しいし、お薦めしないとのこと。(手術したとしても予後が悪い(排泄に障害が出る等)というような話だった)
・骨肉腫かどうか断定するには骨を一部取らなくてはいけない。大変な検査なのでそれもお薦めしない。骨肉腫かどうかは2週間後に進行具合を見て判断する。
・この時は薬は処方されず、別の病院でもらった消炎剤を飲み切るよう指示。


《治療方針をどうするか…》
以前飼っていた愛猫の最後が、手術をした事で可哀想なことをしたのではないか…という思いが家族にあり、ムウちゃんが病気になった時には猫にとって過度な治療はやめようという話を以前からしていました。
そのため手術には抵抗があり、主治医の先生の見解からも「緩和ケア」の方向で家族と話し合いをしました。
セカンドオピニオンというよりは、痛みで通院が難しくなった時のために、往診で来てくださる先生を探すことにしました。少しでもムウちゃんの痛みを和らげ、楽に看取ってあげたいという気持ちでした。


《2023年3月16日・再び強い痛み》
発症してから数日、日に日に症状が和らいでいるようで走ったりもできるように。本当に骨肉腫なのだろうか?という疑問が出るほどになっていましたが、3週間ほどして再び倒れ込んでしまいました。
今後の為に、20日に往診の先生に一度診ていただく予定を入れていたのですが、連絡を入れると急遽来ていただけることに。
骨肉腫についての説明、治療方針など、とても丁寧に説明していただきました。
〈往診の先生の説明〉
・骨肉腫は骨が溶けるため、非常に痛みの強い病気。
・犬に比べると猫の転移率は低く、40%ほど。
・転移していなければ根治目的での手術、転移していても緩和目的で手術をする。
・手術しない場合は、放射線治療や内科療法(痛み止め)がある。
・痛み止めは
1)NSAIDS系(腎臓に負担がかかるため使用できない子もいる)
これに神経性の痛みに効く「ガバペン」や「リリカ」の併用で、痛み止めの効果が上がる可能性がある。
2)医療用麻薬
3)ステロイド
下に行くほど強くなる。症状の進行に合わせて変える。
・この日はNSAIDS系の「オンシオール」を処方してもらう。
・手術が可能かどうか、かかりつけ医で撮ったレントゲンを見たい。手術するかしないかは別として、できる治療を全て提示して、そこから家族で決めてほしいとのこと。


次の日にレントゲンをもらいに行く。
往診の先生は主治医の先生と連携して診てくれる(報告書などを送る)と言って下さったが、主治医の先生はセカンドオピニオンに対して気分を害した様子だった。往診の先生はかかりつけ医はたくさんあっても良い、いろいろな見解を聞いて判断することが大切という考え。そう言ってくださるのは飼い主として心強く嬉しかったのですが、主治医の先生の考えは違うようでした。残念ではありましたが、今までお世話になっていた かかりつけ医の先生に診ていただくのはやめました。


《2023年3月20日・再診》
・往診の先生へ、レントゲンのデータを事前に送っていたので今後の治療の選択肢を提示してもらえた。
・痛み止めの「オンシオール」の効果が1日続かないようだったので、「ガバペン」との併用も始めた。
〈往診の先生の見解〉
・外科医の先生にもレントゲンを見てもらい、手術できる可能性は高いとのこと。(もしかしたら骨盤のみで脚を残せる可能性も)
・CTが撮れる病院で、手術が可能か、転移していないかの検査が必要。
・手術はしないという選択をしても、検査で骨肉腫と断定できれば、骨の融解を遅らせる薬「ビスホスホネート」の使用が可能になるかもしれない。痛み止めの効果もあり、医療用麻薬よりも効果が高い。


何件か提示していただいた病院から選び、その日のうちに予約を入れました。
手術にはまだ抵抗がありましたが、ムウちゃんの痛みが強く出ている時の様子が想像以上に辛く、手術できるなら痛みを取ってあげたいという思いに少しづつ変わってきていました。(トイレに行くにもやっとで、トイレの後は倒れ込み、痛みでブルブル震えているような状態でした。)


《2023年3月28日・日帰り検査》
・CT検査と生検をする(麻酔をかける)
・生検は「細胞診」か「骨生検」のどちらか、見た感じで判断する。
〈検査結果〉
・検査方法は出血のリスクを考え「細胞診」にした。「骨生検」に比べると断定とまではいかないが、CTや細胞診の結果から考えて、ほぼ骨肉腫だろう。
・転移はしていない(ステージ1)
・手術は可能(断脚する)。脚は残せないこともないが、ブラ〜ンとぶら下がっている感じになってしまうとのこと。


・家族で話し合い、手術をお願いすることにした。(父は手術に対して消極的で、どちらかというと反対派だったが多数決で決定。)
・手術までの期間、免疫力を上げる薬が処方される。「マイトマックス」と「リンパクトデリタブ」。ご飯やおやつに練り込んだら普通に食べてくれて助かる。
・手術して痛みを取り除いてあげたいという気持ちと、脚を切断してまでムウちゃんは生きたいのだろうか…という迷いも出てくる。病院が怖くて震えるムウちゃんを見ていると、手術するのはムウちゃんに生きてほしいと思う私のエゴなのかもという気がしてしまう…。
・往診の先生に報告する。検査後すぐに手術の決断をしたので迷うこともあると思うが、納得がいかなければ直前でキャンセルしても大丈夫だから!との言葉に、少し気持ちが楽になる。


《2023年4月1日・手術(片側骨盤切除術)》
手術に伴う危険性や合併症の説明を受ける。
合併症や死亡リスクが10%という低くはない確率でしたが、外科医の先生も丁寧に説明してくださったので、あまり不安を感じずお願いできました。
(ムウちゃんの場合、右骨盤から切除しているので、断脚のみよりもリスクは高いのではと思います。)


・心配していた排便、排尿の障害も出ませんでした。
・傷口を見るのが少し怖かったのですが、思っていたよりも痛々しくなくホッとしました。
・入院は3日間。本当はもう少し様子を見たかったようなのですが、ビビリなムウちゃんの性格上、退院が早まりました。(緊張でご飯をあまり食べない。ずっとシャーシャー怒っている。エリザベスウェアも嫌で脱いでしまう。。今はストレスを感じる方が回復に支障が出るという考えで、猫ちゃんの性格を見て、早めに退院することも多いようです。)
・治療と関係のない話ですが、入院している子のゲージの扉に1つづつ、病院の近くにあるお寺のお守りがぶら下げてありました。心優しい病院で手術していただけたことに感謝の気持ちでいっぱいになりました。


次は退院後から現在までのことを書きたいと思います。


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