錬金術を用いて作られるSolunaのローズクリーム
マガジンの記念すべく初回記事はいきなりマニアック路線な雰囲気が漂うタイトルです。
本当に多くのスキンケアが世の中に溢れていますが、皆さんのスキンケアを選ぶ基準はなんでしょう?
メジャーなもの、口コミ、価格、オーガニック。
高いからいい、bioだからいい、そう言い切れないのは食べ物もスキンケアも同じです。
私にとってのスキンケア選びは、宝探しをしている感覚なので、おのずとマイナーで、市場に流通していないものになってしまいます。
ただ、仕事で多種多様のスキンケアを検証する機会が多く、メジャーなものにはメジャーな理由がきちんとある、世の中には一生懸命研究して、使うみなさんのことを想って作られてるいい製品が本当に多いなあ、と感動します。
メジャーとマイナーの境界線は、需要と経費のバランスに尽きる、と勝手な解釈があるのですが、マイナーになればなるほど、作り手のバックグラウンドがヘビーなものになる気がします。笑
そして、それが面白い。
決して茶化しているわけではないのですが、その背景は「感動」とか「共感」という言葉よりも、「面白い」がぴったりしっくりします。
そんな訳で、第一回はこれまで出逢ったスキンケアの中でも、「面白い」肯定で作られているな、と感じたアイテムをご紹介したいと思います。
Soluna 'Sol(太陽)' 'Luna(月)'
スキンケアの効果や使用感を言葉で伝えることの難しさ。
いきなり話しがずれますが、最近、官能小説家になることを夢見ている女の子が主人公の漫画をチラッと読んでました。主人公が書いた小説を読んだ編集長のセリフがこちら。
「なんなんだ、直接的な性描写がないのに、肌を這う指の感覚が伝わってきて、読んでるこちらまで熱くなってくる!」
この能力が欲しいです。
このマガジンを書きながら、少しでも自分の良いと思った理由やその使用感を言葉で伝えていけたらいいなと思います。
Soluna(ソルーナ)。私がこのブランドを知ったのは、代官山のオーガニックエステにお邪魔したのがきっかけでした。様々なオーガニック製品を世界各国から取り寄せており、スタッフがひたすら独自に試して、ブランドを越えお客様のニーズに合わせてブレンドして施術をしてくれます。ライン使いをしないという心意気に感動して、スタッフのお肌がとてもナチュラルで美しかったことがとても印象に残っています。
その中で私がこのSolunaに惹かれた一番の理由は「スパゲリック法」。スパゲッティではありません。
スパゲリックとは、一言でいうならばアルケミー=錬金術の一つ。はい、なんだか怪しくなってきましたね。
私のイメージでは錬金術とは金を生み出す魔法で、それができる人が錬金術師だと思っていましたが、スキンケアの製法とどこでどう繋がるの?という感じでした。そこで後に調べて見た結果、
錬金術(れんきんじゅつ、阿: خيمياء 羅: alchemia, alchimia 英: alchemy)は、最も狭義には化学的手段を用いて卑金属から貴金属(特に金)を精錬しようとする試みのこと。広義では、金属に限らず様々な物質や、人間の肉体や魂をも対象としてそれらをより完全な存在に錬成する試みを指す。 :wikipediaより引用
とのことでした。
なので、スパゲリック法とは、その独自の製法を手間暇かけてかけてかけまくって行い、そのうえで作られた製品が私たちの肌や肉体、魂までもをより良い状態にしますよ、という熱っっいメッセージが込もった製法なんだと解釈しました。
自然のリズムに人が合わせるSolunaの'スパゲリック法'
先ほどのwikipediaの引用で、錬金術は科学的手段を用いると書いてありましたが、スパゲリック法を知ると、私の想像する科学とは逆の印象を受けました。
ブランドの名前からも来るように、月、太陽、そのほかの惑星の天体の周期も製造法の中に組み込まれています。すべての植物は自家栽培で、種まきと収穫の時間もその植物のもっともパワーがあるときの数時間。与えられる水は7つの天体を表す金属に触れたあとのお水。どんな金属なのか気になります。
エキスの凝縮は、自然に熱をとる自然放熱で行われるので、そこにかかる時間もきっと莫大です。
ようやくできた原液は、人間の血液の総量を超えない6ℓの容器に入れられ熟成されます、50日間毎日、日の出と日の入りに、月と太陽のリズムに合わせて、左に28回、右に33回攪拌されます。 :Solunaより引用
まだまだほかにもこだわりポイントはあるのですが、既にこれだけでもスキンケアの製造法というよりは、まるで魔法使いがなにかを生み出すために山の奥で行っている作業のようです。
そして私は未だこれ以上の手の込んだ製法で作られているスキンケアをほかに知りませんが(知っていたらどなたか是非教えていただきたいです)、これだけの労力で生み出されるアイテムには、やはり想いもすごく込められているように思います。全ての仕事は、自分以外の誰かのため、一見あいつは自分さえ良ければと思われてしまう人や、私はこれがやりたくて自分のためにやってるんだよ、と思っている人ですら、実際には絶対に人のためになっています。それが働くということ。このSolunaの薬草園、製造所はいつか必ず訪れたい場所の一つです。
'肌に寄り添うクリーム'
長い紹介になってしまいましたが、最後に使用感について書きたいと思います。腕の見せ所でもあり、一番自信がない部分ですが、書いてみます。
本来、私はクリーム自体に大きな違いを見出せず、それどころか正直にいうと仕事で撮影前のメイクなどにも、あまりクリームを使うのが好きではありません。大量の化粧水と適量のオイルで十分に保湿をして、それでも角質が目立つ場合にはクリームで肌を柔らかくしてから仕上げに水スプレーを吹いてティッシュオフをする、というのが基本です。それは好みの話で良し悪しではないのですが、化粧品の世界、特に日本ではなんとなく「化粧品の使い方ルール」というのが定着しすぎてしまっている気がします。
必ず、こうしなければいけない、というのはないんです。これは、またべつの機会にかければいいなと思います。
私がクリームになんとなく寄り付かずにいた理由は、なんかベトベトするから。
その状態で朝化粧をしたり、夜ベッドで寝るのがなんか嫌。
全ての理由はなんか、です。
ただし、そのなんかを覆すのは結構至難の技で、それを成し遂げてくれたクリームの一つがこのSolunaのローズクリームだったからこそ、マガジンの初回にふさわしいと思ったのです。
よく巷で言われる、「クリームは肌に最後蓋をしてくれるアイテム」、この蓋って何、いらなくない?蓋、と思って生きてきた私でしたが、Solunaのクリームは私にとっては蓋ではなかったのです。
クリームをつけた翌朝の自分の肌の上に薄い膜がはってるような違和感や、数時間の睡眠後もなお残っているベタベタ感が一切なく、クリームが肌の一部になってくれたんだというフワ9割、ジュワ1割な仕上がりです。公式では一切唱ってはいませんが、リフトアップの効果も個人的には感じました。
ガリガ種という古代から化粧水などに使われてきたバラを用いて作られているそうで、乾燥肌、熟年肌の方におすすめとの記載がありますが、肌質を選ばずに心地よく使えると思います。
最後に、個人的な使用法ですが、クリームを塗る前には十分な保湿がとても重要です。大量の化粧水に少量のオイルを混ぜて肌に塗布すると化粧水が気発する際の乾燥も抑えられて、より化粧水が肌に浸透しやすくなります。そして、もう一つポイントは肌が完全に水分を吸収したなと思った後にクリームを塗る事です。肌の表面がビショビショの状態でクリームを塗ると、それぞれの効果が半減する、気がします、なんとなく。
メイクの仕事をしてきて、知れば知るほど、こうです!と言い切れないジレンマが常にありますが、それも隠さずに、このマガジンをゆるく更新していけたらと思います。
SolunaのHP
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