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講義日誌(東洋大学)AY2024_Session 3

今期3回目の講義のテーマは「宗教と文化」について。
前回に続き、このテーマも私にとって新しい試みだった。

宗教は文化の形成に影響を及ぼし、
そこから価値観、芸術、言語、社会慣習を形作っている。

学生には、地域によって宗教がどのように
地域のアイデンティティや社会構造を形成してきたのか、
そうした点について考えてもらうこととした。

まずはアイスブレイクから。
今回は「経験値を上げよう」と呼びかけた。

彼らの悩みの一つは就活である。

大学2年から3年の彼らは「自分が何に向いているわからない」と言う。
そして「何から始めたらいいのかもわからない」と言う。

この悩みに正解はないが、私は「色んな経験をしてみたら」と話す。

例えばタイミーというマッチングサービスがある。
スキマバイトを検索できるサービスで、つまり色々な業種を経験できるのだ。

私が今20歳であれば、このサービスで様々なアルバイトを経験して
自分に何が合うか、少なくとも合わない職種を探すだろう。

行動しない人間は考えてから動こうとする。
行動する人間は行動してから考える。

人間はやっているうちにその気になってくるものなのだ。

さて、第三項のnoteとして以下を記録しておく。

【講義のポイント】
①そもそも文化とは何か
②宗教と文化はどう関連しているか
③その一例としてのイスラム

【ディスカッション】
今回のゴールは「宗教と文化の関連についてざっくり理解する」である。
文化という、日常生活に根ざしているものを改めて見直してみることに主眼を置いた。

そのため、今回もディスカッション時間を長めに設定し、
学生たちには自分なりの文化と宗教の関連性について話し合ってもらった。

日本は異なる星であるという。
これは米国人によるコラムで、日本の異常さ(彼にとっては)について解説している。

タイトルだけを見るとポジティヴにもネガティヴにも取れるが、
私は「ユニークだ」と評価されていると解釈した。

実は同様のことをドバイ在住のイラン人にも言われたことがある。
彼が長年の念願だった来日を果たした時、「中東から見れば日本は別の星だ」と言っていたのだった。

そこでディスカションを通じて私が問いかけたのは、以下の三点。

  1. 日本の厳格な社会規律は宗教または文化が影響しているのか

  2. 日本人が重要視している文化とは何か

  3. そうした文化と宗教的背景は、海外からどう見られているか

学生たちはそれぞれの出身地の文化や宗教的影響を引用していた。

例えば、京都出身の学生は祇園祭りの重要性と地域への影響について
沖縄の学生は首里城を例に挙げ、琉球王国時代の宗教的な儀式や文化について

学生たちは地域の文化や習慣が現代社会に与える影響を考えることで、
自分たちのアイデンティティ形成にどう作用しているのかを考えるきっかけになったのではないだろうか。

【講義後の所感】
今回の私の裏テーマは「日本はまだまだ売れる」だった。

Disney+が配信しているドラマ『SHOGUN 将軍」が記録的にヒットしている。
それはなぜなのか。

日本人の視点では「今さら日本の時代劇がヒットするなんて」だが、
世界は日本を改めて「ユニークだ」と思っているのである。

そして日本の地方にはそうしたストーリーやネタがまだまだある。
日本人でさえ発掘しきれていないだろう。

各地の文化とそこから派生していった宗教、習慣、規律を知ることは
日本人のアイデンティティとこれからの可能性を再確認することでもあるのだ。

今日のポイントは、実はそこだった。

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