見出し画像

備忘録〜権利移転型契約から賃借型契約まで〜

◉権利移転型契約
○贈与契約=当事者の一方(贈与者)が自己の財産を無償で相手方(受贈者)に与える契約のこと。プレゼントする契約のこと。
・書面によらない贈与
 贈与契約が書面によらないでなされた場合(書面によらない贈与)、各当事者は、その贈与者が軽率に贈与することを予防し、かつ、贈与の意思を明確にする点にある。すでに受け取った物を返せと言われたら、受贈者も困ってしまう。履行の終わった部分は、撤回することができないとされている。
「履行の終わった部分」=動産(=引渡しがあれば「履行の終わった部分」に当たる、不動産(引渡しまたは登記があれば「履行の終わった部分」に当たる。

○売買契約=当事者の一方(売主)がある物(財産権)を相手方(買主)に移転し、相手方がこれに対してその代金を支払う契約のこと。売買契約に関する費用は、公平の観点から、当事者双方が等しい割合で負担する。
・手付け
①手付けとは、売買契約の締結の際に当事者の一方から他方に交付される金銭などのこと。
解約手付=約定解除権の合意という機能を有する手付
証約手付=契約成立の証拠としての手付
違約手付=相手方の債務不履行に際して受領者により没収される手付
→損害賠償額の予定として手付=手付の没収だけで済ませ別途損害賠償を請求することができない
 違約罰としての手付=手付の没収以外に現実に被った損害の賠償請求が可能
②解約手付による解除
 買主が売主に手付を交付した時は、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
・売主の担保責任=売買契約の目的物に欠陥があり、このために買主が契約締結の時に予期した結果に反する場合に、売主が負うべき責任のこと。このように売主の担保責任が認められているのは、売買契約の目的物に欠陥があって代金と釣り合っていない場合、売主が得をして買主が損をするため、不公平となるから。
【売主の担保責任が認められる場合】
1:目的となる権利の全部が他人に属する場合(全部他人物売買)
2:目的となる権利の一部が他人に属する場合(一部他人物売買)
3:目的物の数量不足・一部滅失の場合
4:目的物の用益物権・留置権・質権による制限がある場合
5:目的物に先取特権・抵当権による制限がある場合
6:目的物に隠れた瑕疵(=同種の物が通常備えている品質・性能がかけていること)がある場合
・売買契約の効力
 売主は、売買契約の目的物(財産権)を買主に移転する義務を負い、買主は、売主に対して代金を支払う義務を負う。

✳︎薬務提供型契約
・雇用契約=当事者の一方(被用者)が相手方(使用者)の対して労働に従事することを約束し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約束することによって成立する契約
・請負契約=当事者の一方(請負人)が仕事を完成することを約束し、相手方(注文者)が仕事の結果に対して報酬を与えることを約束することによって成立する契約
・委任契約=当事者の一方(委任者)が法律行為をすることを相手方(受任者)に委託し、相手方がこれを承諾することによって成立する契約
・寄託契約=当事者の一方(受寄者)が相手方(寄託者)のために保管をすることを約束して寄託物を受け取ることによって成立する契約

◉賃借型契約
○消費貸借契約=当事者の一方(借主)が種類・品質・数量の同じ物を持って返還することを約束して相手方(貸主)から金銭その他の物を受け取ることによって成立する契約のこと。消費貸借契約は、契約当事者の合意のほかに、目的物の引渡しをすることが成立要件とされている。このような契約を要物契約という。消費貸借契約の目的物は、金銭であることが多いが、金銭以外のものを目的とすることもできる。なお、金銭を目的とする消費貸借契約を特に金銭消費貸借契約という。

○使用貸借契約=当事者の一方(借主)が無償で使用及び収益をした後に返還することを約束して、相手方(貸主)からあるものを受け取ることによって成立する契約のこと。使用貸借契約も、消費貸借契約も同様、目的物の引渡しをすることが成立要件とされる要物契約。使用貸借契約は、無償で目的物を貸すもののため、貸主が借主を信頼してなされるものであると言える。使用貸借契約は、借主の死亡によって終了する。

○賃貸借契約=当事者の一方(賃貸人)がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約束し、相手方(賃借人)がこれに対してその賃料を支払うことを約束することによって成立する契約のこと。賃貸借契約は、消費貸借契約や使用貸借契約と違い。契約当事者の合意だけで成立することに注意が必要。
・敷金=契約期間中に賃借人が賃貸人に対して負担する賃料債務その他一切の債務の担保のために差し入れられた金銭のこと。この敷金は、延滞賃料や三階賠償債務を差し引いて、残額は賃借人に返還される。
・契約当事者の義務
①賃貸人の義務
 賃貸人は、賃借人に対して目的物を使用・収益させる義務を負う。また、賃貸人は、賃借物の使用・収益に必要な修繕をする義務を負う。なお、賃借人が目的物の必要費や有益費を支出した場合、賃借人は、これらの費用を償還する義務を負う。
必要費=意味:使用収益に適する状態に目的物を維持・保存するために必要な費用、償還時期:直ちに償還しなければならない
有益費=意味:目的物の改良のために支出された費用、償還時期:賃借物の価格が増加が現存する限り、賃貸借の終了時、支出した費用または増価額の償還をしなければならない
②賃借人の義務
 賃借人は、賃貸人に対して賃料を支払う義務を負う。賃料とは、目的物の使用・収益に対する対価のこと。
・賃借権の譲渡・転貸
 賃借権の譲渡とは、賃借人が第三者に賃借権を譲渡し、自らは賃貸借関係から離脱する場合のこと。これに対し、転貸とは、賃借人が目的物を第三者に又貸しし、自らも賃貸借関係を存続させる場合のこと。賃借人は、賃借人の承諾を得なければ、その賃借権を譲渡し、または転貸することはできない。賃借人がこれに違反して第三者に賃借物の使用・収益をさせた時は、賃借人は、契約の解除(=契約の効力を一方的に消滅させること)をすることができる。
・賃借人の第三者に対する関係
 不動産の賃貸借は、登記した後は、その後その不動産について物件を取得したものに対しても、その効力を生ずると規定している。


何度も繰り返し勉強して理解します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?