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備忘録〜個人情報保護〜

◯個人情報保護制度の概要
 個人の私的な情報を保護するために制定されたのが、個人情報保護法と行政機関個人情報保護法である。
 個人情報保護法は個人情報保護制度に関する基本法的な部分と、民間の事業者が保有する個人情報を取り扱う上でのルールを定めた民間部分を規制する一般法としての部分から成り立っている。
 行政機関個人情報保護法は、国の行政機関が保有する個人情報を取扱う上でのルールを定めている。なお、地方公共団体の行政機関が保有する個人情報については、行政機関個人情報保護法は適用されず、地方公共団体が独自に定める個人情報保護条例によって規制される。
◯個人情報保護法の目的
 「この法律は、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑み、個人情報の適正な取り扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の関武藤を明らかにするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の早出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする」
◯個人情報保護法の定義規定
⑴個人情報
 生存する個人に関する情報。
特定個人識別情報=当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により、特定の個人を識別することができるもの
個人識別符号情報=個人識別符号(=政令で定められた文字、番号、記号その他の符号)が含まれるもの
個人情報に該当
→①外国人に関する情報②未成年者に関する情報③法人の役員に関する情報
個人情報に該当しない
→①死者に関する情報②法人それ自体に関する情報
⑵要配慮個人情報
 本人の①人種、②信条、③社会的身分、④病歴、⑤犯罪の経歴、⑥犯罪により害を被った事実、⑦その他本人に対する不当な差別・偏見その他の不利益が生じないようにその取り扱いに特に配慮を要するものとして、政令で定める記述等が含まれる個人情報のこと。「要配慮個人情報」については、通常の「個人情報」よりも厳格な規制がなされ、この規制に違反すると、個人情報保護委員会(=個人情報の取り扱いの監視監督権限を有する第三者機関)の勧告・命令等の対象となる。
⑶個人情報データベース等
 個人情報を含む情報の集合物であって、①特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの、②①以外で特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもののこと。①の具体例としては顧客データベースが、②の具体例としては紙媒体によるカルテが挙げられる。なお、利用方法から見て個人の権利を害する恐れが少ないものとして政令で定めるものは、「個人情報データベース等」から除かれる。
⑷個人情報取扱事業者
 個人情報データベース等を事業の用に供している者のこと。個人情報データベース等を事業に供している者であれば、営利団体であるか非営利団体であるかを問われず、「個人情報取扱事業者」から除外されている。国の機関、地方公共団体、独立行政法人等、地方独立行政法人は除外される。
⑸個人情報と個人データ・保有個人データ
 個人情報データベース等を構成する個人情報のこと。「保有個人データ」とは、個人情報取扱事業者が、開示、内容の訂正、追加、削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人データであって、その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるもの又は1年以内の政令で定める機関以内に消去することとなるもの以外のもののこと。
⑹本人=個人情報によって識別される特定の個人のこと。
⑺匿名加工情報
 ①次の措置を講じて特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって、②当該個人情報を復元できないようにしたもののこと。匿名加工情報は、個人情報のような厳格な規制は受けないため、本人の同意がなくても、一定の保護措置を講じることで利用することができる。このように、個人情報保護法は、匿名加工情報という概念を設け、個人情報を加工することによる利用の促進を図っている。
⑻匿名加工情報データベース等・匿名加工情報取扱事業者
 匿名加工情報を含む情報の集合物であって、①特定の匿名加工情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの、②①以外で特定の匿名加工情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもののこと。又、匿名加工情報取扱事業者とは、匿名加工情報データベース等を事業の用に供している事業者のこと。ただし、個人情報取扱事業者と同様に、①国の機関、②地方公共団体、③独立行政法人等、④地方独立行政法人は除外される。


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