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アンドロイドの三歳


「アンドロイドの三歳」


ムスメの、参観日に、出た。
ムスメは、バス登園なので、、後から車で、ヨメと、三歳息子と、3人で向かった。

幼稚園から、3.400メートル、離れた所に、車を停め、そこからは、徒歩。


息子は、歩き出して直ぐに、「抱っこ抱っこ」と、せがんで来る。
確かに、息子の歩幅では、どこに行くのも、遠距離になる。

仕方なく、抱き上げる。 顔と顔の、間の距離、5センチ。

そこで僕が、諭す。
『ちゃんと歩かな、アカンやん、直ぐ、抱っこ抱っこ、言わんと、歩き!』

「、、、」 
息子、無言。  何も返して来ない。
距離、5センチで、無視して来た。

激しく「抱っこ抱っこ」と、要求して来た時とは、打って変わり、、
アンドロイドの様な目をして、明後日を、見ている。

道路の向かい側で、ビルが解体されていた。
巨大なニッパーで、ビルを砕き割っている。

『うわ〜、見てみ、あれ、デカいハサミで、壊してるで〜、凄いなぁ?』

「うわ〜、パパ〜大きいなぁ〜」
これには息子、大興奮。

『大きいなぁ、あのハサミで、ビル壊すねんで〜』
「大きいなぁパパっ、すごいなぁ〜」

そのままの流れで、僕が付け足す。

『でも、ちゃんと、歩かなアカンやん、もう、自分で歩きっ!』

すると、目線を、ゆっくりと、僕から外し、、
得意の、アンドロイドを、かまして来た。

距離、5センチで、無視。

首の動かし方、扇風機。

『直接、話しかけないで貰えますか?、、
プログラムを、キーボードに、打って貰えますか?
僕、旧型のAI、積んでるんで、、』

と、いった感じだ。

また、わざと話を戻す。

『大きい、ハサミやなぁ、凄いなぁ』
「すごいなぁパパ〜、大きいなぁ〜〜」

無視した後に、良くこれだけ、ハキハキと喋れるな、と驚かされる。

『ほんで、自分で歩きや!、はいっ、歩き!』

すると、また、アンドロイド。
ギヤ音が聞こえてきても、おかしく無い程、アンドロイド。

正気とは、思えない。 急な切返しにも、程がある。

僕はムスコに、この1連を5回ほど、繰り返した。

5回目の、アンドロイドには、大笑いしてしまった

逆に、センスを感じる。

なんのアレンジも無く、、
繰り返すムスコを、見ていると、、、
笑けて来て、仕方がない。

何も、足さないし、、何も、引かない。

ウイスキーの、売り文句。
『何も足さない、何も引かない』


ヨメにも、この1連を、見てもらう。

『な? 凄くない、これ!』と、、

逆上がりが出来る様になった、ムスコを見てもらっている感覚に、なった。

にしても、子供の、我は、強い。


おやすみなさい。

😀無視


三冊目の本を出したいので、宜しくお願いします🙇🏻 二冊目の「超人間観察」の方が面白いのに、何故か売れ行きが……。 宜しくお願いします🙇🏻