彷徨える麻雀プロ4

仕事終わりに店長にやめたいと伝えると慰留どころか「了解しました、お疲れ様」と事務的な言葉を返されただけだった。

慰留された場合に用意していた
「ロッソは僕の麻雀の親です、いずれ大きくなって鮭のように帰ってきます」を考えた1時間の時間を後悔した。

自分のこの店での過ごした無駄な時間とこの店の菊地、小川などの自分より上のリーグのやつを必ず倒すの決意を胸に職場は道玄坂から歌舞伎町へ

麻雀の聖地歌舞伎町でも麻雀GODは東風ルールの入門店として若いスタッフの緩い接客で賑わっていた。

麻雀を楽しむためではなく加藤麻雀からエキスを必ず盗むために入店した事を忘れる気持ちはなく、加藤と同じシフトで後ろ見し、加藤は真田を弟子のように扱った。

3か月ぐらいは新人としてよく働き、よく麻雀を打った。仕事終わりににいむらでとんかつを食べる生活にも慣れてきて、少し自信を持ち始めたある日事件は起きた。

東発の真田の四巡目親リーチ

打点は充分の愚形今までの真田の麻雀はリーチして敵を降ろさせて、ツモって、裏をのっけてハネマンにして勝ってきた。

もちろん好形の追っかけられて放銃することも、流局することがある事は理解している。

しかしジョージは昭和雀士としてこのようなリーチを全否定していた。このリーチが5ピンを引いて6ピンをツモ切り流局した後にバックヤードに呼ばれて説教が始まった。

「真田あんな愚形リーチ上がれると思っているの?手代わり待ちながらヤミで上がってもいいし、リーチしても裏がなければヤミでツモっても同じだよな?」
ジョージの麻雀論をストレートにぶつけられた。

真田は反論するとめんどくさいジョージであることは理解していたが麻雀は裏切れないという彼の生き方から自然と言葉を選びながら反論をしていた

「加藤さん俺たちの戦場は歌舞伎町の東風戦なんですよ、どんな待ちでもリーチして相手を止めないと駄目だとジャンゴロKさんの フリー雀荘で食う超実戦打法 にも書いてあります、
加藤さんの麻雀は小島武夫三人と打っているような古臭い麻雀ですよ」

仮にも師匠であり店の責任者にこの言葉を投げれる真田の非常識と麻雀愛がわかる言葉だった。

ただですら怒りやすいジョージは顔を真っ赤にしながら

「結果チャンス手を上がれなかったよね、俺が打ってれば8000オールじゃないか、次愚形リーチで上がれなかった時はその日は本走は禁止だからな、あとその雀ゴロKってなんなんだよ、歌舞伎町の雀ゴロKは俺だよGODの加藤なんだよ、そんな本捨ててしまえ、次その本の話したら首だからな」

真田は言いたいこともあったが上司である加藤には何も言わないで加藤が見てる時は愚形リーチを減らそうと思った。

ある日にこんな配牌がきた

南家のダブリーただ手代わりある愚形、状況としては立番に加藤がスマホを触っている。
真田は本能からかダブリーの声が出なかった。

ヤミテンにしていて二巡目に出た発をポン、三巡目に出た8ソーで3900の二枚を出上がりした。

真田は心の中で 今までの俺はダブリーをして憎らしい顔をしながら4ソーをツモって裏を乗せて、ハネマン三枚をあがって麻雀を勝ってきた、それが3900の二枚だ、俺は何をやってるんだろうと涙が自然と流れた

このままでは自分の麻雀が破壊されてしまう、早く加藤と同番を回避しなければならないと危機意識を持ち出したのもこの頃だった。

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