オタク遍歴 ニコニコ御三家編

自分が好きだと信じたものはいつまでも好きでありたい、そう思っていました。例えば、私が好きなアキバ系コンテンツで代表的なのはニコニコ御三家です。

もうアキバ系や、ニコニコ御三家の言葉を知らない人も多いと存じますが、要するにボカロ、東方、アイマスの3コンテンツがかつてニコニコ動画御三家と呼ばれていて、それらが好きでした。
過去形なのは若干他界気味だから。今回はそんな話です。

3コンテンツをニコニコ御三家と呼称するように、全盛期のニコニコ動画ではこれらのコンテンツの二次創作が流行りで、私もその文化を形成した一人でした。
私がここに住み着いたのはバージョン(季節)~(ββ)くらいの時期です。

当時は小学生でしたが、自己紹介記事でも書いたように不登校で一生PCを触っているようなクソガキだったので自然とネットの良くない分化に染まり始めました。

中、高、大学生時代のオタクグループの中でも割と詳しい方に分類されており、一方でネットに浸かる時期が他人よりも早かったため、老害ムーブを繰り返しておりどのコミュニティでも浮いてしまい、まるで黒歴史を清算する気持ちでこの話をしようと思います。

具体的には3コンテンツ合わせて1000キャラ程度のキャラの名前やその人物像を余裕で説明することができます。HDDには10000曲以上のmp3ファイルがあり、ほぼ常にシャッフル再生で視聴アプリが稼働しています。
他にも、リアルの大型イベントにはどんな予定よりも優先して参加していました。

とまあ、そんな奴です。ヤバイですね。

そんなどうしようもない奴の他界理由を考えていきましょうか。


  • 私は完璧主義で、公式が提供するコンテンツは全て拾い上げて咀嚼したい思いがあります。私がニコ動に参入した頃は3コンテンツを追うのもそこまで難しくなかったのですが、15年たち予想以上に肥大化した御三家を前にして、一個のコンテンツを追うのすら難しくなってきました。追えなくなったことを悟った私は、完璧主義の為にコンテンツを切り捨てることを決意。

  • 私は、元々現実が苦手でネットの世界に浸かることを決意しました。しかし、SNSの普及で、情報を追うためには作品側に立つ人を必ず目に入れなければなりません。ムック本などのロングインタビューは大好物ですし、リアルイベントでライブにいくことは作品を支えている感が出て好きなのですが、別にリアルな人間の私情には興味がないんですよね。むしろ不快。今の価値観で言うとVtuberの中の人を知りたくないけどコンテンツの裏話は知りたい、みたいな感じです。

  • コンテンツが大きくなりすぎた弊害を上の二つに上げたのですが、もう一つの似た理由として、作品にはある程度の潔癖感が欲しいと思っています。御三家は二次創作を公式が認めており、かつては「ゾーニングをしたうえで」創作界隈を盛り上げていました。しかしここから民度の崩壊が始まったのかなと思っています。例えば、二次創作のレギュレーション違反した作品はそっと揉み消せばいいのに、あえてその事実を拡散する人が後を絶ちません。その他にも、創作側だけなく、ファンや公式側の人間の不祥事も後を絶ちません。また、それを広める正義マンの数も計り知れないです。不祥事を内部で処理することが困難になり、結果的に炎上案件が増えたと感じ、嫌気がさしました。普遍的な言葉で表せば「民度の崩壊」ですね。コンテンツ肥大化の一番の支障だと思っています。それを注意するとほぼ必ず「老害は去れ」と返されるので、そうさせていただきます。

  • これは仕方のない理由ですが、情勢も大きいです。楽しみにしていたイベントが感染症により中止になって自分でも驚くほどにモチベーションが低下しました。他にも様々な事情で周りがコンテンツを見限ったため、かつての居場所が無くなり、楽しかった時期は戻ってこないと憂鬱になりました。もともと人に流されるタイプではないのですが、それだけ人が居たことが楽しさに繋がっていたんでしょうね。また内部でも経営の編制があったらしく、ここ数年で大きく(良くない方向に)運営方針が変わったと実感しています。例えば、アイドルマスターシンデレラガールズ。フィーチャーフォンのサービス開始から今日まで11年間休むことなく毎日プレイしており、私の青春や小遣い、時間を間違いなく多大に捧げたゲームだったのですが、あと一か月でサービスが終わります。その後には何も残らない。終了残り数日に迫っても終わるビジョンが描けません。


こんな感じです。
作品の規模は大きくなっていますが、二次創作の面に限っては、上に述べた理由から衰退気味かなと感じています。ファン層も公式の供給を受け身で満足する人が増えたような気がします。
例えば、私が尊敬する、コンテンツの分化を形成する上での足場さえ創り出したような「面白い人」はもう既に軒並み去ってしまったように思います。
時代の変遷というものなのでしょうか。現状の、一次創作でしか大きく盛り上がられないのは肌に合わないですね。

とはいえ、学生時代に膨大なお金と時間と交友関係をインターネット人生を捧げたコンテンツをこのような形で終わらせるのはとても悲しく思います。
さらに、完全に彼女たちへの興味を捨て切ることはできていないため、心の余裕ができたらまた、あの世界、できれば私を形成したニコニコ動画で青春を振り返りたいと願っています。

15年前はここまで続くと思っていなかったから、私の老後もきっとコンテンツは続いてくれるだろう。そう期待しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?