大山詣り

今日は少し早起きをして、お出かけです。

彼岸花見っけ~

そういえば日本人て、なぜか水のきれいな川の上流の温泉地とか観光地とかに赤い太鼓橋をかけたがりますよね、あれ何なんだろう。

ということでそんな「赤い橋」のある、降りたのは「大山ケーブルカー駅」バス停です。
バスの中では「おしゃべり防止」として、地元ご出身の落語家さんの落語「大山詣り」や大山の説明が流れていました。落語を流すパターンは初めて聞きましたが、喋らせない策としてうまいなあと思います。噺家さんの発音は聞きやすいので、モーター音がうるさいバスにもぴったりです。

大山は、えっと…神奈川県の、箱根よりは東京側にあります(雑
別名「あふり山」、ここに建つ神社は大山阿夫利神社と言いますが、どうやら「あふり」は「雨降り」から来ているそうで、つまり雨ごいの神様なんだとか。ご祭神は山の神様と雷の神様です。

さて、今回の旅のモットーは「安全に、無理はしない」です。なんせ今まで、山に行くたびにガチの山道に軽装で突っ込んでしまってきています。それはそれで楽しかったし勉強にもなったとは無事に帰れたから言えることで、帰れなくても別にいいやと思っていた時分はともかく、今は帰りたい相手がいますからね。
なので山道は歩かず、阿夫利神社の下社、ケーブルカーで行けるところだけ行くのです。

……が。まずケーブルカーの駅が思いのほか遠かった上に、その辺はもう木々も多いだろうしと思ったら参道はあまり蔭がなく、思ったより暑いし、参道に商店が並ぶと言ってその商店街がガッツリ階段だしで、そこで既にバテました(早

それでも何とかケーブルカーにたどり着き、いざいざ~~

こんな感じなので、高所恐怖症の人はかなり怖いと思います。ジェットコースターくらいの傾斜角。
このケーブルカーには3回お世話になる(帰りは途中で下車して再乗車したため)のですが、1回目は立ち客が数人出るくらい、2回目はすっからかんで余裕で座れ、3回目はぎゅうぎゅうに混んでいるという、どうも人の動向が読めない路線でした。

やま~~~!!!!

ケーブルカーを使って来られる範囲(700m台)なので登山家の人からしたら「登った」のうちに入らないと思いますが、なんだかんだ、坂やら階段やら登るシーンは多かったので、登ったぞ~感がありますね。
遠くに青く見えるのは海で、写真だと伝わらないのですが、やや霞みつつ、江ノ島を越して三浦半島くらいまでは見えていました。お天気良~~~

さてそこから徒歩1時間半の登山という本社にはさすがに行く気がないのですが(とはいえ以前の私なら登ってたと思う…)、30分の二重滝なら行けるんじゃないかと思っておりました。おりました。道を覗くまでは…。

ザ・山。
よーく見ると写真の左側に階段があり、それが「道」です。
うん。やめよう。

アッサリ諦められたのは、下社だけでもかなり満足だったからかもしれません。景色はもちろん、

湧き水のレイアウトがすごく!きれい!神秘的な感じを残しつつきれい!

200円のボトルを買って汲んで帰ることができます。飲める水です。
クセがなく冷たくて美味しかった~!

ひっそりあった日時計。

そんなこんなで帰りはケーブルカーを途中下車。大山寺という、お不動様のいるお寺です。参道がまた「本当にこれでいいのか…?」な小道で、山道を歩いていないのに山に来た感がすごい。

私はなぜか「特に調べず観光地に行ったらたまたま何年かに一回の御開帳をしていた」みたいな寺社アタリが多いのです。今回もこの大山寺で「特別開帳」に当たり、裏側を歩いてご本尊様を間近に見てきました。「天皇陛下即位記念」と書いてあったので、たぶんすごい長いこと特別開帳している気がするのはさておき(笑)、何となく得した気分です。仏像もお不動様も好きですからね。ラッキー♪

参拝が終わったらもう一度ケーブルカーに乗って下山。
おひるごはんです!!

きのこそば(冷)。
風通しの良い、川に面したお店で、歩いていると暑かったのがほどよく涼しくて、最高でした。
追加でとうふミルクアイスを頼んで、これもとても美味しかったです。ただ「ごめん溶けてるからこれ使って!」と箱ティッシュと一緒に持って来てくれて…。アイスのベタベタを乾いたティッシュでどうにかするのは無理があるよ店員さん。ウェットティッシュを自主的に持っていて良かったです。

そして商店街を歩いて降りていると、私がひそかに「まちなかNPC」と呼んでいる、「突然話しかけてくる高齢者」に出会いました。

「山頂まで行ってきたの」
「いいえ、下の方だけですよ」
「どこまで行ったの」
「下社まで」
「なんだあ、そんなとこだったら、幼稚園児でも行けるわな」

……この装備で突っ込んで遭難してやりましょうか????????

まあぶっちゃけこの時期、この地方のこのくらいの観光地だと、怖いのは遭難よりもハチなんですけどねえ。参道ですらそこここにスズメバチ注意の看板出てるくらいですし…。

住んでいる人にしてみたら実際軽装でも気軽に登れちゃうのかもしれませんが、せっかくこっちは安全を旨として戻ってきたのに何だよう気を削ぎやがって!と思いつつ「普段運動しないもんですから~」と大嘘をつき(週一のバレエは運動に入りますか?バナナはおやつに入りますか?)、狭い参道で時に間を人に通られながら向かい合って立ち話をしました。

そのあたりの人たちはみんなどんどん山を下りて出て行ってしまう、高齢者ばかりになるだけでなく、その高齢者もどんどんいなくなっている、とのこと。「ほらそこもそうさ、こないだ息子夫婦が引き取りに来てなあ」と指された建物はまだまだ、他のお店よりも段違いで綺麗なくらいなのに、シャッターが下りて人の気配がありませんでした。そういえばお店番も高齢の人ばかりだったなあ。「こま参道」と呼ばれる商店街を楽しめるのも今だけなのかもしれません。

この手の人をNPCと呼ぶには理由があり、たまに美味しい情報とか面白い話とかが混じってくるんですよね。言われてみれば当たり前のことではあるかもしれませんが、そうか、観光名所としてどこのサイトにも載っているこの景色だって、当たり前ではないんだよな、と気がつけたのは良かったです。
あと聞くに聞けなかったんですけど「こないだ下北沢行ってなあ」って何しに行ったんですか。見たとこ今畑から帰って来たみたいな恰好してらっしゃるんですが、もしかしてオフの日はすごいオシャレな古着とか着るんですか?めっちゃ気になる。

下る途中で「茶湯寺」にも寄ってみましたが、こちらは寺務所も本堂も開いておらず、ただ苔むした地面とわらしべ地蔵さんが風流でした。

帰りは温泉に浸かって帰宅。温泉の中で親子連れのお母さんが「朝はちゃんと起きなさい、夜は早く寝なさい、夜遅くまで起きてたんだったら朝からシャキシャキしなさい、社会の人はたぶん総理大臣だってみんなやってるんだから」と言っていて、そういうの一切できないし今もできてない私は耳のあたりをマッサージするフリをして懸命に聞かないようにしていました。総理大臣だってできてるらしいのにできない社会人でマジごめん。
N=1で、ああいう親の下で育つ子はきっとものすごく不幸なんだと脳内であえて言い切ってみたりして。でも思うに、もしあの子たちの「お父さん」が激甘だったらバランスが取れていいのかもしれない、近年の叱らない子育てとかは、単に子どもに対する考え方が変わっただけではなく(もちろんそれもあるけど)、子育てをする人数の減少とも関係があるのかもしれません。

そうそう、ここまで歩き回っていて、そういえばこういうところって現金しか使えないんだっけ…と意外とピンチでした。ちょっと欲しいものを迷うまでもなく「現金が足りなくなるからダメだ!」と諦めたことも。キャッシュレス社会、気をつけないとうっかり現金を少なくしてしまいがちです。

お会計(交通費除く)
御朱印
 阿夫利神社下社 500円
 大山寺     400円
おみくじ     500円(100円玉3枚がなく、500円玉を入れたため)
湧水容器     200円
きのこそば    800円
とうふアイス   370円
温泉(割引後)  800円
合計        3570円 +お賽銭

ごはん食べて御朱印もらうだけでしょ?現金3000円もあれば足りるよ!と思うと意外と足を出すのでした。5000円くらいは持って行きましょうね。職場へのお土産すら買えなかったぜ。

安全第一の旅なんて楽しいのかなと思うくらいあっちこっちダメな装備で山やら谷やら突っ込んできた私ですが、安全でもけっこう行けるんだなあと思いました。
あと、いつもだと他にも行きたかった神社とか、それはさておきカラオケ行きたいとか、もっと色々詰め込んで帰りにはすっかり疲れ切っているのですが、今回はそこもサクサク諦めることができ、ほどよく切り上げることができました。自分の体力の衰えも感じましたが…なるほど…これはこれでアリだな…。

ところで皆さんは、出先で温泉に入ってから帰宅した場合、家でもお風呂に入る派ですか?
私はシャワーだけは浴び直す派です!

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