さすまたで命のやりとりするのはちいかわの世界だけの話
当店の防犯グッズに、さすまたがやってきた。
令和の子は、さすまたにトゲトゲがついてて「ヤーっ！」と言いながらツンっ！！！とするのをイメージするかもしれないが、本来さすまたはトゲトゲがついていない。つるつるで軽めで長めの金属でしかない。
ちいかわキッズじゃなくても、さすまたを「不審者を取り押さえるもの」としての認識を持ってる人は多い。
だが、実際はさすまたは、警察が来るまでの時間稼ぎ程度にしか役に立たないらしい。
ボクの友人が、職場で不審者役の男性とさすまたで対峙したところ、あっさりさすまたを奪われて逆に窮地に追いやられたそうだ。
それにしても、さすまたは実際見ると結構デカい。
2メートル以上あるので、当店では直立で保管できる場所がなくてやや傾いた状態で保管されている。
持ってみると、金属の割には軽い。軽いから誰でも握れるが、掴まれてしまうとあっさり奪われる。
これはもしかしたら、地面と平行に刺すのではなく、垂直にぶち下ろすのがマルいのではないだろうか。
天井は傷つくかもしれないが、2メートルある金属を「やーっ！！！」と言いながらぶち下ろすと、当たらなくてもデカい音がするから不審者もひるみそうだ。
あるいは振り回せば、リーチと横幅が大きいのでブンブン風を切るだろう。周りに被害は出るけど、振り回すだけで誰も近寄れなくなる。
よく考えたら、向こうは殺意満々で来てるのにこっちはできる限り無傷で追いやろうというのは不可能な話だ。
自分か、相手か、店内のどれかを犠牲にするなら、店内が一番取り返しがつく。自分を傷付けるくらいなら、店内を破壊しながらさすまたをぶん回した方が良い。
とはいえ、早めに警察は呼ぶべきではある。
ちいかわの世界と違ってこちらの世界には司法があるのだから。
司法がなければ、当店のさすまたにもトゲトゲがあったかもしれない。
