どこかへビュンと行ってしまいたい
東京駅へ出る。たまたま打ち合わせがこの駅だったのだけれど、八重洲口から出たら、新幹線の乗り場がすぐそこだった。駅弁もいろいろ売っている。
ああ、どこかへ行ってしまいたい。
現実逃避して思う。いま衝動的にチケットを買いさえすれば、降り立ったことのない場所へ行くことができるのだ。ただ新幹線に乗って座っているだけでいい。お弁当もなんでも選べる。ビジネスホテルをスマホで探して、それでも満室だとしたらスーパー銭湯とかに泊まってもいい。品川でもたまにそんなことを思う。
とはいえ実行したことは一度もない。
今日も満員電車にゆられて、そのまま会社に戻った。一回妄想をはさむ、それだけでも気持ちが変わる。
前は、東京と大阪間でよく新幹線に乗った。就活、お盆に年末年始とか。その時々の感情を忘れてないことを、電車に乗りながら味わっていた。
どこかへ行ってしまいたい、を衝動的に実行したことはないけど、大阪に住むときのわたしは、計画的にどこかへ行こうとしたのだ。そして行った。行けた。
だから気が済んでいるのかもしれない。
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