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3/11の日常

起きる。机の上にはレシートの束。クリップで留めてある。確定申告の終わりが見えている。簿記三級の資格を昔に取った。それが活かされているのかまるでわからない。

わたしは昔から資格のいらない仕事ばかりに惹かれて(コピーライターとかライターとか)、だからたまに資格を取れるとどこか安心していたのだけれど、取ったところで必要としていなければ使わないし錆びる。宝の持ち腐れとはまさにこのことだ。

お茶を飲んで、顔を洗い、メイクをし、着替える。のろのろ動いているあいだにテレビを見ていたら、3.11についてのニュースが流れていた。13年という時間が長いのか短いのかわからなくなる。

過去に意識を奪われていたせいか、財布を家に忘れてしまった。

5分歩いたところで気づいたものの、PASMOがあるからいいか、と日向の道を進む。財布がなくても、案外困らない。突発的なことがない限りは。財布だって、たまには家で休んだほうがいい。

最近、どれだけ身軽にいられるかの実験をしている。家に、スマホを置いて出かけるのだ。家の鍵さえあれば、ほんとうは出かけられるはずだ。

いつ、何が起こるかわからない。だからしっかり蓄えをするべきだと思うし、同時に大半を手放す訓練もしておいていいと思う。大切なものは、実際そんなに多くはない。持てる量には限りがある。

仕事にキリをつけて、帰宅。PASMOで買ったごまぷりんを食べた。財布は無事に家にいた。レシートが抜かれてすっきりしたフォルムの財布はどこか凛々しい。感謝と愛が湧いてきて、布でやさしく撫でるように拭いた。無駄なレシートで太らせてごめん。

ベッドに入って、noteを書く。やっぱり夜もニュースは、3.11だ。

ごろごろと書いていると、なんだか寒気がしてくる。熱を測ってみたら、けっこう発熱していた。この家でデトックスしたのは財布であってわたしではないのに、なぜだ。いろんな意味で震えている。

さいごまで読んでくださり、ありがとうございます! サポートしてくださったら、おいしいものを食べたり、すてきな道具をお迎えしたりして、それについてnoteを書いたりするかもしれません。