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夜、飲みに行けるとしたら

こないだ初めて行った立ち飲み屋さんが、とてもよかった。ひとりで飲みに行ったのだけれど、両隣の人とも談笑しつつ、カウンター越しに店員さんの調理を眺めた。

左隣の人が訊ねてくる。
「このお店、はじめてなんですか? いつもここら辺で飲んでるんですか?」
「いやあ、なかなか飲める時間に帰ることがなくて」
「へえ、何時ごろですか?」

だいたいのいつもの時間を答える。右隣の人が笑った。「それはこの店、閉まっちゃいますね」店員さんに、その人がふざけて言う。「〇〇ちゃん、もっと店長くあけてよ」

わたしのだいたいの退勤時間を店員さんにも伝える。にっこり笑って答えてくれた。

「その時間だと、店閉めたあとの片付けがちょうど終わってるんで、僕たちと一緒にどっか飲みに行きましょう!」

その発想はなかった。夜、飲みに行けるとしたらそういう時間帯に働いている人たちとなのかもしれない。

しかし、こんなおいしいお店をやっている人たちはどこに飲みに行くのだろうか。気になる。

お刺身も、真鯛の白子も、なんでもおいしかった。そのときは日本酒だけをいただいたけど、ビールの泡のこぼし方もぜいたくで、あれは夏に飲みたい。

そうそう、左隣の人におすすめのメニューを聞くと、あれこれ教えてくれたんだけど、食べたことのないハンバーグをすすめてくれた。

「いつも日替わりメニューが魅力的だから頼んじゃうんだけど、カウンターの中で焼いてる定番メニューのハンバーグがすごくおいしそうなんですよ。あれはもう、絶対おいしい。だから楽しみにとっておいてるんです」

なんて話をしていたら、注文が入ってハンバーグが焼かれはじめた。うん、間違いない。絶対においしいやつだ。

わたしもハンバーグをお楽しみにとっておこう。

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