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subaruphoto2002
相手が求めていないものは、差し出さない。
人と関わるとき、歳を重ねてきたこともあって「うわあ、これ言いたいっ!」と思うときがたまにある。自分の経験したこととか、考えを伝えたくなるのだ。
実際、ストレートに言っちゃってたときもある。お恥ずかしい。
でも、相手が求めてないことは、余計なことかもしれないのだという前提を持たないと、ときどき危ない。善意が正しいわけではないのだ。
おせっかいでも、言わねばというときには、最初に「あの、ほんとにただのわたしの、おせっかいなんですけど……」と伝えてからにしている。ずけずけと相手に踏み込むことはしない。そこは共同スペースではなく、相手のスペースなのだ。勝手には入らない。
相手のためじゃない、自分の言いたさのために言うのだから。
訊かれたら、もちろん応えたい。なにか気になったら声をかけてみたい。無関心でいようというわけではなく、適度な距離感が必要なのだと思っているのだ。
むかし、すご〜く優秀な先輩がお酒の席で言っていた。
「おれを育ててくれた上司はすごいよ。何がすごいって、失敗させてくれたこと。最後までやり通させてくれた。いま自分が上に立つとその難しさを感じるね。どうしても、口も手も出したくなっちゃうもん!」
もちろんその先輩が優秀で信頼関係があるからこそ、彼の上司も任せたのだろうけど、「おふたりともすごいなあ」とそのとき思った。直属の上司と部下という近い関係でさえ、「言わない」ができるのかと。責任を取るのは上司なのに。
いま考えると、もっとすごいなあと思う自分がいる。自分の年齢が上がるほど、心に留めておきたい。
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