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相手が求めていないものは、差し出さない。

人と関わるとき、歳を重ねてきたこともあって「うわあ、これ言いたいっ!」と思うときがたまにある。自分の経験したこととか、考えを伝えたくなるのだ。

実際、ストレートに言っちゃってたときもある。お恥ずかしい。

でも、相手が求めてないことは、余計なことかもしれないのだという前提を持たないと、ときどき危ない。善意が正しいわけではないのだ。

おせっかいでも、言わねばというときには、最初に「あの、ほんとにただのわたしの、おせっかいなんですけど……」と伝えてからにしている。ずけずけと相手に踏み込むことはしない。そこは共同スペースではなく、相手のスペースなのだ。勝手には入らない。

相手のためじゃない、自分の言いたさのために言うのだから。

訊かれたら、もちろん応えたい。なにか気になったら声をかけてみたい。無関心でいようというわけではなく、適度な距離感が必要なのだと思っているのだ。

むかし、すご〜く優秀な先輩がお酒の席で言っていた。

「おれを育ててくれた上司はすごいよ。何がすごいって、失敗させてくれたこと。最後までやり通させてくれた。いま自分が上に立つとその難しさを感じるね。どうしても、口も手も出したくなっちゃうもん!」

もちろんその先輩が優秀で信頼関係があるからこそ、彼の上司も任せたのだろうけど、「おふたりともすごいなあ」とそのとき思った。直属の上司と部下という近い関係でさえ、「言わない」ができるのかと。責任を取るのは上司なのに。

いま考えると、もっとすごいなあと思う自分がいる。自分の年齢が上がるほど、心に留めておきたい。

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