Anker Eufyの屋外カメラを買って失敗した

カメラを購入するまで

 今年の2月に引っ越しをして、家にあると便利なアイテムが何かないかインターネットを物色していたところ防犯カメラを付けた方がいいという意見を目にした。今住んでいる町はそれほど治安が悪いわけではないが、世の中何があるか分からないしつけておくのも悪くないと思って調べてみたところ、業者を読んで設置工事をするタイプは買い切りでおよそ10万円~の価格帯になっているようだ。
 さすがに簡単にぽんと出せる価格ではないためどうにか費用を抑えられないかと考えていたところ、知り合いから下のリンクのような、いわば防水つきネットワーク機能つきウェブカメラのようなものがあると教えてもらった。

 我が家には幸い屋外コンセントもあるし、データはWi-Fi経由でNASに保存することができるらしい。それでもって価格は「ちゃんとした」防犯カメラの1/10ときたので、アマゾンのポイントキャンペーンの期間中にこの機種を注文した。

初期設定の壁、RTSP

 カメラの初期設定にアプリとユーザー登録が必須になるが、そこにだけ目を瞑れば令和のガジェットなだけあって手順自体は簡単でスムーズだった。しかし、動画の保存設定で一つ問題が生じた。

 製品の紹介ページには以下のように書かれている。

記録媒体  microSDカード / NAS (ネットワークHDD)

https://www.ankerjapan.com/products/t8442

 我が家では低スペックパソコンにLinuxを入れて外付けHDDをsambaで共有する形のなんちゃってNASを運用しており、防犯カメラの映像はそのNASに保存するつもりだった。しかし、いざセットアップをしようとするとどうやら「RTSP」という物に対応した機種でないといけないらしい。そういう大事なことはちゃんと書いておいてほしい。
 調べてみたところ、どうやらカメラからリアルタイミングでストリーミングされる映像をどうにかするために使われるプロトコルだそうだが、当然我が家のなんちゃってNASにはそのような機能はない。市販の製品だとSynology製のNASが対応しているそうだが、一番安いものでも数万はする。もちろんNAS込みでも「ちゃんとした」カメラよりは安上がりではあるが、設定や設置の手間と試行錯誤コストを考えるとNASに数万の出費はさすがに痛い。そもそも我が家でデータのストレージは有り余っているから増やしたくない。
 どうにか我が家のなんちゃってNASをRTSPとやらに対応させられないかと調べてみると「Shinobi」というフリーのツールを見つけることができた。

 難しいことを理解する必要はなく、HPに載っているコマンドをコピペするだけでインストールが終わるので情弱にはありがたい限りである。カメラとの接続はこれといったトラブルもなく終え、録画を開始した。

動画の再生トラブル

 録画データは15分単位でファイルを生成し、10日間保存する設定にした。保存されたデータは.mp4形式なので再生も簡単で何も問題がないように見えた。しかし、現在録画中のデータはファイルが壊れた扱いとなって再生ができない。大問題である。
 上で書いたように、このカメラは屋外のコンセントから電源を取っているため、もし悪意を持った者がいたらコンセントのプラグを抜くだけでカメラをたやすく無力化できる。その牽制としてカメラの撮影範囲内に電源コンセントも映るようにして設置したわけだが、録画中にカメラの電源が落ちると録画最中の動画ファイルはまるまる再生ができなくなってしまう。これでは防犯カメラの意味がない。
 とりあえず録画データの保存を1分刻みの設定に変更した後、Ankerのカスタマーサポートに「録画途中にカメラが止まった場合、書き込み途中のままになってる動画ファイルを再生する方法はないか」と問い合わせてみた。場合によってはSynologyのNASを購入することも検討に入れるつもりだったが、サポートの返答によると「プロトコルの規格の問題で不可能」とのことだった。

結局は金額と安心のトレードオフ

 ここまで挙げた問題点を箇条書きでまとめると以下のようになる。

  • RTSP対応のNASが必要な点が分かりにくい

  • 簡単に取り付けられる分、無力化も簡単

  • カメラそのものを狙われたら証拠動画が残せないリスクが高い

 もちろん、「ちゃんとした」防犯カメラをつけたところで犯罪を完璧に防げるわけではないし、価格のアドバンテージがあるから「そこそこの牽制になればいい」という考えでこのカメラを防犯カメラとして運用すること自体はありだと思う。しかし、私はこの仕様では不安を感じるし、やはり録画データぐらいは連続で保存できるようなカメラが欲しい。あと1分刻みの録画だと検索性が悪すぎる。結局は10万円の防犯カメラの工事をして、このカメラは死角をカバーするための補助として運用している。
 このnoteがAnker Eufyのカメラを検討している誰かの役に立つことを願う。

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